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「飛田くんの?」
一色の話を虹河原は理解できないようで、当人の名前だけを言葉に出した。
「あぁ、飛田が独自で捜査していることは俺も聞いてた……というか、偶然会ったときに勝手に話してくれたんやけどな」
「……飛田くん」
一色は笑い、虹河原は呆れたように頭を抱えた。そこには互いに、手の掛かる部下の行動に困ったような印象が伺える。
「飛田の捜査の途中で反保と戦闘になったことは知ってるな? 俺も怪我したって聞いたから見舞いに行ったときに聞いたんやけど」
「はい」
「あの出来事が犯人にとってはイレギュラーやったんや」
一色の話し方はまるで、虹河原を指導するように優しい教え方だった。
「あの犯人は警察の捜査状況も確認しつつ、反保のアリバイが証明しにくいタイミングで犯行を実施してた。例えば帰宅時間とかやな。けど、犯人はそれを狙ってたけど――」
「まさか、飛田くんが切り裂き魔と戦闘しているときに、別の場所で類似の傷害事件があったのですか?」
「せや。まぁ、元々、反保は反撃してただけやから犯人の犯行と偶然重なることはあり得た。けど、一般人の証言は曖昧な部分――特に反保に喧嘩を仕掛けた奴らは自分達の非を隠したいからその傾向が強かった」
「だけど、飛田くんの一件は警察が関わったことで日時と場所が明確になった」
「俺達は、その日の別にあった傷害事件を詳細に調べることでスマホのことも証言が得れた。これで推察は確信に変わったってことや。更に、有栖は有栖であの犯人が殺人現場で起こした違和感のある行動を思い出したんやけどな」
有栖は静かに頷いた。
「様々な条件からスマホさえ確保できれば現行犯での逮捕も可能やと考えてたから、本来はユースも警察も一緒にいる状況で明かすつもりやったんやけどな」
「アイツが反保を連れていこうとしたから、今の状況になった。仕方ないですよね、イチさん」
「まぁ、無茶はしすぎやけどな。というわけで、このアホ部下を治療に連れて行かなアカンから失礼するで」
そう言って、一色は有栖と反保を連れて虹河原と擦れ違い、去っていく。田中のことを虹河原に託したのは、スマホの証拠をユース側が預かっているので間違った処置はしないだろう、と考えていたからだ。いや、一色はそんなことをしなくても虹河原なら正しい処置をすると信じていたのかもしれない。
「……流石だな」
置いて行かれた虹河原はそう呟くと、拳を強く握った。
一色の話を虹河原は理解できないようで、当人の名前だけを言葉に出した。
「あぁ、飛田が独自で捜査していることは俺も聞いてた……というか、偶然会ったときに勝手に話してくれたんやけどな」
「……飛田くん」
一色は笑い、虹河原は呆れたように頭を抱えた。そこには互いに、手の掛かる部下の行動に困ったような印象が伺える。
「飛田の捜査の途中で反保と戦闘になったことは知ってるな? 俺も怪我したって聞いたから見舞いに行ったときに聞いたんやけど」
「はい」
「あの出来事が犯人にとってはイレギュラーやったんや」
一色の話し方はまるで、虹河原を指導するように優しい教え方だった。
「あの犯人は警察の捜査状況も確認しつつ、反保のアリバイが証明しにくいタイミングで犯行を実施してた。例えば帰宅時間とかやな。けど、犯人はそれを狙ってたけど――」
「まさか、飛田くんが切り裂き魔と戦闘しているときに、別の場所で類似の傷害事件があったのですか?」
「せや。まぁ、元々、反保は反撃してただけやから犯人の犯行と偶然重なることはあり得た。けど、一般人の証言は曖昧な部分――特に反保に喧嘩を仕掛けた奴らは自分達の非を隠したいからその傾向が強かった」
「だけど、飛田くんの一件は警察が関わったことで日時と場所が明確になった」
「俺達は、その日の別にあった傷害事件を詳細に調べることでスマホのことも証言が得れた。これで推察は確信に変わったってことや。更に、有栖は有栖であの犯人が殺人現場で起こした違和感のある行動を思い出したんやけどな」
有栖は静かに頷いた。
「様々な条件からスマホさえ確保できれば現行犯での逮捕も可能やと考えてたから、本来はユースも警察も一緒にいる状況で明かすつもりやったんやけどな」
「アイツが反保を連れていこうとしたから、今の状況になった。仕方ないですよね、イチさん」
「まぁ、無茶はしすぎやけどな。というわけで、このアホ部下を治療に連れて行かなアカンから失礼するで」
そう言って、一色は有栖と反保を連れて虹河原と擦れ違い、去っていく。田中のことを虹河原に託したのは、スマホの証拠をユース側が預かっているので間違った処置はしないだろう、と考えていたからだ。いや、一色はそんなことをしなくても虹河原なら正しい処置をすると信じていたのかもしれない。
「……流石だな」
置いて行かれた虹河原はそう呟くと、拳を強く握った。
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