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クーン20歳
第236話 ニールスの願い
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ニールスは最近魔境の向こうで暴れているというドラゴンを討伐すべく、魔境を超えていた。
ポチによる要請だ。
ポチはクーンと共に魔大陸へ向かわねばならず、自身の仲間が何かによって暴走しているのを止められないでいた。
そこにニールスが居た。だから頼んだ。
ニールスは快く引き受けてくれた・・・・ように思っていた。
だが違った。
【ポチありがとう。これで大義名分を得たよ。彼女達には上手く伝えてくれないか。そもそもドラゴン、しかもエンシェントドラゴンがああも暴れるとは考えにくくてね。つまり何か理由があるはずだ。それを解決するまで僕は戻らない。彼女達には荷が重すぎる。それに伝えれば必ず着いてくるだろう・・・・僕には彼女達を幸せには決してできない。もうクーン達は自分で何とかなるだろうから心配していないんだが、彼女達は今でも僕に依存している。それは僕の中途半端な態度のせいでもあるのだが・・・・僕は彼女達の幸せを心から願っているんだよ。そして僕には彼女達を幸せにはできない。僕は多くの過ちを犯した。僕の両手は多くの血で汚れている。真っ黒なんだよ。彼女達は真っ白のままだ。そして・・・・僕は彼女達を選ぶ事が出来ず、何処かへ逃げた、そう伝えてほしい。いや、伝えなくてもいい。クランメンバーには彼女達を見届けてもらいたい。特に【絶対領域】は全員女性だ。話せばわかってくれるだろう。そして商人ギルドのギルドドリース・ヤンセンとパウラ・ボーハールツにはこの事を伝えてくれないか?最後に冒険者ギルドのフスタ・ペイルに全てを託したい。彼女は聡い。必ず真実を突き止めるだろうから、最初から説明しておいた方がいいだろう。】
「それには心配及びませんニールス様。」
ニールスは驚いた。
この場には自分とポチしかいないと思っていたからだ。
「どうしてここに?」
「・・・・私は最初からして知っていました。どうしてパーティーメンバーに手を出さないのかとそれは不思議でした。そして知ったのです。ニールス様は何かを手にし、それで自分がどうすべきか感じ、それが今という事ですわ。」
ニールスはフスタに託そうと思っていた。
「そうか、君は何者だい?と聞いても答えてはくれないだろうな。だが丁度いい。ポチに渡し、君に託すつもりだったんだ。受け取ってくれ。これが・・・・」
「全てを視る事が出来ると言われている【千里眼】ですわね。これを用いたという事は・・・・」
「ああ、もう僕の命はあと僅かだ。僅かと言っても数年の猶予はあるんだけれどね。その間に・・・・倒す。」
「ではこれを身につけて下さい。【覇者のネックレス】です。これがあれば力の減少も今より緩やかになるでしょう。」
「・・・・これは受け取れない。」
「受け取ってもらえわねば困ります。せめて来世で・・・・できれば今世で、と思いますがその為の目印となりますのよ。」
「そうなのかい?じゃあ有り難く使わせてもらうよ。」
ニールスはこの時初めて自分から女性を抱きしめた。どうしてこんな事をしたのかわからない。
「後の事はお任せ下さい。ではニールス様、行ってらっしゃいませ。」
「行ってくるよ。」
ニールスはちょっと出かけてくる、そんな感じでの旅立ち。
しかしもう二度と戻ってくる事は叶わぬだろう。別れも伝えられない。
だがそれでいい。
こうしてニールスは人知れず消えていった。
ポチによる要請だ。
ポチはクーンと共に魔大陸へ向かわねばならず、自身の仲間が何かによって暴走しているのを止められないでいた。
そこにニールスが居た。だから頼んだ。
ニールスは快く引き受けてくれた・・・・ように思っていた。
だが違った。
【ポチありがとう。これで大義名分を得たよ。彼女達には上手く伝えてくれないか。そもそもドラゴン、しかもエンシェントドラゴンがああも暴れるとは考えにくくてね。つまり何か理由があるはずだ。それを解決するまで僕は戻らない。彼女達には荷が重すぎる。それに伝えれば必ず着いてくるだろう・・・・僕には彼女達を幸せには決してできない。もうクーン達は自分で何とかなるだろうから心配していないんだが、彼女達は今でも僕に依存している。それは僕の中途半端な態度のせいでもあるのだが・・・・僕は彼女達の幸せを心から願っているんだよ。そして僕には彼女達を幸せにはできない。僕は多くの過ちを犯した。僕の両手は多くの血で汚れている。真っ黒なんだよ。彼女達は真っ白のままだ。そして・・・・僕は彼女達を選ぶ事が出来ず、何処かへ逃げた、そう伝えてほしい。いや、伝えなくてもいい。クランメンバーには彼女達を見届けてもらいたい。特に【絶対領域】は全員女性だ。話せばわかってくれるだろう。そして商人ギルドのギルドドリース・ヤンセンとパウラ・ボーハールツにはこの事を伝えてくれないか?最後に冒険者ギルドのフスタ・ペイルに全てを託したい。彼女は聡い。必ず真実を突き止めるだろうから、最初から説明しておいた方がいいだろう。】
「それには心配及びませんニールス様。」
ニールスは驚いた。
この場には自分とポチしかいないと思っていたからだ。
「どうしてここに?」
「・・・・私は最初からして知っていました。どうしてパーティーメンバーに手を出さないのかとそれは不思議でした。そして知ったのです。ニールス様は何かを手にし、それで自分がどうすべきか感じ、それが今という事ですわ。」
ニールスはフスタに託そうと思っていた。
「そうか、君は何者だい?と聞いても答えてはくれないだろうな。だが丁度いい。ポチに渡し、君に託すつもりだったんだ。受け取ってくれ。これが・・・・」
「全てを視る事が出来ると言われている【千里眼】ですわね。これを用いたという事は・・・・」
「ああ、もう僕の命はあと僅かだ。僅かと言っても数年の猶予はあるんだけれどね。その間に・・・・倒す。」
「ではこれを身につけて下さい。【覇者のネックレス】です。これがあれば力の減少も今より緩やかになるでしょう。」
「・・・・これは受け取れない。」
「受け取ってもらえわねば困ります。せめて来世で・・・・できれば今世で、と思いますがその為の目印となりますのよ。」
「そうなのかい?じゃあ有り難く使わせてもらうよ。」
ニールスはこの時初めて自分から女性を抱きしめた。どうしてこんな事をしたのかわからない。
「後の事はお任せ下さい。ではニールス様、行ってらっしゃいませ。」
「行ってくるよ。」
ニールスはちょっと出かけてくる、そんな感じでの旅立ち。
しかしもう二度と戻ってくる事は叶わぬだろう。別れも伝えられない。
だがそれでいい。
こうしてニールスは人知れず消えていった。
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