STORM

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1話　復活

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ゲノ・レイ――それは、かつて世界を震わせた凶悪な魔物の名である。
今もなお、その名は数多の伝説や逸話となって語り継がれている。
ゲノが滅んだのは、わずか十年前。
多くの人々がその死を喜び、安堵の息をついた。
だが、その死を――涙で迎えた者たちもいた。
この物語は、そんな者たちが紡いだ、ひとつの奇跡である。

「おいおい、この迷宮、どこまで続いてるんだよ……」
「もう、軽く地下八十層は来たよな……」
鎧に身を包んだ兵士たちが、疲れた声で愚痴をこぼす。
そんな彼らのもとへ、一人の女性が歩み寄った。
「はいはい、集中して！」
「今日は八十五層までで切り上げるよ！」
「す、すみません！了解です、隊長！」
「最後まで気を抜かないでね」
そう言って、女性は優しく微笑んだ。
「やっぱ……リン隊長、かわいいなぁ……」

リン・フォーカス。
『最強の剣士』の二つ名を持ち、その名に恥じぬ剣技で、彼女に並ぶ者はいないとされている。
彼女は、現代最強と謳われる騎士団――《THUNDER》の第二部隊長でもあった。

リンは、決意を込めて扉に手をかける。
重々しく開かれたその先には、まるで門番のような巨大な魔物が二体、こちらを見下ろしていた。
そして、その奥には――さらに一枚、小さな扉が存在していた。リンが扉の中に入った瞬間、その2人の魔物の目が光り、リンを襲った。
「なっ…！（どんなパワーよ…NAMED級じゃない…」
騎士団の兵士たちが次々と殺されていく…
「いや……」
魔物の斧がリンに当たりそうになったその時大きな音とこの部屋全体が眩しく光った。
リンはそれを見てなぜか少し安心した。
「おいおい、目覚めた瞬間からこれかよ」
呆れるような、どこか聞いたことのある喋り方だとリンは思った。
声がする方を振り向くと、そこには小さな白髪の少年がいた。
騎士団の人やリンも状況がつかめないまま、白髪の少年が2体の魔物を瞬く間に破壊した。
そして少年はリンの方にに行き、
「誰だ」
と言った。
「リン…」
リンは少し怯えるように言った。
少年はとても驚くような顔で
「リン…？お前…小さい時、迷宮で迷子になったことはあるか？」
「え？なんで…」
少年は優しく微笑む。
リンは何かに気づいたように驚いた。
「あなた…まさか……師匠…？」

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