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新たな仲間と共に

第130話 地上へ

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 さて、地上へ戻る事の出来る魔法陣を前に、デルクはこのまま今すぐ戻ったらどうなるのだろう?
 ふと気になり、その前に4人でアイテムの分配をしておいた方がいいかと思い、この場である程度分配する事を提案する。

「ちょっと聞いてほしい。今から地上に戻る事が出来るけれど、戻った時に外がどうなっているか分からないんだ。もしかしたら誰かに襲われるかもしれないし、その後4人がバラバラになってしまうかもしれない。その前にアイテムの分配だけはしておきたいんだ。」

 価値のあるアイテムもそうだけど、まずは宝箱に入っていたアイテムは確実に渡しておきたい。
 それにデルタさんから渡された、このダンジョンを行き来できるアイテムと、デルタさんと会話ができるアイテムは必ず渡したい。
 尤も僕以外はデルタさんに会った事がないから、これを使うのは実際会ってからかな。

「そうだね。できれば地上へ戻ってもこのメンバーで再び活動したいけれど、何があるか分からないからね。そしてこのダンジョンを行き来できるアイテム、これがあればいつでもここへ来る事が出来るんだよな?」

 レイナウトの質問にデルクが、

「報酬の一つなんだけど、このダンジョンを・・・・この装置を渡すね・・・・で、ここにボタンがあるだろう?これを押せば、押した本人だけがこの装置を使えるらしく、登録するとか言っていたかな。だから万が一盗まれたり落としてしまっても別の人が使用する事は出来ないみたいで・・・・そうそう、それでいいかな。そしてこの100層が最下層らしいんだけど、つまりこの階層なんだけど、この階層にある別の場所にデルタさんがいて、そこでダンジョンを管理しているらしいんだ。その場所の一部を僕達の為に開放してくれるらしく、拠点として使えるみたい。因みに暮らす事もできるみたいなんだ。」
「え?じゃあ私達拠点持ちになったの?」

「そうだよロース。たぶん5層毎の【家】と言うか【拠点】と言うか【休憩所】と言うべきか・・・・あれより更に広い建物を、4人分ともう1つ、皆で集まる事が出来る建物を提供してくれるらしくてね。尤もこれらは僕達がダンジョンから出て、ダンジョンを修復してからの提供らしいから、多分1週間ぐらい時間がかかるんじゃないかな?」

「そうか。じゃあ1週間後にこの装置を起動して、集まろう。」
 レイナウトがそう言い、皆頷く。

「それとこれはデルタさんと会話ができるみたいんだけど・・・・ってあれ?ちょっと待ってね?」
 別の装置が光っているのでボタンを押すと、デルタからの連絡だった。

【4名の登録が終わりました。そしてこちらのアイテムですが、それに伴い機能の一部が解放されました。この装置を使用すれば今そちらにお見えになるメンバーと個別で連絡が付くようになります。①が私δ《デルタ》197型、②がデルク様、③がセシル様でよろしい?④がレイナウト様でよろしい?⑤がロース様でよろしい?少し飛ばして⑨が①以外の全員と同時に連絡ができる番号でございます。】

 どうやら便利な機能が追加されたみたいで、これは非常にありがたい、そう感じるデルク。
 魔道具で遠距離の連絡ができるもなかなかお金がかかるうえ、色々制限があり使いにくいのだが、これならいつでもどこでも連絡がつく。

 その後デルクは機能の説明をし、各々にアイテムを渡す。そして先に渡したのと接続できるようで、接続をすればお互いを失くすような事にはならなさそうで一寸安心?

【1週間後にお越し下さい。皆さまが所持しておられるギルドカードにこちらの機能をお付けいたします。】

 あ、更に失くす心配がなくなった。これは便利。
 ありがたいと思いつつ、この辺りの事は改めて1週間後でいいかなと。
 で、残りのアイテムを分配していくのだが、何せ数が多い。

「いや待ってデルク。収納カバン自体君がいなければ僕達は所持すらできなかったんだ。だから普通のカバンひとつ分でいいよ。」

 皆激しく頷くけど、それでは僕の取り分があまりにも多すぎて困ってしまうんだよね。
 そうデルクは感じるが、

「デルクは皆を救ってくれた。だからデルクには受け取る権利がある。」
 セシルが力強くそう言ってくれる。

「そうよ?だってほら、この宝石だけでも凄い財産よ?」
 ロースもセシルの意見を肯定する形で受け取りを拒否。
「まあまあ、そういう事だし、そろそろ戻ろうよ?」

 レイナウトの言葉で皆戻る準備を。

「じゃあ・・・今までありがとう、そしてこれからもよろしく!じゃあ・・・・一斉に移動しよう。」

 4人は魔法陣へ。
 魔法陣に入り、暫くすると魔法陣が輝きだす。

 そして・・・・まばゆい輝きで目がくらみ、うわ!眩しい!と思ったのもつかの間、目をあけるとそこは・・・・ダンジョンの入り口から少しずれた場所だった。
 デルク達は数年ぶりに地上に戻ったのだった。
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