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第四章:三極-3-

伏見_4-4

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 ――強すぎる

 伏見は片膝を着きながら、有栖の圧倒的な強さに驚いていた。
 
 ――男女の身体差を感じさせない。間合いの取り方に多彩な技。それに攻撃を当てる瞬間での力を入れるタイミングが上手すぎる。

 伏見は有栖の打撃なら、大男でも簡単に倒してしまう映像も容易に想像できた。それほどまでに、受けたダメージは強く、回復しない。

 ――過去に一度だけ、似たような戦い方をした奴がいたな。アイツも強かった。確か、アイツが言っていたのは……

「……千変万化」
 伏見がぽつりと呟く。
「あれ? 何で、自分の流儀を知っているんだ?」
 有栖がその言葉に反応し、問い返す。しかし、それに対して伏見は首を横に振った。
「聞いたことがあるだけだ」
 伏見は痺れる右手で拳を作り、立ち上がる。

 ――負ける……か。だが、諦めてたまるか。
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