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第四章:三極-1-
反保_4-1
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反保と有栖は二階へと上がった。
「反保はこの階を調べて。自分は三階へ行く」
「解りました」
「くれぐれも無理はしないように」
「はい」
反保は返事をすると、有栖が三階へと上がるのを見送ってから行動を開始した。
廊下を見た限りでは人の気配はない。反保は緊張感を持って、注意深く進んで行った。
もし誰かがいるなら目的はアース博士であることは容易に想像がつく。ならば、アース博士の安全を確保することが大事なのだが……
――ここにアース博士がいるのかは解らない。いや、一階で人影を見た限りでは、別の誰かがいる可能性もある。どちらにしろ、一つずつ部屋を見ていくしかないか。
反保はアース博士がいるであろう研究設備が入っている部屋を見ていくことにした。
まずは一つ目の部屋。ゆっくりとドアを開け、中を見るが誰もいない。そこで息を大きく吐いたが首を横に振る。安堵から思わず漏れ出たが、まだ一つ目であることを自覚した。
次に二つ目。ドアを開けたとき――反保は緊張感を保っていたことを自分で誉めたかっただろう。
彼は、ギラリ、と光る何かを見逃さなかった。そして、次の瞬間、自身に向かって飛んでくる『それ』を頬を掠めながらも避けた。頬からは一筋の血が流れ、背後に『それ』――ナイフが壁に突き刺さっている。
「誰だ!」
と、叫んだ時点で反保の行動は後手に回っていた。ドアが勢いよく開き、脚が飛び出て、彼は腹部を蹴り飛ばされた。
「ぐっ!」
反保は後方に吹き飛び、ナイフの刺さった壁へと叩きつけられた。
咽せながら、ドアを確認する。そこからぬるり、と出てきたのは黒いスーツに身を包んだ小柄で、は虫類のような顔に、ウニのようにトゲトゲした髪型の男だった。
「反保はこの階を調べて。自分は三階へ行く」
「解りました」
「くれぐれも無理はしないように」
「はい」
反保は返事をすると、有栖が三階へと上がるのを見送ってから行動を開始した。
廊下を見た限りでは人の気配はない。反保は緊張感を持って、注意深く進んで行った。
もし誰かがいるなら目的はアース博士であることは容易に想像がつく。ならば、アース博士の安全を確保することが大事なのだが……
――ここにアース博士がいるのかは解らない。いや、一階で人影を見た限りでは、別の誰かがいる可能性もある。どちらにしろ、一つずつ部屋を見ていくしかないか。
反保はアース博士がいるであろう研究設備が入っている部屋を見ていくことにした。
まずは一つ目の部屋。ゆっくりとドアを開け、中を見るが誰もいない。そこで息を大きく吐いたが首を横に振る。安堵から思わず漏れ出たが、まだ一つ目であることを自覚した。
次に二つ目。ドアを開けたとき――反保は緊張感を保っていたことを自分で誉めたかっただろう。
彼は、ギラリ、と光る何かを見逃さなかった。そして、次の瞬間、自身に向かって飛んでくる『それ』を頬を掠めながらも避けた。頬からは一筋の血が流れ、背後に『それ』――ナイフが壁に突き刺さっている。
「誰だ!」
と、叫んだ時点で反保の行動は後手に回っていた。ドアが勢いよく開き、脚が飛び出て、彼は腹部を蹴り飛ばされた。
「ぐっ!」
反保は後方に吹き飛び、ナイフの刺さった壁へと叩きつけられた。
咽せながら、ドアを確認する。そこからぬるり、と出てきたのは黒いスーツに身を包んだ小柄で、は虫類のような顔に、ウニのようにトゲトゲした髪型の男だった。
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