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第四章:三極-1-
飛田_4-1
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飛田は前方にいる黒いスーツ男を追って走っていた。彼の足は速く、その距離は縮まっていく。しかし、目的の場所に着いたのは黒いスーツの男だった。その男は立ち止まり、アース博士がいるであろう部屋の前で立ち止まったのだ。
「待て!」
飛田が叫ぶが、男はドアを勢いよく開けてしまう――しかし、彼は中に入ることはなく、来た道を戻る為に飛田の方へと向き直った。それはその部屋にアース博士がいないことの証明でもあった。また、このフロアには部屋が複数あるが、先程男が開けた部屋以外は資材入れになっている。そのことを解っている動きだったので、相手は予め調査をしていたのだろう。
「行かせねーよ」
飛田が男を防ぐように立ち止まる。しかし、彼はその言葉を見上げるように言わなくてはならなかった。
その理由は体格差だ。飛田の身長は男性にしては小柄ではあるが、それ以上に相手の身体が大きい。身長は二メートルを越え、坊主頭で体格も良く筋肉の塊のようだった。
――走っていたときから気づいてたけど、やっぱりデカイな。
飛田は相手を見据え、自然と苦笑いを浮かべる。しかし、それを上書きするように更に笑ってみせて言い放った。
「黙って捕まるのも良し。公務執行妨害で捕まるのも良し。選ばしてやるよ」
「待て!」
飛田が叫ぶが、男はドアを勢いよく開けてしまう――しかし、彼は中に入ることはなく、来た道を戻る為に飛田の方へと向き直った。それはその部屋にアース博士がいないことの証明でもあった。また、このフロアには部屋が複数あるが、先程男が開けた部屋以外は資材入れになっている。そのことを解っている動きだったので、相手は予め調査をしていたのだろう。
「行かせねーよ」
飛田が男を防ぐように立ち止まる。しかし、彼はその言葉を見上げるように言わなくてはならなかった。
その理由は体格差だ。飛田の身長は男性にしては小柄ではあるが、それ以上に相手の身体が大きい。身長は二メートルを越え、坊主頭で体格も良く筋肉の塊のようだった。
――走っていたときから気づいてたけど、やっぱりデカイな。
飛田は相手を見据え、自然と苦笑いを浮かべる。しかし、それを上書きするように更に笑ってみせて言い放った。
「黙って捕まるのも良し。公務執行妨害で捕まるのも良し。選ばしてやるよ」
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