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第四章:三極-1-
飛田_4-7
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飛田はふらりと立ち上がり、慌てて駆け寄ると、壁を蹴って、再び岩田の前に立ち塞がった。
「行かせない」
しかし、万全の状態ではない。ダメージは大きく、回復していない。立っている飛田はふらふらと無意識に身体を揺らしていた。
「余裕はなさそうだぞ。良いのか? 俺は居場所を護る為なら、お前を殺せる。いくら速くても、力で押さえ込める。お前の打撃は軽いから耐えられるしな」
「力じゃ勝てないのは充分解った。お前が居場所を護りたいって気持ちも……それを否定するつもりはない」
飛田は口元の血を拭い、自身の身体の機能を確認する。手にも、足にも力は入るし、言うことも聞いてくれる。まだ、戦える。
「護りたい――解るよ。だけど、俺は俺で、今何処に立っていて、何処に居るのか解ってるんだ。
俺をここまで導いてくれた人がいる。俺を信じてこの場を託してくれた人がいる。
今の自分を見て欲しいし、信頼に応えたい――それが、俺の現在地なんだよ。俺が今ここでしなきゃいけないことで、俺がしたいことだって解ってるから、お前を行かせるわけにはいかない。
力が足りない? 今の俺には解んないことばかりで、足りないことばかりなんだよ! だけど、それを嘆く時間も、羨む時間も存在しない! 全身全霊全力で挑む。それ以外ないんだ! かかってこい!」
「行かせない」
しかし、万全の状態ではない。ダメージは大きく、回復していない。立っている飛田はふらふらと無意識に身体を揺らしていた。
「余裕はなさそうだぞ。良いのか? 俺は居場所を護る為なら、お前を殺せる。いくら速くても、力で押さえ込める。お前の打撃は軽いから耐えられるしな」
「力じゃ勝てないのは充分解った。お前が居場所を護りたいって気持ちも……それを否定するつもりはない」
飛田は口元の血を拭い、自身の身体の機能を確認する。手にも、足にも力は入るし、言うことも聞いてくれる。まだ、戦える。
「護りたい――解るよ。だけど、俺は俺で、今何処に立っていて、何処に居るのか解ってるんだ。
俺をここまで導いてくれた人がいる。俺を信じてこの場を託してくれた人がいる。
今の自分を見て欲しいし、信頼に応えたい――それが、俺の現在地なんだよ。俺が今ここでしなきゃいけないことで、俺がしたいことだって解ってるから、お前を行かせるわけにはいかない。
力が足りない? 今の俺には解んないことばかりで、足りないことばかりなんだよ! だけど、それを嘆く時間も、羨む時間も存在しない! 全身全霊全力で挑む。それ以外ないんだ! かかってこい!」
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