ゲーム作りと高校と、少しの恋愛の話。

何度でもスーパーオア

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第1話 ゲーム研究部員、秋人

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放課後。

俺、秋人は今日も部室へと向かう。
「ゲーム研究部」と書かれた扉を開けると、中は驚くほど静かである。

そう、この部はほとんどが幽霊部員で構成されている。

なぜかって?

一度聞いたことがあるのだが、この部はかつては盛り上がっていたという。
だが、ある事件が起き、それを期にだんだんと幽霊部員が増えていった。
そして最終的には新たに誰かが入部しても、話し相手もモチベも無いので来なくなり、結果としてこうなったらしい。

だがパソコンのスペックがいいので、俺としては使い勝手は悪くない。それに、ほとんど誰もいないおかげで集中できる。

「作ってるゲームは順調か?」

もうひとり、非幽霊部員なのが、この暮葉。
カッコいい系で(まあ男子のほうが多いが)男女問わずモテるような、非モテの俺とは真逆な奴で、いわゆる幼馴染。
なぜかゲーム作りの知識も無いのにこの部活にいる。
まあそもそもこの部のほとんどは来てないから別にいいんだろうけど…。

「うーん…バグがなぁ…。」

「どういうバグ?」

「えっと、この部分か…。」

因みに暮葉は人が寄りすぎるので、一旦帰るふりをして戻ってきているという。どうやって全員を振り払って戻ってくるのかは知る方法がない。

「この変数がずれてるんじゃない?」

「ん…?……確かに。じゃあここをこうすれば…」

「よし、できた!」

今作っているゲームは、某王道RPG風のゲーム。「オリジナルは、オマージュから始まるのさ。」という、かつていた唯一の非幽霊部員の先輩の言葉から、まずはこういうゲームを作っている。

「試しに動かしてみてくれるか?」

「うん。えっと、まずはこのボタンだったよな?」

「合ってる。」

先述した通り、暮葉はゲーム作りの知識が無い。だから、テストプレイなど、手伝いをしてもらっている。

「…これはうまくいったってこと…?」

「うん。ただ、もうちょっと演出を加えないと…。」

「頑張って。ぼくは見守っておくよ。」

「いや、見守られても…。というか、暮葉は何もしなくていいのか?」

「見守るって言ってるじゃないか。」

「でも、見守るってほぼ何もしてないだろ。」

「きみの作り方を見ることで参考になるだろ?」

「いやまあそうだけども…。」

____________________

「よし、取り敢えず今日はここまでだな。」

「今日の進展をレポートにまとめて帰ろうか。」

「暮葉、お前は今日進展無いだろ…。」

「いや、作るのに協力したじゃないか。」

「…まあそれでいいか…?」
_____________________

帰り道。
俺の家と暮葉の家は結構近いので一緒に帰っている。
「っていうか思ったけど、この時間帯は同じ学生とは誰にも会わないよな…。」

「なにせゲーム研究部が一番終わるのが遅いからね。」

「学校の七不思議に数えられてるもんなぁ…。」

「待ち伏せされてない限りは誰かに会うことは無いんじゃないかな。」

「確かに暮葉はモテるからな…。」

「………………。」

毎日一緒に帰るせいでよく話題が尽きることがある。まあ仕方ない。

「そういえば、ゲームの音楽…BGM?はどうしているのか?」

「よく聞いてくれた!!」

「やけに元気だな…。」

「あれは自作だ!」

「へぇ…じゃあストーリーは?」

「それも自作!」

「ドット絵は?」

「もちろん自作!」

「…きみの自慢になってないか?」

「いやそっちが聞いてきたんだろ…。」

_____

「よし、じゃあまた明日!」

「ああ、また明日!」

そう言って家に帰る。

そう、これは2人の、普通の物語である。
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