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九尾の狐
狐 2
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藤元はカメラに向かってピースをした(死者は藤元が生き返らした)。
藤元の後ろの電柱にはマルカが立っていた。
「番組では、その謎の男を応援しています。きっと、日本を救ってくれる救世主なのではと思っております(私が!!)。一体、どこにいるんですかねー。ね、藤元さん」
「へ……。ええ……。へ……? そうですね」
「それでは、今日の天気と運勢はって、もう寝る時間ッス!!」
番組はそこで終わった。
「雷蔵様~~。何か作りますね~~。藤元様のキッチンちょっとお借りしま~す」
ヨハが元気良くキッチンの冷蔵庫を開けると、そこには…………。
「雷蔵様~~。外で食べましょう~~」
僕とヨハは傘をさして近くのラーメンショップ(嵐のラーメンという名だ)へ向かうことにした。質素な玄関には、白いスニーカーがたくさんあった。青緑荘というアパートを横切り、コンビニの前を通ると、ラーメンショップについた。
店内は薄暗く。
お客が二・三人しかいなかった。
カウンター席しかないので、仕方なくヨハと並んで座ると、無愛想な女性バイトがメニューを持って来た。
「ラーメン。ラーメン大盛り。ラーメン極上盛り……。ラーメンスーパー極盛り一年分……。……うーんと、チャーシューメンにしようかな」
30代くらいの女性バイトが残念そうな顔をして、メニューを下げようとしたら、隣のヨハはニッコリとして、野菜炒めを頼んだ。僕に食べさせるためだ。
奥の厨房には遠山 紙魚助(とおやま しみすけ)がいて、こっちを静かに見ていた。
背が低く歳は40代だ。
僕が2年前に野球の試合で必死に戦った人物だ。
「やっほー、遠山さん。あれ?!」
店の入り口から島田 谷津陽(しまだ やつよう)が入ってきた。
黒いジャージの上下を着ていて、長身で均整のとれた顔だが、目元に青い痣がある。
その後ろに赤いコートを羽織った弥生がいた。カールが無数にある赤い髪の細身の美人だ。二人とも20代後半である。
「って、矢多辺 雷蔵じゃねーか!!」
島田が暴れそうになる。2年前の野球の試合で戦った相手だった。ヨハが急に立ち上がり、島田を間延びした声で説得しだした。
「すいませ~ん、島田様~~。今~、C区と~交戦中なので~~す。ですから~怪我もしていますし~。私たちの事は~~。どうか気にしないで下さい~~」
無表情の島田が僕の隣に座った。
「なんか起きたの?」
途端に優しくなった島田には、お冷が配られる。
弥生が島田の席の隣に座ると、
「夜鶴さんに言ったほうがいいのかな。怪我もしてるし……何か起きそうよ……」
僕の腕の怪我を見て不安気な声を発した。
島田が瞬く間に好戦的な顔になった。
「いや、島田さんや夜鶴さんたちを巻き込みたくはないんだ。それと、2年前の野球ではすまなかったね。確か右肩だったっけ。僕はA区にある女性を探しに来ただけなんだ」
僕とヨハにもお冷が配られる。
「いやいや! 気にしてねーぜ! 右肩だったかも忘れたー! もう2年前だしな! それより、なんかスリルあるんじゃねえか?! 俺に手伝わせてー!!」
島田はw年前から全然変わっていなかった。
弥生もそうだ。
島田と弥生はタンメンと餃子二皿を頼んだ。
注文したチャーシューメンと野菜炒めが届いた。
チャーシューメンの肉はトロトロとしていて、口の中に油をまんべんなく染み込ました。すごく美味だった。
野菜炒めを食べずにいると、ヨハと島田が口を開いた。
「雷蔵様~~。お野菜を取りませんと~~。いけませ~ん」
