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第二章:500円のファンタジー(全16話)
500円のファンタジー(4/16)
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「………」
水筒も片づけて、あとは弁当の容器を回収するだけになった。
──貴方って、何処の方なのですか!?
という、昨日の問答を思い出す。
「あのな……」
冗談めかしてどんな話でからかってやろうか、と考えながら、
この異世界っ娘に話しかけようとした、その時だった。
………さまぁ!………
「ん…?」「…!?」
………ーてふぃあさまぁ!」
ゴドス!!
あいっふぇ?!
銀色の影が閃いた。
突如として、鋭い痛みとともに視界が前方に一回転し、仰向けに倒された……ぶっ飛ばされたのが今の瞬間だった。
がっふぁごへぇ!「あ、あぁあっ」「ルーさま、ルーテフィアさまっ、やりましたね、昨日仰られていた例のあやしいやつを、まさか二日目で懲らしめることができたとはっ!」「あ、あぁのっ、」
ぐっふぇ、ぐっへ、なんか小便くさい…、…ん?……
視界の上には……メイド服? の裾らしきものが被さっていて、つまりスカートの中に俺の目線は飛び込んでいたのだった。
おおわり小柄なようなその彼女の両の、白くて細い足を靴を履いた足首から上へと見上げていくと……
OH、これは!
「いーやぁ!?ラッキースケベだなんて!」
ドスゴドス!!!
「ぐらっふぇあryぐふhjk」
続く二撃めは俺の眉間に直撃し、被さった土でしばらく視界は遮られた。
しかしなんてものがみれたんだ、今の瞬間といい、さすが異世界、パンツをはかない人間もいるのだとは……ガフッ
「それはそれとして、ルーテフィア様っ! また二枚目の厚掛け布団を簀巻きにして下に隠してごまかすだなんてっ、誰から何処からこんな真似を学んだんだか!」
「だ、だって、おじいさまが昔おしえてくれたんだよっ? これで敵地の宿屋での一泊でも、幾度となく暗殺の魔族の魔の手をくぐりぬけてきた、って、いつも自慢してる……「言い訳無用!」ひゃ!?」
べちこーん!という音が響いたのはこのときだった。
「う、うぇぇえぇええぇん………!」
「さ、いきますよルーテフィアさま、屋敷の牢に、このふとどきものをとじこめてしまいましょう」
「! それはダメ!」
………にじりよるかのような問答が続いたのはしばらくの間だった。
しかし俺の意識は混濁していて、なんというかその話の詳細がわかる状態ではなかった。
三分くらい、そうして言い合いっこをしていた頃のことだったと思う。
そのまま立ち尽くして後ずさりするしかなかったあと、俺ちゃんの体にかかとがぶち当たって、俺の脇にこいつ…貴族っ娘はそのまま、地面にへたり込んだ。
「これは……なんでしょう?? 新手の暗器ですかね? まあ試せるものは試したいからよいのですが、」「えぇっと、だからぁ……」
ぺちん、と顔に感覚が当たる感触があった。輪ゴムで顔面を狙うなっちゅーに!
屋敷? 牢? なんか、いやだな……
そう考えられる所まで意識が回復した当たりで、その瞬間に、
「ルーさま、いきますよ! さぁ!」
「――っ!」
不意に、おれは、目が開いた……開く、開けた、というよりもこの表現が正しい気が、する。
……そして、同時に、
ぴた、ぷっつん、という二発目のゴムぱっちんの音が聞こえた……気がしたその時、そいつの釈明が止まって、急に立ち止まった。
そして、
嫌々、という様に頭を両方に振って、その、ルーと呼ばれた……貴族っ娘……がいきなり、倒れた俺の手首をつかむと、
「立って! たてる?」「えっ、ああ、いまなんとか身体を起こせた所だが……」「あっ、ルー様!!──」
だっ、
――と、メイドから逃げ出した。
「あっ、まて!」
「待たないもん!」「えっ、えなっ、え、はっ!?」
二歩でよたよたとよたついた俺も貴族っ娘もだが、五歩めから走り出すことに成功した。
とてとて、とってって、というこいつの走りはポンコツみたいなくせにけっこー早く、対して俺は足の古傷もあって、よたよたと与太付いたものにならざるを得ない。
それでも数分後して、あの暴力メイドを巻く事には成功し、
逃げてきて、ようやくへなへなと休むことができたのだった。
水筒も片づけて、あとは弁当の容器を回収するだけになった。
──貴方って、何処の方なのですか!?
