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追憶_1

一色_十五歳_1

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 俺が、俺を客観的に、俯瞰的に見たとき、

 一色 誠は恵まれていたか?

 そう問われれば、俺は「はい」と答えるやろう。
 しかし、一方で、

 もう一度今の人生を歩みたいか?

 そう問われれば「いいえ」と答えるやろう。

 その理由は俺自身が運が良く、恵まれて、偶然に『現在』にたどり着いたことを理解しているからや。
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