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外伝 リュークとエリザヴェータ

リューク!集中しなさい!

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 あれから数時間、僕達は依然として鎧の魔物と、つまりリビングアーマーと戦っています。

 勇者さまは時折後方に・・・・と言っても僕達の前ですが・・・・下がり、イディオさんとビーチェさんに戦わせています。
 僕が前衛に出ようとしても何故か止めてきます。
 それもどうした訳か、
「てめえは荷物持ちなんだyo!後ろを警戒していればいいんだze!」

 と言って殆ど戦闘らしい戦闘をさせて貰えていません。

 それどころかビーチェさんに負担がかかっています。

「きゃあ!」
 何度目になるか分かりませんが、時々ビーチェさんは攻撃を避けきれず、リビングアーマーから攻撃を受けてしまいます。
「ビーチェ今回復魔法を使うわ!」
「だ、駄目です聖女様!もう殆ど魔力が残っていいないはずです!」
「いえ、!まだ何とかなります・・・・ビーチェを回復!」
 聖女さまが真っ青な顔をしながら魔法を、つまり回復魔法をビーチェさんに使います。
 うーん、魔力の回復ポーションをこっそり渡したい所ですが、何故かイディオさんと勇者さまは今でも使用するのを頑なに拒絶してくるんです。
 そして僕がこっそり渡そうとしても、どうやってか絶対に気が付くんです・・・・何で?

「勇者さま!僕はまだ沢山回復アイ・・・・「何度言ったらわかるんだyo!こんな階層で使うんじゃnee!」テム・・・・」
 このパーティーは勇者さまがリーダーです。
 なので勇者さまが駄目だと言えば、納得いかなくても従わざるを得ません。
 僕は後ろに控えているはずのレーツェルさんにどうすべきか確認しようとしましたが、
「リューク!集中しなさい!」
 すごい剣幕で言われ、急いで正面を・・・うわあ!
 思わず後方へ倒れてしまいました。
 振り返った一瞬のスキを突いて、リビングアーマがいつの間にか正面に居たんです。
攻撃を避けるのに倒れたのですが、レーツェルさんの言葉が無ければどうなっていた事か。
 うん、今は戦闘中なんだ、しっかり集中しないと駄目da・・・・勇者さまと同じ発音しちゃった。
 うーん、何故集中できないんだろう。

「ぐは!」

 あ、今度はイディオさんが倒れた。
 すかさず勇者さまが先頭になり、リビングアーマーを仕留めていきます。
 僕も今は目の前にいるリビングアーマーと戦っているので、助けに入る事ができません。
 そしてまたもやビーチェさんが攻撃を受け、吹き飛んでしまいました。
 どうやらイディオさんを背後から攻撃しようとしていたリビングアーマーがいたようで、ビーチェさんがイディオさんを守ろうとしていたみたいです。

 僕は何とか目の前にいるリビングアーマーを仕留める事に成功しましたが、どうにも連携が取れていません。
 本当にこんなのでいいのでしょうか?
 それに何度も勇者さまはイディオさんと何か頷きあっているのですが、あれは何だろう?
 少し前に聞いてもきちんと答えてくれませんでしたし。
その、疑う訳ではありませんが、先程イディオさんはワザと攻撃を受けた様な気が・・・・そんな訳ないよね?
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