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両想い
両想い 3
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「ねえ……日本の危機を救ったら、結婚を前提にしてお付き合いしましょう」
僕は一度も飲んでいないグラスをテーブルに置いた。
勇気を振り絞る。
「ああ……。僕の寝室のカギはいつも開いているんだ。いつでも入れる」
「じゃあ、一緒に行きましょう」
僕たちは寝室へと向かった。
朝。
9時に起床。
河守と一緒に寝室のバスルームで一汗流すと、みんな昨日のうちに帰ったようた。
こんなにすがすがしい朝は生まれて初めてだった。
窓からの太陽の日差し。
ビル風の音。
部屋のカーペットの香り。
コーヒーの香り。
サンドイッチの味。
全てが……素晴らしい。
トレーニングジムで一汗掻いたり、駐車場で小一時間も車の種類を説明したり、大きなキッチンで一緒に大きなサンドイッチを作ったり。ランボルギーニで広い駐車場内を走り回ったり。
河守と僕の家で楽しく遊んでいたら、いつの間にか夜になっていた。
僕は生まれたままの気持ちで、河守を黄色のランボルギーニに乗せた。様々なネオンが照らす道をドライブした。
「ねえ、私は仕事でしかB区に来ないの……色々と紹介してくれる?」
助手席の河守が微笑んだ。
「ああ」
僕は一番のお気に入りの云話事シーサイドホテルに向かった。
そこは、よく女の子友達と遊んだ場所だった。が、今となっては遠い過去の出来事だ。
ホテルのラウンジは人々で賑わっていた。
軽めのアルコールを提供していて、夕食だけでも43万円もする。
僕はランボルギーニの低い咆哮を聞くと、快く走った。
夜空には真っ白な三日月が浮き出ていて、風は身を切る寒さだった。走行中は車内でバレンシアオレンジとマスカットの香料が香るエアコンを点けた。
緑色の蛍光塗料のついた若者たちが闊歩する歩道には、一足先にクリスマスを伝えるクリスマスキャロルが流れていた。サンタが一人。こちらに手を振った。
云話事シーサイドホテルに着くと、さっそくデラックスの夕食を頼んだ。
河守は大喜びで、色々な食材の入ったチーズとトリュフのサラダ。フランス直輸入のオレンジジュース。イタリア産の魚介類のパエリアと、70年もののボートワイン。300グラムの松坂牛のステーキ。松茸のスープ。ロシア直輸入のキャビアとフランスから取り寄せたフォアグラ。鳥の巣のスープなどを見つめていた。
「凄い……全部で1000万はするわ……。こんな凄く高い料理なんて、今まで見たこともなかったわよ。いつも、給料の大半は貯金していたから……本当にありがとう。雷蔵さん」
「……ふふ」
僕はいつものジントニックを頼んだ。
B区では大規模なノウハウによる都市開発プロジェクトで、酔っても事故が起きない道路が整備され、飲酒運転は注意されるだけなのだ。
食後は少し運動しようと、河守が歩きたいと言った。
云話事シーサイドホテルの周辺には公園がある。
云話事ビバリーヒルズ公園。
その名のとうりに丘の上にあるB区を一望できる公園だ。
「ねえ。あそこの星。手が届きそう……。あの流れ星買ってみない?」
河守が満点の夜空を彩る星々に手をさし向けていた。
「さすがに僕でも、買った時がないな……」
僕は酔い覚ましに夜風を受けていた。
「雷蔵さん……あなたと会えて……よかった」
河守が僕に軽くキスをした。
「さあ、軽く運動して日本を救いましょ!!」
僕たちは子供用の滑り台に競って乗り出した。
僕は一度も飲んでいないグラスをテーブルに置いた。
勇気を振り絞る。
「ああ……。僕の寝室のカギはいつも開いているんだ。いつでも入れる」
「じゃあ、一緒に行きましょう」
僕たちは寝室へと向かった。
朝。
9時に起床。
河守と一緒に寝室のバスルームで一汗流すと、みんな昨日のうちに帰ったようた。
こんなにすがすがしい朝は生まれて初めてだった。
窓からの太陽の日差し。
ビル風の音。
部屋のカーペットの香り。
コーヒーの香り。
サンドイッチの味。
全てが……素晴らしい。
トレーニングジムで一汗掻いたり、駐車場で小一時間も車の種類を説明したり、大きなキッチンで一緒に大きなサンドイッチを作ったり。ランボルギーニで広い駐車場内を走り回ったり。
河守と僕の家で楽しく遊んでいたら、いつの間にか夜になっていた。
僕は生まれたままの気持ちで、河守を黄色のランボルギーニに乗せた。様々なネオンが照らす道をドライブした。
「ねえ、私は仕事でしかB区に来ないの……色々と紹介してくれる?」
助手席の河守が微笑んだ。
「ああ」
僕は一番のお気に入りの云話事シーサイドホテルに向かった。
そこは、よく女の子友達と遊んだ場所だった。が、今となっては遠い過去の出来事だ。
ホテルのラウンジは人々で賑わっていた。
軽めのアルコールを提供していて、夕食だけでも43万円もする。
僕はランボルギーニの低い咆哮を聞くと、快く走った。
夜空には真っ白な三日月が浮き出ていて、風は身を切る寒さだった。走行中は車内でバレンシアオレンジとマスカットの香料が香るエアコンを点けた。
緑色の蛍光塗料のついた若者たちが闊歩する歩道には、一足先にクリスマスを伝えるクリスマスキャロルが流れていた。サンタが一人。こちらに手を振った。
云話事シーサイドホテルに着くと、さっそくデラックスの夕食を頼んだ。
河守は大喜びで、色々な食材の入ったチーズとトリュフのサラダ。フランス直輸入のオレンジジュース。イタリア産の魚介類のパエリアと、70年もののボートワイン。300グラムの松坂牛のステーキ。松茸のスープ。ロシア直輸入のキャビアとフランスから取り寄せたフォアグラ。鳥の巣のスープなどを見つめていた。
「凄い……全部で1000万はするわ……。こんな凄く高い料理なんて、今まで見たこともなかったわよ。いつも、給料の大半は貯金していたから……本当にありがとう。雷蔵さん」
「……ふふ」
僕はいつものジントニックを頼んだ。
B区では大規模なノウハウによる都市開発プロジェクトで、酔っても事故が起きない道路が整備され、飲酒運転は注意されるだけなのだ。
食後は少し運動しようと、河守が歩きたいと言った。
云話事シーサイドホテルの周辺には公園がある。
云話事ビバリーヒルズ公園。
その名のとうりに丘の上にあるB区を一望できる公園だ。
「ねえ。あそこの星。手が届きそう……。あの流れ星買ってみない?」
河守が満点の夜空を彩る星々に手をさし向けていた。
「さすがに僕でも、買った時がないな……」
僕は酔い覚ましに夜風を受けていた。
「雷蔵さん……あなたと会えて……よかった」
河守が僕に軽くキスをした。
「さあ、軽く運動して日本を救いましょ!!」
僕たちは子供用の滑り台に競って乗り出した。
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