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Ⅴ章
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そして、すぐに彼らは彼女に驚かされることになる。
まず出くわしたのは、この迷宮でよく見かけるリーフゴブリン。
リーフゴブリンから手に入るゴブリンの毛皮は柔軟性、耐久性、耐寒性、防刃性の4つの機能が高いレベルで備わっており、さらには手触りまで良く、加工のし易さも手伝い需要は伸び続け、迷宮内では比較的簡単に手に入るうえ、迷宮発生からの入手アイテムの流通が始まってしばらく経過してるにも関わらず未だに高価な状態を維持したまま取引されている。
市場価値は当分落ちないと見られているために、一部の企業がゴブリンの毛皮回収専門の部署を開設したりするほどである。
さらにはゴブリンの毛皮だけを狙って迷宮の入口付近でゴブリンばかり狩るゴブリンスレイヤーと呼ばれる人間たちまで出てくるくらいにはゴブリンの相手は効率よく稼げる。
しかしながら、比較的手に入り易いゴブリンの毛皮ですら高価であると言うことは、奥で手に入るアイテムはさらに高価で取引されるということ。
つまり迷宮の奥へ足を進めることができるフォルフォー少年とルービィ少年らにとってはゴブリンの毛皮よりも奥に進んだ方がより良いアイテムを手に入れやすく、効率よく稼げる。
一度に持ち運びできる物品の数も限られていたために、今となってはゴブリンの毛皮は手に入っても捨てることが多く、そうなればゴブリンの相手をしても無駄に体力を消耗すことになるため、見つからないように避けていくことが多くなってきた。
ゆえに今までの経験から、ゴブリンを無視をしようとしてふと気づく。
そういえば今日は荷物持ちを雇ったのだと。
荷物持ちの雇用代金は一緒についてくる以上は多少なりとも命の危険があると言うことで、最低でもその日迷宮で得られた報酬の2割を与えることが義務付けられている。
これは、なかなか大きい。
特に大人数で迷宮に挑む人たちほど、1人あたりの報酬が減るが、まあ人数を沢山用意して迷宮を探索している人たちは自前で荷物持ちくらい用意しできるだろうし、雇用される側の人間から不満も出にくい割と良い報酬ラインではあるかもしれない。
なんにせよ、安くはない報酬を払う以上しっかり稼いでしっかり働いてもらわなくてはと今日はゴブリンも狩っていくことにする。
そう考えたフォルフォー少年らは数秒でゴブリンを仕留めた。
異世界産の猿に分類されるゴブリンは人間よりも小柄ながら侮れない身体能力を持つが、所詮は畜生。
技術も駆け引きも無く、突っ込んでくるだけなので武器を持ち、何度か戦った経験を持つならばまず不覚を取ることはない。
危なげなく仕留めることに成功する。
ゴブリンの死体は消え、毛皮が残された。
改めて見ても不思議極まりない現象であるが幾度となく見た光景であるために少年らは意に介さない。
それよりも、気になることがあるとばかりに一点を見つめた。
荷物持ちとして雇ったアルルと名乗った赤目の美少女を。
「えっと、アイテムの回収をしてもらっても良いかな?」
「はい、分かりました」
アルルはニッコリと愛想良く笑って早速とばかりにゴブリンの毛皮に近づく。
自分達よりも小さな目の前の少女が如何様にして物持ちをするのか期待と不安に苛まれながら、彼女を見ていると2人は目を見開いた。
まるでゴブリンの死体と同じようにゴブリンの毛皮が消えたではないか。
「はぁっ?」
「えっ?」
2人の少年はあまりの光景に口をあんぐり。
お目目パッチリ。
息するのも忘れ去った。
「さあ、次に行きましょうか」
「いやいやいや!ゴブリンの毛皮はどこいったのさ!?手品で消したの?!」
2人の予想としては見た目に反して、すごい魔法の使い手で、できるかは分からないが魔法で物を浮かしたりして持ち運ぶことを想像していた。
ところが、ゴブリンの毛皮は跡形もなく消えてしまったではないか。
