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第三章
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「あ?! やっと来たわ! 援軍よ!」
空中のマルガリータが大砲の弾を弾きながら、西の方角を指差した。
その時、 血の臭いを乗せた一陣の風が吹いた。橋の向こうから騎士団とは違う土煙が昇りだした。凄まじい数の黒の骸団の男たちが参戦してきたんだ。騎士団と黒の骸団は橋の向こうであっという間にぶつかり合い激しい交戦状態となった。遠くから剣戟や怒号の声がここまで聞こえてくる。
「くっ! なんだと!!」
ライラックは悔しそうに歯ぎしりした。
「オニクボよ! 私たちの勝利は目前よ!」
ソーニャが叫んだ!
「おのれーーー!! オニクボよ! ここでお前だけでも必ず討ちとってくれるぞ!! この場で、貴様に一騎打ちを申し出る!!」」
ライラックは俺の方に剣の切っ先を真っ直ぐに向けた。
「私も戦うよ!」
「いや! ここは俺に任せろ!」
加勢をしたがる大女を下がらせ、俺はありったけの力を込めて神聖剣を握った。途端に神聖剣は眩く光り輝いた。
「ライラック! 橋を守るため! 仕方ないからその誘いに乗ってやるぜ! いくぜーーーーー!!」
ほとんど直観だったんだ。
俺と神聖剣にはまだ隠された力があるはずだって。
ライラックの懐へと素早く走ると、ライラックは大盾をすぐに構えた。俺とライラックの剣が交える。周囲がスローモーションのようにゆっくりと動きだした。きっと、俺の大量のアドレナリンのせいだ。ライラックの剣も光りだしたが、俺は神聖剣を下から振り上げた。
大盾を真っ二つにすると、ライラックは剣を構えて後ずさった。
瞬間。
俺はその場から地を蹴って、ライラックの腹部に神聖剣を突き放っていた。
血飛沫と白い鎧の破片が辺りに派手に飛んで、ライラックは地面に倒れた。
「はっ! コロ……コロ……」
「いや、ライラックはまだ生きているわ。オニクボよ。よくやった!」
俺の首にソーニャが抱き着いてきた。
空中のマルガリータが大砲の弾を弾きながら、西の方角を指差した。
その時、 血の臭いを乗せた一陣の風が吹いた。橋の向こうから騎士団とは違う土煙が昇りだした。凄まじい数の黒の骸団の男たちが参戦してきたんだ。騎士団と黒の骸団は橋の向こうであっという間にぶつかり合い激しい交戦状態となった。遠くから剣戟や怒号の声がここまで聞こえてくる。
「くっ! なんだと!!」
ライラックは悔しそうに歯ぎしりした。
「オニクボよ! 私たちの勝利は目前よ!」
ソーニャが叫んだ!
「おのれーーー!! オニクボよ! ここでお前だけでも必ず討ちとってくれるぞ!! この場で、貴様に一騎打ちを申し出る!!」」
ライラックは俺の方に剣の切っ先を真っ直ぐに向けた。
「私も戦うよ!」
「いや! ここは俺に任せろ!」
加勢をしたがる大女を下がらせ、俺はありったけの力を込めて神聖剣を握った。途端に神聖剣は眩く光り輝いた。
「ライラック! 橋を守るため! 仕方ないからその誘いに乗ってやるぜ! いくぜーーーーー!!」
ほとんど直観だったんだ。
俺と神聖剣にはまだ隠された力があるはずだって。
ライラックの懐へと素早く走ると、ライラックは大盾をすぐに構えた。俺とライラックの剣が交える。周囲がスローモーションのようにゆっくりと動きだした。きっと、俺の大量のアドレナリンのせいだ。ライラックの剣も光りだしたが、俺は神聖剣を下から振り上げた。
大盾を真っ二つにすると、ライラックは剣を構えて後ずさった。
瞬間。
俺はその場から地を蹴って、ライラックの腹部に神聖剣を突き放っていた。
血飛沫と白い鎧の破片が辺りに派手に飛んで、ライラックは地面に倒れた。
「はっ! コロ……コロ……」
「いや、ライラックはまだ生きているわ。オニクボよ。よくやった!」
俺の首にソーニャが抱き着いてきた。
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