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過去との対話_奉日本_6
奉日本_6-1
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その後、俺は家を出てからこれまでに築いてきた人脈と情報網により裏社会では有名な人物達から必要とされる人材となり、そして、目的だったカフェとバーが営業できる店を開業することが出来た。
順調な滑り出しで始まり、昼のカフェも夜のバーも客入りは良く、表と裏の社会を上手く渡り歩けている……その自負もあった。常に自分が安全性の高い位置にいることを心がけたが、ノーリスクとはいかない。それも解っている。それでも少しずつ周囲の変化を楽しむ余裕が出てきた――そんな矢先のことだ。
『俺を匿って欲しい』
伊東から電話がかかってきて、そう頼まれたのだ。
伊東の状況は俺が手伝った日以降、この一年で急転直下で悪くなった。
薬物の斡旋や受け取ってはいけなかった裏金――付き合ってきた裏社会の人間に嵌められ、トカゲの尻尾切りのように生け贄のような扱いになった。経営していた店を売り、警察や恨みを買った裏社会の人間から逃げる生活をしていることは知っていた。そして、俺に頼って、縋り付いてきた、というわけだ。
『お断りします』
俺の回答は最初から決まっていた。元より切るつもりだった縁ではあるが、理想的なのは俺のあずかり知らぬところで消えてもらうことだった。しかし、接触されたなら仕方ない。これ以上は関わらないことが得策だ。一度引き受けて、彼の身柄を欲しがっている人間に渡すことも考えたが、それにより巻き込まれたり、関わりを持ちたくない相手と付き合ったりというのは御免だ。悪縁は悪縁を呼ぶものだから。
電話の向こうでは伊東の恨み言が聞こえた。世話をしてやっただの、恩を仇で返すのかだの――聞くのも、反論するのも時間の無駄と判断した俺は電話を切ったのだった。
順調な滑り出しで始まり、昼のカフェも夜のバーも客入りは良く、表と裏の社会を上手く渡り歩けている……その自負もあった。常に自分が安全性の高い位置にいることを心がけたが、ノーリスクとはいかない。それも解っている。それでも少しずつ周囲の変化を楽しむ余裕が出てきた――そんな矢先のことだ。
『俺を匿って欲しい』
伊東から電話がかかってきて、そう頼まれたのだ。
伊東の状況は俺が手伝った日以降、この一年で急転直下で悪くなった。
薬物の斡旋や受け取ってはいけなかった裏金――付き合ってきた裏社会の人間に嵌められ、トカゲの尻尾切りのように生け贄のような扱いになった。経営していた店を売り、警察や恨みを買った裏社会の人間から逃げる生活をしていることは知っていた。そして、俺に頼って、縋り付いてきた、というわけだ。
『お断りします』
俺の回答は最初から決まっていた。元より切るつもりだった縁ではあるが、理想的なのは俺のあずかり知らぬところで消えてもらうことだった。しかし、接触されたなら仕方ない。これ以上は関わらないことが得策だ。一度引き受けて、彼の身柄を欲しがっている人間に渡すことも考えたが、それにより巻き込まれたり、関わりを持ちたくない相手と付き合ったりというのは御免だ。悪縁は悪縁を呼ぶものだから。
電話の向こうでは伊東の恨み言が聞こえた。世話をしてやっただの、恩を仇で返すのかだの――聞くのも、反論するのも時間の無駄と判断した俺は電話を切ったのだった。
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