という、昨日の問答を思い出す。
「あのな……」
冗談めかしてどんな話でからかってやろうか、と考えながら、
この異世界っ娘に話しかけようとした、その時だった。
………さまぁ!………
「ん…?」「…!?」
………ーてふぃあさまぁ!」
ゴドス!!
あいっふぇ?!
銀色の影が閃いた。
突如として、鋭い痛みとともに視界が前方に一回転し、仰向けに倒された……ぶっ飛ばされたのが今の瞬間だった。
がっふぁごへぇ!「あ、あぁあっ」「ルーさま、ルーテフィアさまっ、やりましたね、昨日仰られていた例のあやしいやつを、まさか二日目で懲らしめることができたとはっ!」「あ、あぁのっ、」
ぐっふぇ、ぐっへ、なんか小便くさい…、…ん?……
視界の上には……メイド服? の裾らしきものが被さっていて、つまりスカートの中に俺の目線は飛び込んでいたのだった。
おおわり小柄なようなその彼女の両の、白くて細い足を靴を履いた足首から上へと見上げていくと……
OH、これは!
「いーやぁ!?ラッキースケベだなんて!」
ドスゴドス!!!
「ぐらっふぇあryぐふhjk」
続く二撃めは俺の眉間に直撃し、被さった土でしばらく視界は遮られた。
しかしなんてものがみれたんだ、今の瞬間といい、さすが異世界、パンツをはかない人間もいるのだとは……ガフッ
「それはそれとして、ルーテフィア様っ! また二枚目の厚掛け布団を簀巻きにして下に隠してごまかすだなんてっ、誰から何処からこんな真似を学んだんだか!」
「だ、だって、おじいさまが昔おしえてくれたんだよっ? これで敵地の宿屋での一泊でも、幾度となく暗殺の魔族の魔の手をくぐりぬけてきた、って、いつも自慢してる……「言い訳無用!」ひゃ!?」
べちこーん!という音が響いたのはこのときだった。
「う、うぇぇえぇええぇん………!」
「さ、いきますよルーテフィアさま、屋敷の牢に、このふとどきものをとじこめてしまいましょう」
「! それはダメ!」
………にじりよるかのような問答が続いたのはしばらくの間だった。
しかし俺の意識は混濁していて、なんというかその話の詳細がわかる状態ではなかった。
三分くらい、そうして言い合いっこをしていた頃のことだったと思う。
そのまま立ち尽くして後ずさりするしかなかったあと、俺ちゃんの体にかかとがぶち当たって、俺の脇にこいつ…貴族っ娘はそのまま、地面にへたり込んだ。
「これは……なんでしょう?? 新手の暗器ですかね? まあ試せるものは試したいからよいのですが、」「えぇっと、だからぁ……」
ぺちん、と顔に感覚が当たる感触があった。輪ゴムで顔面を狙うなっちゅーに!
屋敷? 牢? なんか、いやだな……
そう考えられる所まで意識が回復した当たりで、その瞬間に、
「ルーさま、いきますよ! さぁ!」
「――っ!」
不意に、おれは、目が開いた……開く、開けた、というよりもこの表現が正しい気が、する。
……そして、同時に、
ぴた、ぷっつん、という二発目のゴムぱっちんの音が聞こえた……気がしたその時、そいつの釈明が止まって、急に立ち止まった。
そして、
嫌々、という様に頭を両方に振って、その、ルーと呼ばれた……貴族っ娘……がいきなり、倒れた俺の手首をつかむと、
「立って! たてる?」「えっ、ああ、いまなんとか身体を起こせた所だが……」「あっ、ルー様!!──」
だっ、
――と、メイドから逃げ出した。
「あっ、まて!」
「待たないもん!」「えっ、えなっ、え、はっ!?」
二歩でよたよたとよたついた俺も貴族っ娘もだが、五歩めから走り出すことに成功した。
とてとて、とってって、というこいつの走りはポンコツみたいなくせにけっこー早く、対して俺は足の古傷もあって、よたよたと与太付いたものにならざるを得ない。
それでも数分後して、あの暴力メイドを巻く事には成功し、
逃げてきて、ようやくへなへなと休むことができたのだった。
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