【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏

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白波ホールディングス編

収拾

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 今日はお休みなので、早めに投稿しちゃいます!

 そしてちょっと予想以上に伊崎くんの無意識な言葉が皆さんの不快になったみたいなので謝罪します。

 書き方が悪かったかもしれません。
 ごめんなさい。
 なんでもす──
ーーーー

 「着きました」

 「いやー、体感数年ぶりの秘密基地だなぁー!」

 車から降りると、ここ独特である塩の匂いが鼻の奥に染み渡る。

 「秘密基地なんですか? 自分たちはここに伊崎さんがいるってことしか知らなかったんですが」

 「そうだぞ? ここを拠点として、色々な犯罪の温床と非人道的な事をやっていく予定だ!」

 「あのぉ、ですね」

 首をガックシとギャグみたいに揺らす石田くん。

 「なんだね、石田くん」

 「そんな爽やかに言うことじゃないんですよね」

 「いや、例えば毒はどこの部位なら効くのかとか、そういうのを調べたいんだよね」

 「いや言ってることヤバイですって!」

 そんなにヤバイか?
 身内にするわけでもないんだし。

 「いや、にしても──」

 ⋯⋯ん?殺気!?

 
 ーードンッッ!!


 今までで一番威力があるな。
 衝撃が体を突き抜けた。

 「ふんっ。抜いたな?」

 目の前にいるのは、ゴリラ。
 じゃなくて、石田の兄貴分の真壁だ。

 「抜いたって?」

 「自分の状態を見てみろ」

 ふっ、なるほど。

 「確かに──俺の負けだ」

 感知が一瞬遅れる。
 突然やってくるストレートに、"片腕"を出して攻撃を防いでしまった。

 「戦った時に確か言ったな。
 手を出させたらお前の勝ちだってな」

 「どうだ?出させたぞ」

 何故か自慢気に言い放つ真壁に──俺は言う。

 「15歳のガキに、そこまでしか勝ちたいか?真壁のアニキ殿」

 少し煽ってやると、一瞬動揺していたが、すぐクシャッと笑う。

 「黒星は初めてだったからな。少し悔しかった」

 「素直でいいな。俺も、大人になってそう言えたらいいが」

 





 「さぁ神代くん! みんなの飲み物を用意してくれ!」

 「⋯⋯⋯⋯」

 「よく分からないが」
 
 説明をしてやるとそそくさ動く神代。
 怯えながらも仕方なく動くアイツを見た真壁が不思議そうに尋ねてくる。

 「解決したのか?それに」

 「あぁ、アイツは俺の処理係になったんだ」

 「アニキ⋯⋯伊崎さん、終わってますよ」

 「何だ終わってるって」

 「男の気があるんですよ!絶対!」

 「おいそこ、変なこと言うなよ。
 誤解が凄まじいぞ?」

 「石田、とりあえず聞くぞ」

 「おまたせしました」

 秘密基地のリビングに座る俺達の目の前に並べられたオレンジジュースを手に取る。

 ちなみに、二人にはお酒。

 「つまり⋯⋯処理っていうのは奴隷みたいな事か?」

 「そういう事だ。実験対象とも言うな」

 「でもさっき、俺の処理も⋯⋯って言ってませんでした?」

 「ないわけではないが、俺は女が大好きなんだ。
 基本こいつは使わん。

 ほとんどが奴隷で俺が必要だと思った時にワン!と言って媚びながら色々な処理をしてもらって、帰れと言ったら家に帰る人間が欲しかっただけだ。
 
 金なんていくらでも集められるからな」

 すると石田が大きな溜息を吐く。

 「なーんだ早く言ってくださいよ。
 俺はいよいよ中学生が大暴走しているかと」

 「あぁ」

 上手く躱せたなぁ。
 実際はコイツを魔法でどこまで出来るかという実験がしたい。

 毒耐性を調べたり、魔法による契約の縛りがどこまで通用するのかとかをみたいし。

 あとは師匠の譲りの思考を真似てみたかったというのがデカイ。

 "使えるものは全部使え"
 
