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第四章:三極-3-
有栖_4-5
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有栖は二回ほど、その場で跳ねるようにジャンプすると、そのまま伏見へと突っ込んだ。
注意すべきは短刀。しかし、伏見が最初に放ったのは蹴りだった。
腹部へのミドルキック。有栖は咄嗟にガードするが、動きを止められてしまう。そこへ短刀が振り下ろされた。
「危なっ」
有栖はバックステップで避けるが、伏見は踏み込んで突きを繰り出す。彼女は身体を捻って再び避けるが、そこに伏見が回り込むように動くと拳を繰り出し、脇腹へと当てた。
「痛っ」
威力はないが、また、有栖の動きが止まる。そこに再び短刀が振り下ろされる。
「むっ」
次に有栖がとった行動に、伏見は驚いた。彼としては確実に深手を負わすことが出来たと思ったが、彼女は床に座り込むようにしゃがむと、後方へと転がり、距離を取ったのだ。その速度と反応が素早かったので、結果として短刀は空振ることになった。
「やっぱり強いな」
伏見の短刀の使い方は上手く、有栖としては戦い難かった。街などでよく暴動を起こすチンピラも刃物を持っていることがある。しかし、彼らは予備動作が大きいので容易に対処が出来るが、伏見は違う。
――無駄な動きがない。素人相手じゃないから当然だけど。
有栖は両手で拳を作り、顔まで上げると、身体を斜にし、左拳を前、右拳を顎付近に構える。
「だけど、こっちも素人じゃない」
注意すべきは短刀。しかし、伏見が最初に放ったのは蹴りだった。
腹部へのミドルキック。有栖は咄嗟にガードするが、動きを止められてしまう。そこへ短刀が振り下ろされた。
「危なっ」
有栖はバックステップで避けるが、伏見は踏み込んで突きを繰り出す。彼女は身体を捻って再び避けるが、そこに伏見が回り込むように動くと拳を繰り出し、脇腹へと当てた。
「痛っ」
威力はないが、また、有栖の動きが止まる。そこに再び短刀が振り下ろされる。
「むっ」
次に有栖がとった行動に、伏見は驚いた。彼としては確実に深手を負わすことが出来たと思ったが、彼女は床に座り込むようにしゃがむと、後方へと転がり、距離を取ったのだ。その速度と反応が素早かったので、結果として短刀は空振ることになった。
「やっぱり強いな」
伏見の短刀の使い方は上手く、有栖としては戦い難かった。街などでよく暴動を起こすチンピラも刃物を持っていることがある。しかし、彼らは予備動作が大きいので容易に対処が出来るが、伏見は違う。
――無駄な動きがない。素人相手じゃないから当然だけど。
有栖は両手で拳を作り、顔まで上げると、身体を斜にし、左拳を前、右拳を顎付近に構える。
「だけど、こっちも素人じゃない」
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