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模擬戦とダンジョン

第265話 新たな人柱

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「トゥーニスさん、ユスティネさん、本当にいいんですか?何かあっても僕は何もしませんよ?これは今後の事もあってお2人がどういう状態なのか確認する意味もありますから。」

「分かっている。お前達だけを人柱なんぞにできるか!まあ俺はいいのだが、ユスティネ、本当にいいのか?」
「トゥーニス様かまいませんわ。ただ私はトゥーニス様とは違い、遊び人ではありませんから、お弟子さんの思っているような結果につながるのか分かりませんけれど。」

 どちらかと言えばトゥーニスさんの方が心配、なのだけど。
 何せ今までの3人はファーストジョブが全員遊び人じゃなかったのを、遊び人にしたから。

「ユスティネさん、僕が先程選定をした3人はユスティネさん同様、ファーストジョブは遊び人ではありませんでした。そして性別も3人中2人は女性です。ユスティネさんとの違いは恐らく年齢ぐらいでしょう。それよりも僕が気になるのはトゥーニスさんです。」

「デルク、俺がなのか?」

「はい。実はまだ遊び人のジョブ持ちを扱っていないんです。なので精神異常が何をもって引き起こされているのかわかっていないんです。分かっていないと言っても
 十中八九セカンド・サードジョブの選定だと思っているんですけど、もしかしたら違う可能性もあって。」

「まあいいさデルク。もし俺に異常がなければ実はそうじゃなかった、という可能性がある訳だ。それにだな・・・・今この場にいる面子にこれ以上危険を冒させる訳にはいかないからな。それは俺とユスティネの後だな。俺の次はヴィーベとリニにやってもらえ。あいつ等はまだまだ伸びる。それに俺達より年齢がお前達に近い。そして他の遊び人部隊の誰よりも信用できる。いやこの場合は信頼だな。俺は遊び人部隊を率いたが、全員が信用できていた訳じゃないからな。」
「わかりました。しかし・・・・お2人には万が一があると困りますから、部屋の中で行います。セシル、手伝ってくれるかい?」
 セシルは自分が手伝いに呼ばれると思っていなかったので驚いている様子。
 何せさっきまで選定は全てデルクが1人で行っていたからだ。
「分かった。だが何をすればいいのだ?」
「今から選定板をもう一基作ろうと思う。そして2基をほぼ同時に操作して2人の選定をほぼ同じタイミングで行うつもりなんだ。もし何かあればユスティネさんを見てほしい。」
「わかった。さっきの私達みたいになったら大変だからな。」

 思い出したのか顔を真っ赤にさせながらうなずくセシル。
「ありがとう・・・・レイナウトとロースは、今から休憩所の部屋を使って行うから、2人がもし暴走しても、中で留めておいてほしいんだ。」

「わかった。年齢的な異常がもし僕達より酷い場合の想定だな。」
「そうなんだ。まあ狂暴化して周囲を襲ったり、とかはないと思うんだけど・・・・」

「デルク!それ以上は言わなくていいわ。トゥーニスさんだけなら露出狂で済むけれど、まさかユスティネさんの裸を他人に見せる訳にはいかないものね?」
「まあそうならない事を願うよロース。2人だけで収まってくれたらいいんだけどね。それに今後の事もあって、2人の行動には落ち着くまで目を光らせないとね。」

 正直まだ分からない事だらけで、色々不安があるんです。
 万が一の時は元へ戻す選択を行う必要があります。
 但しそれすらどんなリスクがあるのかわかりません。

 こうして最初に事を起こすのって、相当リスクがありますね。
 数をこなしていけば対応も可能ですが、その対応がどうしたらいいのかわからない状態って怖いです。




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