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セシル

第133話 街に戻る2人

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 ●4人でのパーティが一時的に解散したので、今後は再びデルク視線で記載していきます。●

 久しぶりの街だ!
 デルクはセシルと共に街の門まで歩きつつ、興奮していた。

 流石に2,3年程度で街の外は変わらないよね?
「何も変わっていない。」

 セシルも気になっているよね?
「よかった。何かこう大きな争いとか、スタンピートが発生して街が壊滅していたとかシャレにならないからね。」

 この街は人の出入りに特に制限をかけておらず、基本冒険者は街の門を素通りできる。

 何せ商人が荷物を運ぶ場合、収納かばんの存在があるので必ずしも荷を馬車で運ぶ必要もなく、馬車のチェックをする必要があまりないからだ。

 デルクなんかは疑問に思う事もあるのだが、人の流れを円滑にする事でこの街は大きな発展をしてきており、金銭面では取引時に税がかかる仕組みになっているので、わざわざ門を監視する必要はないのだ。尤もそれはあくまで人間の場合。
 魔物の監視はしているので、門はある。

 3年近く経てばデルク程の子供ならある程度背が伸びたりして別人に見えるものだが、見慣れない人がやってきたと言って門番に呼び止められる事もなく、2人は無事に街へ入る事に成功した。

「よかった。」

 ちょっと不安があったのかな?セシルがそんな事を言うなんて。
 デルクはそう感じつつ、
「まあこの街の方針、というより国の方針だからね。」
「街じゃなく、国なの?」

 あれ?セシルは知らなかった?
「そうだよ。もしかして知らなかった?」
「うん。この街以外に何処かへ行くとか考えた事がないから、興味なかった。」

 まあそなるよね。何せ町や街の外には強い魔物が闊歩していて、しっかりとした護衛に守られるか、自身が強くないと街から街、もしくは町への移動は厳しいと聞いているから他の街なんかどうでもいいんだよね、殆どの人にとっては。

 僕ですら他の街で過ごす発想はないからね。
 そんな事を思いながら道を2人で歩いていたけれど、気が付けばセシルが幼少時を過ごした修道院の近くにやってきた2人。

「デルク、また明日。」
「そうだね。また明日、ギルドで。」

 まあセシルの今の強さだと、万が一不届き者が現れてもセシルに怪我ひとつ負わせることはできないよね?

 僕はちょっぴり心配になったけれど、セシルももう14歳。
 あと1年もすれば15歳だからね。
 セシルは振り返る事なく修道院の中へ入っていきました。

 思えば2年以上、常にセシルが傍に居てくれたわけで、僕は何か寂しさを感じましたが、また明日セシルに会えるんだからと、まずはお世話になった人達に僕の無事を報告しないと。

 そう思い、トゥーニスさんの住んでいた場所に向かいましたが・・・・

 建物があったと思われる場所には以前あった建物がなく、違う建物が建っていました。
 建て替えたのかな?
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