え!僕が英雄?

よっしぃ

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エッケシュヌ帝国

これでは囚人扱いですね

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「ここに入っていろ。」

「きゃっ!いったーい・・・もっと女性は大事に扱わないと、将来モテないよ?」

「・・・・大きなお世話だ、まだ胸もない奴に言われたくない!」

酷い捨て台詞と共に、兵士さんは去ってしまいました。

それにしても・・・・まさか放り投げるとは・・・・痛いですよ!

「マスター、いたくない?」

「フェンさん、大丈夫ですよ?フェンさんこそ大丈夫かしら?」

「うん・・・・フェンは頑丈だから、あんなのでは怪我しないよ!」


フェンさんは頑丈なようです。そして、ここは・・・・快適とは言えませんね・・・・牢獄でしょうか?

寝台?はありますが、おしっこは何処でするのでしょう・・・・?あ…床に穴があいてますね・・・・まさかの、野ざらしですか?

女の子が・・・・あんな所でで用を足さないといけないのですか?酷いです・・・・

典型的な鉄格子の牢ですが・・・・向かいと、そのろ両隣りにも誰かいますね・・・・

私はじっと見ます。

1人は・・・・30代半ばでしょうか?

元はいい服だったのでしょうが、随分傷んでいますね。

顔も、すっかり痩せてしまってますが、知的な雰囲気の、素敵なおじさんといった感じです。

両隣の人は・・・・子供でしょうか?
私と同じぐらいの女の子?それに、反対側は・・・・少し大きな男の子でしょうか?

すると・・・・

「聞こえますか・・・?」

細い女の人の声がする。

何だか懐かしい、そんなお声。

「・・・・聞こえていますよ。どなたでしょうか?あ、私は記憶を失っていて、名前が分からないのです・・・・」

「そうですか、お可哀想に・・・・私はマリスカ・マッセリンクです。貴女の場所からは見えないでしょうが・・・・正面に居るのは、私の夫、エルチェ・マッセリンク、男の子はカスペル、女の子はマデロンですわ。」

「あ、これはご丁寧にありがとうございます・・・・えっと、先ほど連れてきて頂いたでいいのかしら?兵士の人が鑑定持ちで、私の事を調べて頂いたようで・・・えっと確か・・・・ヘルトと呼んで・・・・ヘルトルーデ嬢と後から言い直していました。私の事でしょうか?」

そう言った瞬間、力尽きてうなだれていたと思っていた男性が、突如顔を上げ・・・・

「ヘルトルーデだと・・・・だって・・・・何で・・・・」

「あなた、いけません。もう力は残っていないでしょ?えっと・・・・わたしから見えないのが残念だけれど・・・・その・・・ね、ヘルトルーデという女の子はね、5年前に私達はこの地を脱出しようとしたのだけれど、その後生き別れに・・・・船が沈没して、その時にヘルトが取り残されてしまって・・・・」

女の人はすすり泣きをしているようだ・・・

「お母さん・・・・でも・・・・15歳には・・・その・・・見えないよ?」

「ごめんなさい・・・他人の空似かと・・・私は13歳だそうです・・・・」

「いや待て・・・・今調べる・・・・私は鑑定持ちだから・・・待ってくれないか・・・・」

暫らくこの素敵なおじさんを見つめる。

なんとなく、親しみを感じます。
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