何らかの魔法で消滅させたのかな?と思わせるほどに綺麗さっぱり跡形もなく消えてしまった。
ゴブリンの毛皮はどこへ行ってしまったというのか。
「あれ?わたし、何かやっちゃいました?」
「そりゃ、やっちゃったよっ!?ゴブリンの毛皮はどこにいったのさ!?」
「ふふふ、すいません。あまりに小気味良い反応だったもので、少し惚けてしまいました。ご安心を。手品ではないですし、消したわけでもなく…ほらこのように、いつでも手元に出し入れ可能ですので」
などと言いながらゴブリンの毛皮を手の上に出したり消したりを繰り返すアルル。
それを見てこんなこともできるのかぁと脳筋気味のフォルフォー少年は魔法でなんかしたんだろうな、くらいに考え、驚きは感心に変わりつつあったが、しっかりと魔法理論を学んでいるルービィ少年は違う。
ゴブリンの毛皮をどこにやっているのか、ただの魔法では説明がつかないことを分かっているだけに未だに驚きが抜けなかった。
何を驚いているのか理解しているのであろう。
アルルは簡単に何をしているのか説明をしたがそれを聞いて尚、理解し難い。
アルル曰く、次元だか時空に干渉して別の空間に倉庫のような場所を作って、そこにゴブリンの毛皮を入れたり出したりしていたのだと言う。
地球で言うところの某、青ダヌキが持つ四次元ポケット的なことを彼女は再現できるのだと言う。
意味がわからない。
言っていることは分かるが、そうなる過程、技術がまるで分からなかった。
基本的にそうした空間に干渉したりする技術は発想こそあれど、現代の魔科学技術では無理だとされていた。
どれくらい無理かといえば、地球の科学力で時間や空間に干渉しなさいと言うのと同じくらい無茶なことである。
いや、ルービィ少年が知らないところで実現されている可能性はあるだろうが少なくとも、目の前の小さな少女が個人で自在に扱えて良い、技術ではない。
完全にオーバーテクノロジーである。
だが、次の言葉で不思議と納得した。
「腕輪のおかげなの」
と。
まず出くわしたのは、この迷宮でよく見かけるリーフゴブリン。
リーフゴブリンから手に入るゴブリンの毛皮は柔軟性、耐久性、耐寒性、防刃性の4つの機能が高いレベルで備わっており、さらには手触りまで良く、加工のし易さも手伝い需要は伸び続け、迷宮内では比較的簡単に手に入るうえ、迷宮発生からの入手アイテムの流通が始まってしばらく経過してるにも関わらず未だに高価な状態を維持したまま取引されている。
市場価値は当分落ちないと見られているために、一部の企業がゴブリンの毛皮回収専門の部署を開設したりするほどである。
さらにはゴブリンの毛皮だけを狙って迷宮の入口付近でゴブリンばかり狩るゴブリンスレイヤーと呼ばれる人間たちまで出てくるくらいにはゴブリンの相手は効率よく稼げる。
しかしながら、比較的手に入り易いゴブリンの毛皮ですら高価であると言うことは、奥で手に入るアイテムはさらに高価で取引されるということ。
つまり迷宮の奥へ足を進めることができるフォルフォー少年とルービィ少年らにとってはゴブリンの毛皮よりも奥に進んだ方がより良いアイテムを手に入れやすく、効率よく稼げる。
一度に持ち運びできる物品の数も限られていたために、今となってはゴブリンの毛皮は手に入っても捨てることが多く、そうなればゴブリンの相手をしても無駄に体力を消耗すことになるため、見つからないように避けていくことが多くなってきた。
ゆえに今までの経験から、ゴブリンを無視をしようとしてふと気づく。
そういえば今日は荷物持ちを雇ったのだと。
荷物持ちの雇用代金は一緒についてくる以上は多少なりとも命の危険があると言うことで、最低でもその日迷宮で得られた報酬の2割を与えることが義務付けられている。
これは、なかなか大きい。
特に大人数で迷宮に挑む人たちほど、1人あたりの報酬が減るが、まあ人数を沢山用意して迷宮を探索している人たちは自前で荷物持ちくらい用意しできるだろうし、雇用される側の人間から不満も出にくい割と良い報酬ラインではあるかもしれない。
