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新章
ティーンエージャーのゆれ
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「学校とは、不条理を学習するところ」と、センセは常々言っています。
ある日の出来事、背の順番でペアを組ませされることが、突然不条理で不機嫌になりました。名前の順で並ぶことにも不機嫌が顔にでました。わたしは、どんどんそれが酷くなった気がしました。
突然、「それでは、二組で手を繋いで移動してください」の号令にいやいやと渋るわたしは、振り返ると変に汗だくの異性を意識している子がいたのを観たのと同時でした。
『気持ち悪い』と、ペアのこの手を放して真っすぐに、レモン石鹸で手首まで念入りに冷やしたのです。
次の回も、次の回も、同じようなことをしてしまいました。
最終的に、どのこと手を繋いでも、不機嫌は収まることもなく、先生が怒鳴り、わたしの耳の後ろを平手で殴り倒した時、「頭を冷やしなさい」の言葉に激怒して、わたしは、水道の蛇口に本当に頭を入れて自分から水浸しになったのです。
洗い桶で、保護した猫をシャンプーして浮いているノミやダニを路面にひっくり返し、また新しい水に変えて、いたときにふとそれを思い出しては泣いていました。
「何がそんなに、嬉しいの。何がそんなに悔しいの、ぜんぶ、ぜんぶ、気持ちが悪い」
保護猫はにゃーと鳴き、ふわふわのタオルでふわふわの綺麗な肌になっても、まだにゃーと鳴きました。
「捨てた後で後悔するなら、もうちょっと考えればいいことなのに」
さっぱりとした猫は、美容室の料金よりも安く保護と捜索費用代金を支払って元居た飼い主の元に帰って行きました。猫はやっぱり、にゃーと鳴いていました。
わたしは、その後、おもむろに、近場の川に行って橋から飛んで落ちました。
夏の川は、くぼ地は冷たく、浅地はぬるく虫だらけでしたが、浮かんでいる分にはちょうどいい感じでした。
日学の知った顔の子が「どっかに行け」と、釣竿から手を放して、魚餌を私の方へ投げつけてきました。
わたしは知っています。
その子は、別に釣りが本当に好きじゃないこと。
この時間に、通り過ぎるおしろいのかおりの姉さんたちを観ては、うっとりすることを。
そしてその子は濡れているわたしに、言い放ちたのです。
「ヒンニュウ」
だけれど、暴言も冒涜も、侮辱もわたしには、ちっとも響かなかったのです。
『お前の方が気持ち悪いわ』と、言おうとして喉の奥が、ぐうっと鳴く声で涙が止まらない状態のまま、土手に上がって濡れたシャツの生地を手で絞るだけでした。
釣り竿の子は真っ青になり、通りがかる女学生の子や、夕暮れに歩くおねいさんが「どうしたの?」と声をかけてきましたが、誰一人生臭いわたしには触ることはありませんでした。
涙が、川からあがっても生温くてさっき、舐められた猫の舌と同じ温さだと気がついた程度です。
ある日の出来事、背の順番でペアを組ませされることが、突然不条理で不機嫌になりました。名前の順で並ぶことにも不機嫌が顔にでました。わたしは、どんどんそれが酷くなった気がしました。
突然、「それでは、二組で手を繋いで移動してください」の号令にいやいやと渋るわたしは、振り返ると変に汗だくの異性を意識している子がいたのを観たのと同時でした。
『気持ち悪い』と、ペアのこの手を放して真っすぐに、レモン石鹸で手首まで念入りに冷やしたのです。
次の回も、次の回も、同じようなことをしてしまいました。
最終的に、どのこと手を繋いでも、不機嫌は収まることもなく、先生が怒鳴り、わたしの耳の後ろを平手で殴り倒した時、「頭を冷やしなさい」の言葉に激怒して、わたしは、水道の蛇口に本当に頭を入れて自分から水浸しになったのです。
洗い桶で、保護した猫をシャンプーして浮いているノミやダニを路面にひっくり返し、また新しい水に変えて、いたときにふとそれを思い出しては泣いていました。
「何がそんなに、嬉しいの。何がそんなに悔しいの、ぜんぶ、ぜんぶ、気持ちが悪い」
保護猫はにゃーと鳴き、ふわふわのタオルでふわふわの綺麗な肌になっても、まだにゃーと鳴きました。
「捨てた後で後悔するなら、もうちょっと考えればいいことなのに」
さっぱりとした猫は、美容室の料金よりも安く保護と捜索費用代金を支払って元居た飼い主の元に帰って行きました。猫はやっぱり、にゃーと鳴いていました。
わたしは、その後、おもむろに、近場の川に行って橋から飛んで落ちました。
夏の川は、くぼ地は冷たく、浅地はぬるく虫だらけでしたが、浮かんでいる分にはちょうどいい感じでした。
日学の知った顔の子が「どっかに行け」と、釣竿から手を放して、魚餌を私の方へ投げつけてきました。
わたしは知っています。
その子は、別に釣りが本当に好きじゃないこと。
この時間に、通り過ぎるおしろいのかおりの姉さんたちを観ては、うっとりすることを。
そしてその子は濡れているわたしに、言い放ちたのです。
「ヒンニュウ」
だけれど、暴言も冒涜も、侮辱もわたしには、ちっとも響かなかったのです。
『お前の方が気持ち悪いわ』と、言おうとして喉の奥が、ぐうっと鳴く声で涙が止まらない状態のまま、土手に上がって濡れたシャツの生地を手で絞るだけでした。
釣り竿の子は真っ青になり、通りがかる女学生の子や、夕暮れに歩くおねいさんが「どうしたの?」と声をかけてきましたが、誰一人生臭いわたしには触ることはありませんでした。
涙が、川からあがっても生温くてさっき、舐められた猫の舌と同じ温さだと気がついた程度です。
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