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新たな仲間と共に

第117話 答えは自ら見つけるもの

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『本当は簡単な方法があるんだけど、なまじ賢いレイナウトがそれに気が付くかどうか・・・・』

 デルクはレイナウトが直面している問題の解決方法を知っている。

 レイナウトはワイバーンに対し魔法と剣、両方を使用し一撃の下で仕留めようとしている。

 しかしワイバーンは飛翔するので魔法と剣を同時に扱うにはリスクがありすぎ、結局別々に使わないといけない。

『何かレイナウトなりの拘りなんだろうけど、先にフライを使っておけば、ワイバーンの首までひとっとび、そして剣で一撃できるはずなんだよなあ。』

 灯台下暗しとはよく言ったもの。
 レイナウトは魔法と剣を戦闘中に同時使用する事に拘り過ぎて、前もって魔法を使用するという、単純かつ効率のいい手段を思いつけない、その思考に辿り着けていないのだ。

 何かの切っ掛けがあればいいんだけどね。
 そんなある日、その出来事は起こったのだった。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

 思いつめたレイナウト。
 またしても自分だけ結果が出ていない。
 デルクは常に自分の数歩前を進んでいる。
 到底かなわない。

 そしてそんなデルクを想っている(はずの)セシルもそうだ。
 彼女は投擲で一撃の下にワイバーンを仕留めている。
 元々魔法は補助魔法が主体なので、攻撃魔法で魔物を仕留めるという発想がないのか、魔法で仕留めるのを見た事がない(はず)。

 そしてワイバーンは彼女の剣の届く範囲には近づかない。
 ではどうすれば?
 セシルは愛用している剣で仕留める事に拘っていない。
 なので投げナイフを用いての投擲に一切の迷いがない。
 自分とは大違い。

 レイナウトは手にしている剣でワイバーンを一撃の下仕留める事に拘っている。しかし現状ではワイバーンにその剣は届かない。
 魔法でダメージを与え、その後に剣で仕留める。
 結果魔法のダメージがある分、一撃とは言い難い。
 しかもレイナウトが放つ魔法の威力は微妙で、雑魚ならば一発で仕留められる威力はある。
 但し下層の魔物相手に一発で仕留める事はかなり厳しい。

 運よく口の中に魔法が入り込み、体内で爆発してくれればその限りではないが、それは単に運。
 偶然により一撃で仕留める事を達成できた!と喜ぶわけにはいかない。

 そしてロースだ。
 彼女は最初正直言って戦闘では全くの役立たずだったのだが、レベルが上がり使役できる精霊の格が大幅に上がり、今やデルクを除く3人の中で一番の戦力。

 数体の精霊はワイバーンへ群がり、ワイバーンに何もさせないまま気が付けば仕留めている。

 僕もそうだが、ロースが自分以上に役立たずと思われていたのは知っている。
 しかし今や僕が一番役に立っていない。

 いつの日かロースに相応しい男になってみせる!と思っているものの、その日は遠い・・・・
 遠いというか日々遠のいていく。

 そんな風に悩んでいたレイナウトだが、この時運命の神が悪戯をしたのか気を利かせたのか、ロースと2人っきりになる時があった。

「何辛気臭い顔しているのよ?」

 ロースとレイナウトは幼馴染。
 なのでロースはレイナウトに容赦がない。

 まいったな・・・・レイナウトはロースの常に変わらない態度に困惑しつつ、感謝しているのだった。
 常に変わらず接してくれるロース。
 僕は彼女の隣に立て続ける事が出来るのだろうか?
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