リュークとエリザヴェータ、身分違いも関係ない!

よっしぃ

文字の大きさ
2 / 33
旅立ち――――15歳になったので出発する

第2話 孤児院

しおりを挟む
「どうしたんだい?」
 僕が聞くと、男の子は転倒して膝を擦りむいてしまったので泣いちゃったみたい。
 僕は井戸水を汲みなおし、膝に水をかけて洗ってあげて、清潔な布を持ってきて膝を拭き、もう一枚を膝に巻いてあげた。ほおっておくと大変な事になるからね。

 こんな孤児院じゃあ回復魔術を使える人なんている訳がないし、それこそ教会へ行けば回復魔術を使える人はいるけれど、相応なお金がかかるって聞いた事がある。
 なのでここで出来るのは怪我をした個所を綺麗にしてあげて、布で巻いてあげる事ぐらい。
「リューク兄ちゃんありがとう!」
 そう言って食堂へ駆けて行った。あ、こけなければいいんだけど。

「今日は6人が出発する日です。皆さんお別れの挨拶をしましょう!」
 全員が食堂に入ったのを確認した孤児院の先生がそう言い、僕達を紹介してくれた。
 これが皆で食べる最後の食事。
 そしてこの日はいつもより少し食事の内容が良いんだよね、
 いつもは固い黒パンをスープに浸して食べるんだけど、今日はスープに僅かだけど肉が入ってる。


 食事が終わり、出発の準備を・・・・と言ってもそんなに大して荷物がある訳ではなく、皆袋ひとつに着替えと数日分の食料、馬車代と道中の宿泊代と水入れに入れた水。
 後は小さなナイフ。
 まあ孤児だし仕方ないよね、荷物が少ないのは。
 お金は・・・12歳ぐらいになると皆働きに出る。
 体が大きい子だと10歳ぐらいから。
 子供の稼ぎはたかが知れているけれど、孤児院で暮らしていればいやでも稼がないと。
 女の子の場合は・・・・一部は違うみたい。
 たまに裕福な身なりの人が来て、見た目の良い女の子が連れられて行く。
 貴族のメイドになったりするらしい。
 そして残った女の子は・・・・冒険者になるか、夜の慰み者になるか・・・・慰み者?何かよく分からないけれど、あまりいい事ではないみたい。

 男の子の場合、運がよければ何処か職人さんの弟子になったりして孤児院から出て行ける。
 そしてどこも行く当てがない子供は結局15歳になると、冒険者として活動を開始する事が多い。

 この間に色々勉強したり、人とのかかわりをもてばどこかに勤める事もあるらしいと言っていたっけ。

 最近は戦争が無いからあまりないけれど、兵士という選択肢があるみたい。
 まあ僕は冒険者になるしか道がないのだけれど。
 そして、せめてもの応援という訳じゃあないけれど、孤児院を出て冒険者になる場合、最初からパーティーを組めるように、6人1組で冒険者登録をできるようにしてくれているみたい。

 どうしても冒険者というのは死ぬ確率が高いので、せめてお互いよくわかってる人同士でパーティーを組み、生存率を上げられるようにとの孤児院からの配慮みたい。

 あと、孤児院の中に一人読み書きができる人がいて、希望者には教えてくれた。
 何かの役に立てば、と思い僕は一生懸命勉強をし、何とか読み書きができる。
 今回同行する他の5人の中で、書ける人はいない。
 女の子は3人共読む事はできるらしいけれど、男の子はもっぱら剣術を学んだみたい。
 僕も少しは剣を扱えるけれど、実際に魔物と遭遇したらかなり怪しい。
 そうこうしているうち乗合馬車が来たので、出発する事に。
 2頭の馬が曳く馬車で、15人程乗れる大きな馬車。聞いた話だとキャラバンというみたいで、馬の大きさもすごく大きく力が強そう。
 こうして僕達6人はずっと過ごした孤児院を去る事になった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

追放された聖女は旅をする

織人文
ファンタジー
聖女によって国の豊かさが守られる西方世界。 その中の一国、エーリカの聖女が「役立たず」として追放された。 国を出た聖女は、出身地である東方世界の国イーリスに向けて旅を始める――。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている

潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

(完)聖女様は頑張らない

青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。 それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。 私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!! もう全力でこの国の為になんか働くもんか! 異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)

宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです

ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」 宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。 聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。 しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。 冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。

処理中です...