なんにせよ、安くはない報酬を払う以上しっかり稼いでしっかり働いてもらわなくてはと今日はゴブリンも狩っていくことにする。
そう考えたフォルフォー少年らは数秒でゴブリンを仕留めた。
異世界産の猿に分類されるゴブリンは人間よりも小柄ながら侮れない身体能力を持つが、所詮は畜生。
技術も駆け引きも無く、突っ込んでくるだけなので武器を持ち、何度か戦った経験を持つならばまず不覚を取ることはない。
危なげなく仕留めることに成功する。
ゴブリンの死体は消え、毛皮が残された。
改めて見ても不思議極まりない現象であるが幾度となく見た光景であるために少年らは意に介さない。
それよりも、気になることがあるとばかりに一点を見つめた。
荷物持ちとして雇ったアルルと名乗った赤目の美少女を。
「えっと、アイテムの回収をしてもらっても良いかな?」
「はい、分かりました」
アルルはニッコリと愛想良く笑って早速とばかりにゴブリンの毛皮に近づく。
自分達よりも小さな目の前の少女が如何様にして物持ちをするのか期待と不安に苛まれながら、彼女を見ていると2人は目を見開いた。
まるでゴブリンの死体と同じようにゴブリンの毛皮が消えたではないか。
「はぁっ?」
「えっ?」
2人の少年はあまりの光景に口をあんぐり。
お目目パッチリ。
息するのも忘れ去った。
「さあ、次に行きましょうか」
「いやいやいや!ゴブリンの毛皮はどこいったのさ!?手品で消したの?!」
2人の予想としては見た目に反して、すごい魔法の使い手で、できるかは分からないが魔法で物を浮かしたりして持ち運ぶことを想像していた。
ところが、ゴブリンの毛皮は跡形もなく消えてしまったではないか。
何らかの魔法で消滅させたのかな?と思わせるほどに綺麗さっぱり跡形もなく消えてしまった。
ゴブリンの毛皮はどこへ行ってしまったというのか。
「あれ?わたし、何かやっちゃいました?」
「そりゃ、やっちゃったよっ!?ゴブリンの毛皮はどこにいったのさ!?」
「ふふふ、すいません。あまりに小気味良い反応だったもので、少し惚けてしまいました。ご安心を。手品ではないですし、消したわけでもなく…ほらこのように、いつでも手元に出し入れ可能ですので」
などと言いながらゴブリンの毛皮を手の上に出したり消したりを繰り返すアルル。
それを見てこんなこともできるのかぁと脳筋気味のフォルフォー少年は魔法でなんかしたんだろうな、くらいに考え、驚きは感心に変わりつつあったが、しっかりと魔法理論を学んでいるルービィ少年は違う。
ゴブリンの毛皮をどこにやっているのか、ただの魔法では説明がつかないことを分かっているだけに未だに驚きが抜けなかった。
何を驚いているのか理解しているのであろう。
アルルは簡単に何をしているのか説明をしたがそれを聞いて尚、理解し難い。
アルル曰く、次元だか時空に干渉して別の空間に倉庫のような場所を作って、そこにゴブリンの毛皮を入れたり出したりしていたのだと言う。
地球で言うところの某、青ダヌキが持つ四次元ポケット的なことを彼女は再現できるのだと言う。
意味がわからない。
言っていることは分かるが、そうなる過程、技術がまるで分からなかった。
基本的にそうした空間に干渉したりする技術は発想こそあれど、現代の魔科学技術では無理だとされていた。
どれくらい無理かといえば、地球の科学力で時間や空間に干渉しなさいと言うのと同じくらい無茶なことである。
いや、ルービィ少年が知らないところで実現されている可能性はあるだろうが少なくとも、目の前の小さな少女が個人で自在に扱えて良い、技術ではない。
完全にオーバーテクノロジーである。
だが、次の言葉で不思議と納得した。
「腕輪のおかげなの」
と。
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そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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