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第6話 続・スライムのスラちゃん

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《冒険者ギルド》

 僕は失意のまま、冒険者ギルドへ向かいました。
 折角ベアトリクスさんのアドバイスでこうして活動できていたのに、不注意でスラちゃんを失ってしまい、しかし黙っている訳にはいかず、こうしてやってきたのです。

「え?スラちゃんが動かなくなったですって?」

 ベアトリクスさんの驚く表情は暫く忘れられそうにありません。

「そうなんです。レベルが上がったと思ったのですが、その後急に動かなくなって、しかも体が硬くなってしまって、うぅ・・・・」

 思い出してしまい、思わず涙が。
「うーん、変ねえ。スライムって結構悪食なのよ。全く食べなくても平気で何日か過ごす事が出来る上に、一度食べ始めると止まらないのよ。それこそ1日であのスラちゃんでさえ人の頭ほどの大きさの物を食べちゃうけれど、食べ過ぎで死んだって言うのは聞いた事が無いわね。」
「そうなのですか?でもスラちゃんには何度も薬効成分を吐き出させてしまいました。無理をさせたのでは?」
 ベアトリクスさんは何だか考え込んでいます。
「スライムって、未だよくわからないのだけど、放っておいても勝手に地面に吐き出しているから、それは気にする事ではないはず。それより気になるのは身体が硬くなって、身動きしなくなった事の方ね。もしかして死んだのではなくって、何か変化があるのではないかしら?今日はもう遅いから、明日の朝もう一度確認したほうがいいわね。あ、ごめんね、これはまた明日!」
 他の冒険者がやってきたので、僕はベアトリクスさんの業務に支障が無いよう、言われた通り引き上げました。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

 翌日、宿で食事をし、冒険者ギルドに向かいます。

《冒険者ギルド》

 相変わらず朝一番は、掲示のある場所が激しい争いで凄い事になっています。
 まあこの間にベアトリクスさんから話を聞きましょう。
「おはようございます、ベアトリクスさん。」
「あらおはようロキュスさん、今から行くのね?」
「はい。確認してきます。もし死んでいるのであればスラちゃんには悪いなあとは思いますが、やはり気になります。」
「そうしてあげて。たぶん死んでいないとは思うけれど。スライムが死ねば魔石と言われる核を残して、死体はそのままドロドロになるはずなのよ。」
 知らなかった。
 そういえばスラちゃんは硬くなったままの状態だったので、もしかして死んでいない?

 また冒険者の方々がやってきたので、僕は冒険者ギルドを後にします。

《平原と森の境目・スラちゃんを埋めた場所》

 僕はスラちゃんを埋めた場所にやってきました。
 僕がスラちゃんを埋めたまま、変化はなさそうです。
 もし本当に死んでいたのであれば、冒涜するようで申し訳ないと思いつつ、早速埋めた場所を掘りかえそうとしたのですが・・・・

 モコッ!

 え?今まさに地面を掘り返そうとしたのですが、その地面が突然盛り上がったので驚きました。
 少し離れて様子を見る事にしたのですが、見ていると地面がどんどん盛り上がり、遂には何かが飛び出したので驚きは更に・・・・ってうわ!
 その飛び出した物が、僕めがけて飛んできました。
 思わず受け取ってしまいました。

 見ると、一回り大きくなった、何処からどう見てもスラちゃんの姿がそこにはあったので、僕はもう嬉しくて泣いてしまいました。

ごしゅじんないているのご主人泣いているの?】
 え?何か頭の中に声が聞こえました。
【な、何今のは?】
ごしゅじんにねんわをおくったんだよーご主人に念話を送ったんだよーぼくはすらだよ!僕はスラだよ!
【え?本当に?あの時動かなくなってしまって、てっきり死んだと思って地面に埋めたんだよ。ごめんね。】
いいよーぼくねえぱわーあっぷいいよー僕ねえパワーアップしたんだよこぶんをしたがえるしたんだよ子分を従えることができるんだよ!事が出来るんだよ!
【子分?何の事かな?】
ごしゅじんにぼくのこぶんをご主人に僕の子分をしょうかいするねー紹介するねーみんなでておいで皆出ておいで!】

 スラちゃんがそういうと、さっきまでスラちゃんがいた土の中から、小さな色とりどりのスライムが次々と出てきたので、僕はとても驚きました。

みんなごしゅじんだよー!皆ご主人だよ!

 黄色に赤に緑・・・・白や青もいるけれど、何だろう?
 今目の前にいるスラちゃんは両手を握った状態ぐらいの大きさになっていて、そして子分?握りこぶし半分程度の大きさのスライムがわんさか出てきたのですが・・・・僕のレベルでは1体しかテイムできないはずなんだけど、どういう事?

 数えると黄色と赤色と緑色が3体ずつ、白と青が1体ずついました。
 何だろう。

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