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外伝 リュークとエリザヴェータ

あれが勇者とは

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「よし捕まえたze!イディオ、腕引っ張ってmiro!」
「お?なんだ勇者ノリノリじゃねえかって、こうか?」
 また始めました。
 勇者さま、今度はリビングアーマーを羽交い絞めにし、身動きを取れなくしています。
 そしてイディオさんが腕を引っ張っています・・・・当然ながらリビングアーマーの腕ですが。

 暫くイディオさんがすったもんだとしていると、
「うわ!」
 イディオさんが後ろにひっくり返ってしまいました。
「うひゃひゃひゃ!見事なこけっぷりじゃねえkaイディオ!」
「いてええ・・・・どうだ勇者、見事なオブジェなんじゃねえか?」
 リビングアーマーを仕留めると、時々全身鎧が手に入ります。
 但し呪われている事が多いので、調べもせずに装着するのは悪手です。

 で、イディオさんはまだ動いているリビングアーマーの腕を引っこ抜いてしまったようです。

「オブジェだあ?まだ動いているじゃねえka!」
 身体から離れているにもかかわらず、リビングアーマーの腕はまだ動いています。
「まあそう言うなって!動くオブジェ、人気が出ると思わねえか?」
 そもそもダンジョンの外へ持ち出せるのでしょうか?
「じゃあ試すか?先ずはda・・・・大穴に落したらどうなるか試したいじゃねえka!」
 勇者さまはリビングアーマーを羽交い絞めにしたまま大穴へ引きずっていきます。
 そんな二人を相変わらずレーツェルさんは、またもや軽蔑したような目で見ています。

「あれが勇者とは。世も末だな。」
 同意したいのですが、そんな事をしても仕方がないので僕は聞かなかった事にしました。
 そして2人の奇行を見守っていると、
「おっしゃああ!じゃあ行くze!」

 大穴の所でリビングアーマーの羽交い絞めを止め、そのままリビングアーマーの背中を蹴り飛ばしました。

 落下していくリビングアーマー。
 しばらく見守っていると、
「うわ!」
 イディオさんはとても驚いたようですが、どうやらリビングアーマーの腕は消えてしまったようです。
「なんdaつまらん消えちまったじゃねえか!」
 途端に不機嫌となる勇者さま。
 まるで・・・・
「大きな子供だな。体は成長したが、頭の中は子供のままだ。」
 正しくレーツェルさんが指摘した通り、どう見ても子供のそれです。
『もう2~3体試すか?』
『まだやるのか勇者。今ので充分だろう?』
『そうか?イディオがそう言うならもうしないが、同じ結果になると思うか?』
『あれがダンジョン産でなければそうはならんだろうが、ここはダンジョンだからなあ。』

 2人は何か言いあっていますが、どうやら勇者さまはそのまま引き下がるようです。
 一体何だったのかな?
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