雲間の眼

中野ぼの

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1 空の眼

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 その人は、振り返らなかった。
 ICカードが改札機に触れる。電子マネーが吸い込まれていくピッという単音を掌が受け取る。改札機に表示されたICカードの残額に何気なく視線を落として、僕はちょっとだけ驚いて、それから改札機をくぐりながら僕の少し先を歩くリクルートスーツ姿の女性の背中を目で追った。
 すごい、全く同じだったな、カードの残額。
 一〇四八円。四桁すべて同じだった気がする。見間違いだったかもしれないけれど、こういうささやかな運命じみた瞬間が好きな僕は、数秒ほど彼女の背中に視線を張り付けた。運命じみた、と言っても、特に意味も意思も宿ってない、その人の顔や性格や年齢や人生なんてものに思いを馳せる瞬間すら訪れない、それこそ改札機を通るだけのような単音の視線。
 彼女は当たり前のように、足早に、人混みの中に消えていった。
 なんだ、振り返るくらいのことはあっても、良かったのにな。と、心の中でわざとオーバーにがっかりしながら、向こうはカードの残額が後ろの人と同じだったなんて知る由もないんだから振り返るはずもないとわかっている。「視線」なんていう目に見えない透明な線、校庭に白線を引く石灰のように清かに伸びてくる線ではあるまいし、背中に刺さったところで刺さったかどうかなんて感じない。仮に振り返ったとして、感じているのは「視線」なんかじゃなく、歴然とそこにある人間の熱と足音と衣擦れと息遣い。形ある気配を確認するだけの、特に意味のない振り返り。僕の視線だって意味を宿していないのだから、当然だ。まあ面白い偶然だったし、今日会う人へのちょっとした話題にはなった、かな。僕はひとつあくびをして、駅の構内を出た。
 まもなく梅雨入りだというのに晴れ空は乾燥し、高架下を抜けた僕の額をじんわり焼いてくる。僕はなるべく日陰を選びながら、通い慣れた道を進んだ。
 今日、僕は以前働いていたアルバイト先に制服を返しに向かっていた。三ヶ月前に辞職してからというものハローワークへの登録や就職活動で忙しく、なかなか返却しにいく時間がとれなかったのだ。本来は辞める時に社員に返すものだが、貸与されている二着とも長年の勤労のおかげで薄汚れており、クリーニングしてから返す必要があった。求職中とはいっても無職は無職で、オフの日のが圧倒的に多かったくせに、まあまた今度でいいやといつも返しにいくのを後回しにしてしまっていた。就活、と言うときらきらした大学三年生みたいで聞こえはいいが、そこにハロワという単語が混じると途端に禿げた中年がよれよれのスーツを着てる情けないイメージになる。そんなイメージをしっかり月給貰ってる仲良しの社員たちに植え付けたくない、しょうもない自尊心もかすかに邪魔していたかもしれない。だが今日は他に特別な用事もあり、そのついでに制服を返そうかとようやく思い立った。
 駅を出て、徒歩五分。長いエスカレーターを上った先のデッキの上に有名なキャラクターショップがある。僕が三年間働いた店だ。大きさは、コンビニ三つ分くらい。アニメやゲームにもなっている人気コンテンツキャラクターを専門に扱っており、東京を中心に全国規模で展開している。僕は接客はどちらかというと得意ではなかったし、メインの客層である子供の扱いも苦手であり、応募した当時は二十五歳と年齢も他スタッフと比較して高めだったのに、不思議と馴染んで三年間も勤続してしまった。辞職した後も月に一度は客として顔を覗かせて、僕を慕ってくれている後輩たちにそよ風のような先輩風を吹かせている。
 僕は直接ショップの事務所には向かわず、デッキ下の広場に足を運んだ。広場はオフィスビルに面しているため平日ならばこの時間ランチタイムのスーツ達がベンチを埋め尽くしているものだが、日曜である今日は大分様子が違う。広場の中央には普段は存在しない簡易ステージが設けられ、ステージの前では黒山の人だかりができている。
