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トゥーニス

第196話 ダンジョンの役割って

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 これ以上ダンジョンの事をデルタさんに聞いて、また禁則事項に抵触してしまえば先程同様、またデルタさんの全身から血が噴き出てしまう可能性があるので、聞くのはやめます。

 知りたいという知的探求心はありますが、デルタさんを犠牲にしてまで知る必要はありません。
 しかし先程デルタさんが言いかけて禁則事項に触れた内容と、今まで知っていた知識から推察・考察すると、

 ダンジョンは魔素の濃い場所に存在している。
 ダンジョン内に存在する魔素は、下に向かえば向かう程濃くなる。
 ダンジョン内で活動する魔物は下に向かう程強くなる。そしてこの理由は、強い魔物は身体を維持するのにより多くの魔素を必要とし、一番強い魔物が最下層に、そしてそれぞれの魔物は自身の限界の階層(より上層)を限度に活動している。

 つまりダンジョン上層に強い魔物が存在しないのは、僕達に都合のいい理由ではなく、単に強い魔物が上層では身体を維持するだけの魔素を得られず、活動できないため。

 一応この辺りの事は過去の経験からたぶんこんな感じだと知られている内容です。
 そしてここからがデルタさんから聞いた話。

 そもそもダンジョンの存在意義、つまりダンジョンが何故魔素の濃い場所に存在しているか、なのですがそれは魔素の変換装置・・・・つまり、濃厚な魔素の存在する場所にダンジョンがあり、その魔素をダンジョンが何かに変換している、という少しばかり信じられない内容です。

 昔からそもそもダンジョンは何ぞや?
 という疑問はあったのですが、誰も答えられずにいたんです。
 それなのにデルタさんは言い切りました。

 そして、この後に続く内容は禁則事項に触れた様なので話の途中で聞けなくなりましたが、魔素を魔力に変換するのではなく、えっと魔素をエネルギーに変換・・・・エネルギーって何?何かを動かすのに必要な力でしょうか?
 人間で言うならば、人間は生きています。生きている人間は飲み食いをしないと死んでしまいます。
 つまり人間の場合エネルギーというのは飲食物。
 ダンジョンでは魔素を、ダンジョンが活動でいいのか分かりませんが、仮に活動としましょう、活動するのに必要な何かに変換をしている。デルタさんはそれをエネルギーと呼んでいるようです。
 で、そのエネルギーは貯蔵庫に送り込まれると言っていましたが、人間で言えば脂肪でしょうか。
 人間が活動するのに飲み食いをした力が脂肪として蓄えられ、必要な時にその脂肪を活用していると聞いた事があります。

 それと似たような事柄でしょうか?
 で、その貯蔵庫に蓄えられたエネルギーで新たな魔物の生成とアイテムの生成に活用され・・・・でデルタさんに禁則事項が。


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