 師匠の教えだ。

 「中学生でそんな事を考える奴にまともな子供がいないだろうが」
 
 「そんな真顔で言わないでよ真壁のアニキ殿」

 「⋯⋯真壁でいい。お前にアニキなんて言われるとむず痒くて仕方ない」

 そう言うと、スーツからタバコを取り出す二人。

 「吸っても?」

 「俺に聞く?」

 「当たり前だろ。相手は中学生なんだぞ?」

 「いいよ、俺もタバコ吸う予定だし。
 てか冷静にタバコ吸えると思ったのやばくない?」

 仮にも中学生が持ってる家だぞ。

 「それよりだ──」

 煙草に火をつけ終わると、真壁の空気が変わった。

 「今回の収拾はどうするつもりだ?」

 「収拾って?」
 
 「さっきこの中に入る前に石田から軽く情報を聞いた。  
 大和田組長がお亡くなりなったとか」

 「あぁ。それなら事実だが」

 「事実でもそうでなかろうと、大人──いや極道の世界ではそんなはいそうですかとなる問題ではない」

 「んん⋯⋯」

 「伊崎さん、これはかなり深刻な問題ですよ実際」

 「これは通常どうなるんだ?」

 「まずは情報が正確なものなのか。
 そして敵は誰なのか。色々あるが、とりあえず言えるのは──」

 「俺が真っ先に狙われる」

 「話が早いな」

 「まぁ普通だわな」

 そうすると少し驚いたようにポカンと俺を見る真壁。

 「俺のいる橋本組では大和田組長とアニキは密に連絡を取っていたはずだ。すぐに情報は入るだろう。

 あの場には隠れた人間もいるだろうからな」

 ⋯⋯あの時全員潰していれば良かったな。

 「な?石田、言ったろ? こうやって潰しそこねると色々面倒なことが増えるんだって」

 「すみません」

 「それはいい。ただ──」

 動かず、少し考えている真壁。

 「これは中学生に話すことではないんだろうが」

 「ん? 何だ悩みか?」

 「アニキ、言うんすか?」

 「俺だけ仲間外れかよ、おい」

 なんか二人でイチャイチャしてるぞ?
 さっきまで汚物を見る目で見ていたやつとは思えんな。

 「まぁ折角だ、言ったほうがいいだろう。
 実はこの世界から足を洗おうか迷っていたところなんだ」

 「⋯⋯⋯⋯なるほど」

 「俺としては、人生を真面目に考えた時、ここが重要な枝別れの道かと思っている。

 今のままでいれば、確かにお金はこの石田が頑張ってくれているのだが、俺はあまりそういうのは好かない⋯⋯なんて極道にいながらそんな事を言うとは情けない話だが」

 「何故その話を俺に?」

 「恥を忍んで。
 何か仕事を紹介してくれないかと聞きたくてな。
 どうやら石田のやり方でなくとも金を用意できるような空気があるからな。

 昔から、力でしか生きてこなかったからな。
 俺より石田のような奴が今後活きて行くのだろうとは思うのだが、俺は⋯⋯生憎戦う以外の選択肢を知らない」

 「アニキ⋯⋯」

 
 ーー信念だ。信念が人をカッコよくもかっこ悪くも見せてくれる。


 「極道の世界から足を洗おうというのは、本音か?」

 少し真面目な口調で聞いてみる。

 「あぁ。兄弟も、俺のことをみんな心配してくれているのだが、さっきも言ったが、稼ぎ方を知らない」

 「伊崎さん、俺達のことは気にせ──」

 手で石田の話を遮る。

 「あるにはある」

 「「えっ」」

 「だが、真壁。お前にとってはかなりキツイだろう仕事だぞ?休憩という休憩はあまりない⋯⋯微妙な仕事だ」

 「仕事内容はどのよ──」

 「頼む。やらせてくれ」

 両手を膝の上において男らしく頭を下げる真壁と止める石田。

 「まだ何も知らないんですよ!?」

 「伊崎はそんな信念のひん曲がった人間じゃない」

 「っ⋯⋯ぉはっ。そうだな」

 
 ーーお前には、信念がある。


 「ただ、キツイっていうのは?」

 「それはな?」
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