 あれだ……。
 もうイベントは始まっている。はやる気持ちが自然と僕を早足にさせた。
「あれー? みんなの声が小さかったみたいだよー? みんな、もう一回大きな声で名前を呼んであげてー!」
 壇上では小柄な女性がマイクを片手に、めいっぱい背伸びをしてステージ下の子供たちにぶんぶん手を振っている。親御さんに囲まれた子供たちが促されるままにキャラクターの名前を合唱すると、舞台袖から黄色いネコの着ぐるみが現れた。子供たちは割れんばかりの歓声をもってネコを出迎え、大人たちも童心に戻ったかのようにステージに向かって手を振った。僕は彼らから一歩離れたところで立ち止まり、ステージを見守った。
 いわゆるキャラクターグリーティングの一種だ。このキャラクターショップでは三ヶ月に一度くらいの割合で駅前広場を借りた大規模グリーティングイベントを実施しており、看板キャラクターである黄色いネコの着ぐるみを中心に様々な催し物を行う。ちなみに、司会進行もいわゆる「中の人」も、すべてショップスタッフのアルバイトがこなしている。サイズの問題でさすがに僕も着ぐるみ役を担ったことはないが、司会進行兼全体のリーダー業務は何度も経験した。
 今日も司会進行は僕のよく知る後輩が務めている。僕は彼女からなるべく目を離さないようにしながら、別の目的のためにステージの脇の方に移動した。
三村みむらさん」
 腕を組んでじっとステージを見上げている女性に声をかける。僕に気が付くと、三村さんは表情をぱっと明るくさせた。
「おっ、初生谷ういたにじゃん!」
「お久しぶりです。すいません、遅くなりましたが、これ制服です」
 僕は制服が入った紙袋を三村さんに手渡した。僕のそれは黄色のポロシャツだが、社員である彼女は真っ赤なポロシャツに身を包んでいる。
「私に渡すのかよー。返却なら事務所持ってけっつの」
「すいません、どうしてもグリーティング見ていきたいので」
 苦笑しながら右肩でどついてくる三村さんに、僕も苦笑で返した。アルバイト時代にお世話になった社員の一人だが、まだ二十四歳と若く、そのボーイッシュな外見通りのさばさばした裏表ない性格が好きで僕はよく懐いていた。
「嘘つけー。お前が見たいのはグリーティングじゃないだろ」
「あちゃあ、ばれましたか」
 わざとらしく僕は口笛を吹くマネをした。
「イベント盛り上がってるじゃないですか。どうですか、すずちゃんは」
「ほれ、やっぱりすず目的じゃんか。まあ、昨日よりはずっといいな。昨日はトラブルのせいもあるけどほんとガッチガチに緊張してたからな」
 三村さんは制服の入った紙袋を片手に腕を組みなおし、やれやれといった調子でかぶりを振った。
 その間も僕はステージから目を離していなかった。今はキャラクターたちのダンスショーが披露されており、司会の小柄な女性――僕の後輩――入木いりきすずは、ステージの隅っこでポップな音楽に体を揺らしながら手拍子している。僕はダンスショーそっちのけで彼女を見つめていた。すずちゃん、頑張ってるな。込み上げるものがあって、思わず微笑みがこぼれる。何ならいますぐその紙袋から制服を取って着替えて彼女の隣に立ちたい気分だ。現役のころのように、れっきとした先輩として後輩の晴れ舞台を見守ってあげたい。そう、今日は、僕は、制服を着ているつもりでここに来た。
 この後、入木すずとは食事に行く約束をしている。
 ――だいしっぱいしちゃったんです、今日のイベント司会。
昨夜、久しぶりに彼女と連絡を取り、急に今日のことが決まった。食事に誘ったのは僕からの方であるが、その時の彼女の狼狽っぷりったらスマホ上のやり取りでもあたふたする姿が目に浮かぶほどだった。すずは僕の同居人を引き合いに出し、申し訳なさと後ろめたさがいっぱいの文章で一度は断りを入れてきたが、僕の方にはこれっぽっちも後ろめたさ等はなく、ただ純粋にすずの話を聞きたいだけとありのままを伝えたら、遠慮がちに、最後まで冷や汗が消えない文章で、今日の約束が決まった。
