４５歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

外伝 リュークとエリザヴェータ

今ではない時

『旦那さま、無事にお生まれになりましたよ！』
『おお！それはよかった！で、どっちだった？』
『それはもう元気な男の子ですよ！』
『それはいい！待望していたキッケルト家の跡継ぎだ！』
『お会いになりますか？奥様も落ち着いていますし。』
『いいのか？では会いに行こう！』

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『あなた、こちらに来られても大丈夫なのですか？』
『何を言うか、妻が頑張って子供を産んだのだ、これぐらいいいだろう？よく頑張ったな・・・・』
『はい、元気な男の子です。貴方に似てきっとハンサムになりますわ。』

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『伯爵さま！もう此処は駄目です！撤退を！』
『駄目だ！殿下がまだ取り残されている！お助けせねば！』
『もう手遅れです！こう言っては何ですが、あそこで殿下が突出しなければこんな事には・・・・』
『言うな！止められなかった我々にも責任がある！我が隊は殿下の救出に向かう！』
『しかし、もうこの街は・・・・』
『其方には特別な任務を与える。我妻と息子を安全な場所へ送り届けてくれ！』
『しかし、まだリュークさまは生れて１週間、奥方様もまだ旅に耐えられる状態では・・・・』
『そんな事は分かっている！だが、このままここに留まっていればどうなるかは・・・・分かるだろう？』

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『帝国軍最終防衛ライン突破されました！殿下の行方も分からず！もう敵はすぐそこに迫っております！』
『なんと！もう突破されたのか？』
『敵はまだ１５万の軍勢で迫っております！街の兵は僅か５０００。街を放棄するようにと伝令がありました！！』
『なんだと！時間がない！民を逃がせられるか？』
『現在西門から脱出しております。あと２時間程掛かるかと。』
『何て事だ・・・・仕方がない！５０００の兵でここを護る！２時間ぐらい何とかなるだろう！』
『いけませぬ！それでは命令違反に・・・・』
『命令はこの街の放棄だろう？５０００の兵を下げるように命令されてはおらぬ！』
『しかし・・・・』
『皆まで言うな！５０００の兵も街に家族がいるのだ！家族が無事脱出する事ができるのであれば、皆喜んで時間を稼いでくれるだろう！』
『では指揮は私が！伯爵さまは民と共に・・・・』
『ならぬ！貴族が真っ先に逃げてどうする！・・・・・妻と息子を頼む！』
『伯爵さま！』

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『奥様、もうすぐアフェールですよ！』
『ありがとう・・・・でも、もう私は駄目ですわ。後の事は・・・リュークをお願いしますね。』
『そ・・・・そんな・・・・しっかりして下さいまし、奥様！』