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虹河原_1
虹河原_1-1
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「いやー、大変っすね」
職場に復帰した飛田は少し困ったように苦笑いしながら、虹河原に話しかけた。二人のオフィスは残務処理や人事異動に伴う一部処理ができなくなった業務の請負依頼が流れ込んできていて、ごった返しの状況だ。
「暫くは部下が勝手に外を動き回らなくて済んで好都合です。口を動かさず手を動かしてください」
「そんな嫌味っぽく言わないでくださいよ」
飛田の怪我はほぼ完治しており、痛みは無理な動きをしなければ感じない。だが、虹河原により暫くは外回りは禁止。どうしても外へ調査に行く場合は虹河原の同行が必要、という条件をつけられた。
「けど、真木(まき)さんの件……ちょっと悲しいっすね。良い人なのに」
「そうですね……」
真木、というのは派出所を総括しており、今回の件で辞職することになった人物だ。虹河原も飛田も彼とは何度か会っており、その優秀さと人柄には一目置いていた。
「真木さん、辞めるんですよね?」
「懲戒処分――責任をとって辞職だそうです。真木さん自身にはどうしようもなく対処のしようがない問題だった気はしますが、市民に向けて解りやすい処分と対応をしたといったところです」
必要なことだ、と虹河原も理解はしている。しかし、それ以上に違和感もあった。
――直接、調査に関与していた私や飛田くんに上長からの叱責や注意などのお咎めが一切ない。職員が殺人犯、ということの処理でそれどころでもないのかもしれないが……
今回の件、ユースティティアに先を越されなければもう少し落ち着いた対処ができたのは事実だ。その点で虹河原も飛田も一定の処分があることを覚悟していたが、一切ない。喜ばしいことではあるのだが、気味の悪さも感じていた。
難しそうな顔をして色々と考えている虹河原に、
「よし、聖先輩。昼メシ食べにいきましょう!」
明るく飛田が声をかけた。
「いや、私は購買でパンでも買って仕事しながら済まそうかと……」
「駄目っすよ。そんな難しい顔しながら食べても美味しくないっす。気晴らしに外で食べましょう!」
「いや、飛田くんは一人で勝手に……」
「ほら、俺、外出は聖先輩と一緒にって制約があるっす」
にこにことそう言った飛田に虹河原は溜息を一つ。そして、小さく笑った。
「……解りました。行きましょう」
「やったー!」
「その代わり、戻ったら片っ端から仕事を処理していきますよ」
「はい!」
職場に復帰した飛田は少し困ったように苦笑いしながら、虹河原に話しかけた。二人のオフィスは残務処理や人事異動に伴う一部処理ができなくなった業務の請負依頼が流れ込んできていて、ごった返しの状況だ。
「暫くは部下が勝手に外を動き回らなくて済んで好都合です。口を動かさず手を動かしてください」
「そんな嫌味っぽく言わないでくださいよ」
飛田の怪我はほぼ完治しており、痛みは無理な動きをしなければ感じない。だが、虹河原により暫くは外回りは禁止。どうしても外へ調査に行く場合は虹河原の同行が必要、という条件をつけられた。
「けど、真木(まき)さんの件……ちょっと悲しいっすね。良い人なのに」
「そうですね……」
真木、というのは派出所を総括しており、今回の件で辞職することになった人物だ。虹河原も飛田も彼とは何度か会っており、その優秀さと人柄には一目置いていた。
「真木さん、辞めるんですよね?」
「懲戒処分――責任をとって辞職だそうです。真木さん自身にはどうしようもなく対処のしようがない問題だった気はしますが、市民に向けて解りやすい処分と対応をしたといったところです」
必要なことだ、と虹河原も理解はしている。しかし、それ以上に違和感もあった。
――直接、調査に関与していた私や飛田くんに上長からの叱責や注意などのお咎めが一切ない。職員が殺人犯、ということの処理でそれどころでもないのかもしれないが……
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難しそうな顔をして色々と考えている虹河原に、
「よし、聖先輩。昼メシ食べにいきましょう!」
明るく飛田が声をかけた。
「いや、私は購買でパンでも買って仕事しながら済まそうかと……」
「駄目っすよ。そんな難しい顔しながら食べても美味しくないっす。気晴らしに外で食べましょう!」
「いや、飛田くんは一人で勝手に……」
「ほら、俺、外出は聖先輩と一緒にって制約があるっす」
にこにことそう言った飛田に虹河原は溜息を一つ。そして、小さく笑った。
「……解りました。行きましょう」
「やったー!」
「その代わり、戻ったら片っ端から仕事を処理していきますよ」
「はい!」
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