 だいしっぱいしちゃったんです、なんて、そんなメッセージが送られてきてしまったんだから、僕は架空の制服に袖を通すほかない。前日の様子を直接見守ってあげられなかったことに若干の悔しさを覚えつつ、せめて今日だけは心強い先輩としてすずを見守り、なにかあったら昨日の失敗も含めてちゃんと話を聞いてあげるため。ぜんぶ僕がアルバイト現役の時にやっていたことだ。
 ふと、手拍子をしているすずがこちらに首を傾けた。風に流れる砂漠の砂粒のように黒髪の毛先が肩をすべっていき、そのまま僕と目が合った。僕はひらひら手を振った。僕を見つけた彼女は油断するみたいに一瞬表情をほころばせた。
「こら、手振ってんじゃねーっつの」
 小さなエルボーが、三村さんから入る。
「今日この時間にすずが司会やってるって知ってたから狙って来たの? まったく、現役の時から変わんねーな。彼氏ヅラというか父親ヅラというか」
「そりゃそうですよ。だってあんなに可愛くて健気でがんばりやさんなんですよ? ちなみに彼氏でも父親でもないですね。お兄ちゃんの心境のそれです」
「完全にいかがわしい方のお兄ちゃんだな」
「はー。ほんとお店辞めてからもみんな同じこと言う……。僕とすずちゃんは幾度となく大掛かりなイベントを同じチームで乗り越えてですね、家族同等の絆がですね――」
 相手の冗談めいたからかいも心地いい、ちょっとおどけながら言う、いつもどおりの僕の言葉。ココで働いていた充実した三年間が喉元までこみあげてくるから満ち足りた気分になる。
「昨日はにわか雨で客足も良くなかったけど、今日は晴れてよかったわ」
 三村さんは空を見上げ、乾いてかすれた青空に目を細めた。
「店頭も混んでそうですね」
「ああ」
「三村さんは今日ずっとイベント担当ですか?」
「ああ」
 三村さんの返事が上の空になっていることに気づき、僕は彼女の目線を追った。彼女は腕を組んで乾き空を見上げたままだったが、太陽の眩しさとは違う理由で眉間に皺が寄っていた。瞳に、暗く影が落ちている。その影の理由は当然僕もわかっていた。
「本当、なんなんでしょうね、あれ」
「ああ」
「世界中が調査してもわからないって、相当ですよね」
「太陽でもないし、月でもない。人工衛星でもないしドローンでもない。ってな。星にしろUFOにしろ、不気味でしょうがない。まるで目玉だ」
 そう、まるで目玉。三村さんの言う通り、それはまるで空に浮かぶ目玉――。
 はるか上空に浮かぶ白く丸い物体。真昼の月のよう、と表現するのが一番近い輝きと大きさだろう。しかしいま月は太陽とは離れた位置で淡く白く光っているので、決して月ではない。そしてそれは月よりも一回りほど大きく見える。実際月より大きいのか小さいのかは地上からの距離感が掴めないためわからない。なにより月との一番の大きな違いは、表面の模様だ。日本では月の表面をウサギにたとえたが、白い球体の中央に黒い点があり、それを更に黒い楕円が囲んだその表面模様は、世界中が「目玉のようだ」とたとえた。
 〝空の眼〟と、世界中で呼ばれている。
 ただの天体なのかはたまた超常的な物体なのか、空の眼は今年の春先に何の前触れもなく空に現れた。当たり前のように。今まで普通に存在していたかのように。彗星の急激な接近、と最初は報道されたのを覚えている。しかしそれはすぐに訂正された。黒の二重丸が明瞭と刻まれたこの白い球体は、摩訶不思議なことに世界中のどこにいても観測できたのだ。それも昼夜を問わず、大きさも位置も変えずに。北半球ならば常に同じ空で観測できるという北極星のように、地球の地軸や自転と何らかの関係性がある位置にある天体なのではと世界中の天文学者が新天体として観測を試みているが、突然出現したことに加え、天体としてはあまりに矛盾が多すぎて頭を抱えているらしい。となると、誰もがUFOや宇宙人の侵略をSF映画のように連想し畏怖したが、空の眼が観測されてから約三ヶ月、宇宙人発見のニュースも都市部侵略のニュースもない。空の眼は、ただそこにあるだけなのだ。こうなると人は宗教的な意味を空の眼になすりつけ、神の眼だとか悪魔の眼だとか、この世ならざるものとして神聖視した。ただし、残念ながら、僕も含め我が国は世界でも珍しがられるくらいに宗教というものから縁遠い。我々一般日本国民は、いま三村さんがそうしているように、ぼんやりとした不安をもって今日まで空の眼と過ごしてきた。