「そうだぞ! 野菜を食べて、俺にスリルと戦争くれ!!」
「雷蔵様~~。お野菜~~」
「野菜食べて、俺にスリルー」
藤元の後ろの電柱にはマルカが立っていた。
「番組では、その謎の男を応援しています。きっと、日本を救ってくれる救世主なのではと思っております(私が!!)。一体、どこにいるんですかねー。ね、藤元さん」
「へ……。ええ……。へ……? そうですね」
「それでは、今日の天気と運勢はって、もう寝る時間ッス!!」
番組はそこで終わった。
「雷蔵様~~。何か作りますね~~。藤元様のキッチンちょっとお借りしま~す」
ヨハが元気良くキッチンの冷蔵庫を開けると、そこには…………。
「雷蔵様~~。外で食べましょう~~」
僕とヨハは傘をさして近くのラーメンショップ(嵐のラーメンという名だ)へ向かうことにした。質素な玄関には、白いスニーカーがたくさんあった。青緑荘というアパートを横切り、コンビニの前を通ると、ラーメンショップについた。
店内は薄暗く。
お客が二・三人しかいなかった。
カウンター席しかないので、仕方なくヨハと並んで座ると、無愛想な女性バイトがメニューを持って来た。
「ラーメン。ラーメン大盛り。ラーメン極上盛り……。ラーメンスーパー極盛り一年分……。……うーんと、チャーシューメンにしようかな」
30代くらいの女性バイトが残念そうな顔をして、メニューを下げようとしたら、隣のヨハはニッコリとして、野菜炒めを頼んだ。僕に食べさせるためだ。
奥の厨房には遠山 紙魚助(とおやま しみすけ)がいて、こっちを静かに見ていた。
背が低く歳は40代だ。
僕が2年前に野球の試合で必死に戦った人物だ。
「やっほー、遠山さん。あれ?!」
店の入り口から島田 谷津陽(しまだ やつよう)が入ってきた。
黒いジャージの上下を着ていて、長身で均整のとれた顔だが、目元に青い痣がある。
その後ろに赤いコートを羽織った弥生がいた。カールが無数にある赤い髪の細身の美人だ。二人とも20代後半である。
「って、矢多辺 雷蔵じゃねーか!!」
島田が暴れそうになる。2年前の野球の試合で戦った相手だった。ヨハが急に立ち上がり、島田を間延びした声で説得しだした。
「すいませ~ん、島田様~~。今~、C区と~交戦中なので~~す。ですから~怪我もしていますし~。私たちの事は~~。どうか気にしないで下さい~~」
無表情の島田が僕の隣に座った。
「なんか起きたの?」
途端に優しくなった島田には、お冷が配られる。
弥生が島田の席の隣に座ると、
「夜鶴さんに言ったほうがいいのかな。怪我もしてるし……何か起きそうよ……」
僕の腕の怪我を見て不安気な声を発した。
島田が瞬く間に好戦的な顔になった。
「いや、島田さんや夜鶴さんたちを巻き込みたくはないんだ。それと、2年前の野球ではすまなかったね。確か右肩だったっけ。僕はA区にある女性を探しに来ただけなんだ」
僕とヨハにもお冷が配られる。
「いやいや! 気にしてねーぜ! 右肩だったかも忘れたー! もう2年前だしな! それより、なんかスリルあるんじゃねえか?! 俺に手伝わせてー!!」
島田はw年前から全然変わっていなかった。
弥生もそうだ。
島田と弥生はタンメンと餃子二皿を頼んだ。
注文したチャーシューメンと野菜炒めが届いた。
チャーシューメンの肉はトロトロとしていて、口の中に油をまんべんなく染み込ました。すごく美味だった。
野菜炒めを食べずにいると、ヨハと島田が口を開いた。
「雷蔵様~~。お野菜を取りませんと~~。いけませ~ん」
「そうだぞ! 野菜を食べて、俺にスリルと戦争くれ!!」
「雷蔵様~~。お野菜~~」
「野菜食べて、俺にスリルー」
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