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第一章 幸せのありか
11 side哉
しおりを挟む小さくしゃくりを上げながら泣きつづける樹理を、一瞥する。泣かせたのは自分だと分かっているので、あと味が悪いことこの上ない。こうなることなど分かっていたのだから、そのまま追い出してしまえばよかったと後悔しても遅い。
面白くも何ともなかった。
必死で泣きやもうと、深呼吸をしている樹理にふんと鼻で笑って哉が立ちあがった。何をされるのだろうと、びくりと肩を震わせた樹理の頭に、少し湿ったバスタオルが被さった。哉が首にかけていた、バスタオルが。
とても高いところから、冷ややかな哉の声が樹理に届いた。
「泣くくらいなら最初からこんなところに来るな」
まるで樹理が泣いたから気が削がれたとでも言うような口ぶりで呆れたようにそう言うと、哉が奥の部屋に消えた。
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