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第六章:名もなき毒
有栖_6-2
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中島を反保に任せて有栖は全力で階段を降りて行く。背後から足音が聞こえてこない、ということは反保が上手く足止めをしてくれているのだろう、と彼女はそう考えて振り向かずに進む。
階段を降りて廊下へと続く広い踊り場に差し掛かったときだ。天井の照明を反射した床にすっと影が伸びていた。太く長いそれは一般人よりも体格が良いことが解る。そして、有栖にはそれが誰かも想定できた。彼女は進む足を止めて呼びかけた。
「海野さん……ですよね?」
その声が相手に届き、数秒の間を開けて影が動いた。足音を響かせて、海野が有栖の前に出てくる。
「通してくれませんか?」
「……出来ません」
有栖の問いに海野は辛そうに答えた。
「このままでは棚神選手が危険です。それは解っていますか?」
有栖は突き刺すように厳しい口調で伝える。そこには海野と戦いたくない、という気持ちもあるがそれ以上にきっと現状を理解していながらもそれを幇助しようとする彼等への怒りの方が強かった。
「解っていますよ……俺達は付き人です。そして、あの人に憧れていますから」
階段を降りて廊下へと続く広い踊り場に差し掛かったときだ。天井の照明を反射した床にすっと影が伸びていた。太く長いそれは一般人よりも体格が良いことが解る。そして、有栖にはそれが誰かも想定できた。彼女は進む足を止めて呼びかけた。
「海野さん……ですよね?」
その声が相手に届き、数秒の間を開けて影が動いた。足音を響かせて、海野が有栖の前に出てくる。
「通してくれませんか?」
「……出来ません」
有栖の問いに海野は辛そうに答えた。
「このままでは棚神選手が危険です。それは解っていますか?」
有栖は突き刺すように厳しい口調で伝える。そこには海野と戦いたくない、という気持ちもあるがそれ以上にきっと現状を理解していながらもそれを幇助しようとする彼等への怒りの方が強かった。
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