 すると、不思議なことが起きた。世界レベルでどうなっているかはまだ統計が出ていないようだが、少なくともこの日本では、著しく犯罪率が低下したという。
「なにやってても、監視されてる気分になるんだよなぁ」
 三村さんがぼやいた通りのことを、みんなが思っているらしい。
 空の眼の正体は不明だし、各国のあらゆる研究機関が解明のために動き出しているらしいが、事実としてあるのは確かな視線だ。それが目玉に見えるだけのただの模様だとしても、〝お天道様が見てるよ〟を地で行く空の眼は、お天道様よりも烈しく毒々しい熱で人間の背中をじわじわ炙るようだ。
 本当にかみさまの眼だったとしても、所詮ただの視線なのにな。正体不明の視線にさらされてるだけでみんな犯罪を躊躇するんだろうか。それくらい立派な後ろめたさがあるんなら、最初から悪いことなんてできる器じゃないんだろう。
「常に見られてるって思うと、確かに不愉快ではありますよね。すれ違いざまになぜかチラ見してくる人とかいるじゃないですか、ああいうの僕嫌いですし」
「ああ。アレになにかされたわけでもないのに、ただ見られてるって感じることだけがこんなに気味悪いなんてな」
「意味がわからない視線ですからね。その点、僕がすずちゃんをこうして見守っているのはきちんと意味がありますからね」
 僕はとっくに空の眼から視線を外していた。グリーティングイベントは佳境に入り、着ぐるみたちが手を振りながら退場していくところだった。入木すずは、きらっきらの笑顔で最後のMCに入っている。
「よかった。大成功で終わりそうですね」
「まあな。すずにとって、お前の視線が意味不明でコワイものじゃないといいな?」
 三村さんはにやにや笑って言った。
「はは。空の眼と一緒にしないでくださいよ」
 三村さんは知らないだろう。アルバイト時代僕が入木すずを溺愛していたのは誰もが知る周知の事実だが、すずだって僕のことを強く信頼していたことを。仕事のことで長文のメッセージを送り合ったりしたことも、今日このあと二人で食事に行くことも。それは今の僕にとってささやかな幸せで、悪魔だろうが神だろうが、見ているだけの空の目玉ごときを無駄に意識してしまうなんてことはない。
 空の眼に興味がないわけじゃない。オカルトの類は信じていないけれど信じていない分エンタメとして昇華できるので、空の眼についての報道や特集はチェックしているほうだ。
 空の眼は現実に顕現した突拍子もない非現実で、神秘的だ。ただ、どこか生ぬるい。あれはただ三ヶ月もそこに浮かんでいるだけだ。理由があるのかないのか、目玉のような模様を浮かべてただ僕らを見ている。最初こそ世界中でパニックが起こりかけたが、少なくとも今のところは視線を感じるだけだとわかると、不安感は冷めるのではなくぬるくなっていった。噛み切れなくて喉を通らない安物の生焼け肉から染み出る肉汁がいつまでも口内で滴っているような、ねばつくだけの不安感。不安という物質が不安であることを不安がっているみたいな、行き場のないこの感じ。悪いことがしづらくなって犯罪が減った? それを聞いたとき、僕は特定の誰をというわけではないが人間を馬鹿にしたくなった。なんだ君たち、まったく、たかが見られているかもしれないくらいで。
 入木すずの司会進行はつつがなく終了した。観客にならって、僕も袖に消えていくすずに大きな拍手を送った。三村さんがスタッフに撤収の指示をするために僕のもとを離れてから、スマホですずにねぎらいのメッセージを送っておいた。
 約束の六時半まではまだまだ時間がある。ちょっとショップに寄って後輩たちを元気づけたら、予定通りネットカフェで適当に時間を潰すとしよう。
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