レンタル従魔始めました!

よっしぃ

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王都ルーペルト

第100話 衝撃の行動

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「あれ?何で真っ二つにならないんだ?対象を切りつける直前に転倒してしまった故、狙いとは違う場所を切ってしまった事を差し引いても・・・この収納かばんのせいか?」

 それは僕が商人ギルドでマルセルさんから貸し出されている・・・・もう代金は回収し終わっているので僕の物になっていたんだったかな?【空間】を【拡張】してくれて、しかも【重量軽減】の効果もあったはず。生き物を生きたまま入れる事が出来ないので、スライムは入れていません。
 僕は王子様の傍に居た騎士様に切られたんですね。何故?
【よくもご主人を!】
 スラちゃんが怒っている?
【僕がご主人を守るから!皆はご主人を治療して!あと・・・・行け!】
【デュ!!!】
 何か飛び出していく・・・・あれは灰色のスライム?白と青もいたかな?
「何をやっているんだ!早くしろ!」
「申し訳ありません。ワームとスライムに邪魔をされてしまいました。今度は首を。」
 しかし次はありませんでした。
 ガキン!
 何だか金属同士がぶつかったような音がします。
「何!剣が折れただと!何だこのスライムは!」
 何かに覆われてしまったようで、もう視界は殆どありません。
 目の前が真っ暗になり、僕はこれ以上何も考えられなくなっていきます。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

 ロキュスの意識が無くなる直前、従魔のスラちゃんは怒っていた。
 折角ご主人様が迎えに来てくれたのに、何かに邪魔をされた。しかもご主人さまに剣を振るうとは!
 何とかアスワムが先にご主人様の足元へ出て、転倒させる事はできたけれど、大怪我を!
 ゆるせない!剣を振った奴もそれを命令した奴も!
 アスワムもご主人様を守ってくれている!
 だけどあの怪我では・・・・早く治療を!

 スラちゃんは眷属スライムに、ご主人様であるロキュスの治療を命じた。普段はお願いしかしないスラちゃん。
 そして灰色のスライムに早く昨日診た雌・・・・・の所へ行くよう命じた。
【畏まりました絶対者・・・。】
 そう言って去って行く灰色のスライム。
 人には【デュ!】としか聞こえなくても、従魔と眷属でのやり取りはこうなっているのだ。

 このままではご主人様の治療が間に合わない!どうすれば!
 昨日初めて自分の分身・・・・・・・・を増やした。この子にやってもらうしかない。自分はその後ご主人様を守り抜く!
【ご主人様が持っていた収納かばんを取り込んで、中に入れ!】
 スラちゃんの命令に、新たに増えたスラちゃんそっくりのスライムは早速カバン、そして収納かばんを取り込んで、そのままロキュスの体内に入っていく。
 カバンの中にいたスライムは全て外に居て、全力でロキュスの治療に当たっている。
 そうでないスライムはロキュスを守っている。
【スラ!今の内だ!私も主に寄りそう!君は外を!】
【アスワム頼む!】
 スラちゃんは突如自分の身体を布のようにし、ロキュスとその周囲にいたスライムとワーム全てを包み込んでいった。

「おい!どうするんだ・・・・ってうわあ!!」
 アルテュールは何かを顔に受けた。お付きの騎士もである。
「アルテュール様、先ほど逃げた灰色のスライムです!」
 灰色のスライムは凄い形相で2人に何かを吐き出していた。
 そしてそのまま動かなくなったスラちゃんにぶつかっていく。
【よくやった!】
 灰色のスライムを中に入れたスラはそのまま隙間を無くし、完全に固まってしまった。

 この直後、スラから増えた眷属スライムの子、つまりスラからしたら孫以下のスライム、その全てが活動を停止した。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

 時は灰色のスライムが飛び出した所まで戻る。

 灰色のスライムはスラの命令で王妃の元へ向かっていた。
 後ろには白と青のスライムが続く。

 信じられない速度で王妃の元へ。
 部屋のドアは閉まっていたが、スライムにかかれば問題無い。
 僅かな隙間から侵入し、驚く王妃の体内に入っていく。
 そして呪いを解呪。
 白いスライムは王妃と灰色のスライムの汚れを取り除き、青いスライムは王妃の肌に張り付く。
 そして灰色のスライムはそのまま戻っていく。
 青と白のスライムはこのまま王妃の元に留まった。

 灰色のスライムも怒っていた。
 絶対者のご主人・・・・・・・が切られたからだ。この時すぐに自分の子を取り込んだ。
 こうして力をつけてそのまま絶対者の命令に従い、昨日の場所へ。
 そのまま役目の一部を果たし、王妃の呪いをそのまま自分に取り込み体内に残し、無礼な2人の所へ向かった。

 そのまま2人の顔に呪いを吐き出した。
 何とか間に合った!
 絶対者は自分のご主人を囲っている。もう少し遅ければ自分は入れない所だった!
 辛うじて空いていた隙間から中に入り込み・・・・絶対者はそれを見届け、全ての活動を命じる。
 唯一活動を継続したのは絶対者から直接増えた子達。但し今絶対者の傍に居ない子のみ。

 絶対者の命令は、眷属は今まで通り活動する事。
 眷属スライムから増えた、さらにそこから増えた全てのスライムへその場で活動を停止するように命じたのだ。

 この命令によって子から増えた子達はその場で活動停止をした。

 ルーペルト王国中には相当数のスライムが普及していて、突然スライム達が活動を停止したので皆驚いた。
 特に青いスライムと白いスライムは貴族や富裕層、最近では一般家庭にも普及しつつあったので影響は大きい。

「どうしたんだ?」
 マルセルは驚いた。
 ロキュスから直接預かったスライムは皆、眷属から増えた子だったので動いていたが、他のスライムは眷属から増えた個体だった事から全て丸まって固まってしまった。

 ロキュス君に何かあった?

 この後商人ギルドと冒険者ギルドは大騒ぎになる。

 ロキュスの生死は?

 そして先に城の中に、王妃の元に向かっていたランメルト伯爵とプリスカ、そしてカトリナの運命は?

 王都ルーペルトの章・完

 ● 作者からのお知らせと今後の展望

 ここまで読んで下さりありがとうございます。
 当初目指していた始まりの部分、100話が完成いたしました。
 これはまだほんの始まりの部分ですので、今後は切られたロキュスはどうなるのか?動かなくなったスライムは?
 等と大きく話が進んでいきますのでご期待下さい。

 これを作成したのは8月28日ですが、2週間程次の章の作り込みに時間を下さい。
 その前に101話、登場人物と従魔・眷属を更新していきます。
 102話は少し時間を下さい。

 そして、続きが気になる!今後に期待!待っているよ!と思って下さった方でまだ評価をして下さっておられない方、評価の程お願いいたします!

 ●  予告のようなもの

 次の章、その一部を・・・・予告ですね。

「兄さま、これは何ですか!」
 妹に見つかってしまったアルテュール。
「お、お前が知るひ、必要はない!」
「こんな・・・・物かしら?何故このようなものがここにあるのですか?」
「そ・・・・それは・・・・」

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

「あれ?此処は何処で、君は誰?」
「貴方こそどなたですの?噂に聞く失踪したロキュス様ではありませんか?」
「僕が失踪?何を言っているんだい?だって僕は・・・・あれ?確か切られてその後・・・・どうしてたっけ?」
【ご主人!やっと目を覚ましたんだね!このメスが起こしてくれたの?】
「スラちゃん?何だか大きくなっていない?後目を覚ましたってどういう事?」


 次回新章 
 ロキュス・目覚める

 







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