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外伝 リュークとエリザヴェータ

そう言えば見た事がある

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 一体誰に届けるのだろう?そう思っていた荷物なんだけど、その答えは直ぐにわかりました。
 ロニーさんと僕は城内を案内されつつ何処かへ向かっていたはずなんだけど、前方から誰かやってくるのが見えました。

「おう!ロニーじゃねえか。てめえの所はまたガキをこさえたんだって?」
「いやいや皇太子様、まだ産まれていませんからね?」
 ・・・・そう言えば見た事がある。
 皇帝オーレリアンが長子、確かエムルント皇太子さまだったかな?
 まあここはお城だし?皇太子さまがお城に居るのは別におかしくないし?
 だけどその、あまりにもロニーさんにフレンドリーすぎて、それに対しロニーさんも比較的フレンドリーに接しているし?どういう事?

「今日は何しにきやがった?」
「今日は以前よりリクエストのあった置時計を手に入れる事ができましたので、こうして持参した訳ですよ。」
「置時計?おいロニー!いい加減な事を言うんじゃねえ!てめえは今収納かばんを持っていねえだろうが!何処に隠し持っているってんだ、ああ?」
 ぶっちゃけ皇太子さまが発していいような言葉使いではないと感じました。
 確か以前も皇帝陛下に対し凄い言葉で色々言っていたっけ。
 うーん・・・・後々にエルムント皇太子さまが皇帝になる・・・・なるんだよね?大丈夫なのかな?
 しかし流石はロニーさん。
 皇太子さまと懇意になっているとか、やっぱり凄い人なんだなあ!と思ったんだけど、どうやらこれには訳があるようです。

「実は彼に収納してもらっているのですよ。確か一度会っているはずなのですが、覚えては・・・・野郎の事は覚えていないですよね?」
 あ!何だかロニーさんが一瞬悪い顔になった!
「あん?俺様が野郎とはいえ、一度でも会った事がある奴の面を忘れるはずは・・・・うん?てめえどっかで会ったか?」
 これ、僕も喋っていいのかな?
「あ、はい。その、以前エリザヴェータさまが襲撃された時に僕も居合わせていたので、オーレリアン陛下をはじめ、皇族の方々とは一度その・・・・」
「おお!そうだったぜ!そう言えば居たなてめえも・・・・一寸待て、おい!てめえか?俺の可愛い妹を泣かせた野郎ってのは!」
 うわ!この人剣を抜いたよ!助けてロニーさん!
「エルムント様、おいたはいけませんよ。ここでリューク君を切れば、恐らく二度と妹君はエルムント様を兄と慕ってはくれないでしょうなあ。」

「あ・・・・ちょ!え?そ、それは困るぜ!エリザヴェータの機嫌を損ねてしまえば、娘のエルヴィーラも口を聞いてくれなくなるからなあ・・・・仕方がない!一寸待っていろ!というか付いて来い!」
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