雲間の眼

ーーある日、空にすべてを見つめる「目玉」が現れた。

それはこの世界と社会に、何の前触れもなく現れた超常であり非現実だった。
天体なのか、それとも未知の飛行物体なのか。
ただそれは「目玉」のような姿形を成し、何をするでもなく、空に浮かんでいた。

「ただ見られているような感じがするだけじゃないか。別に気にすることもない」

一人の青年は、世界に対して何もしない空の目玉に対してそう吐き捨てる。
青年は空の眼に呆れ、特別に意識することなく日々を過ごしていた。
だが、一人の女性と〝禁断〟の逢瀬を続けていくにつれ、空に浮かぶその眼から不気味な視線を感じていく……。


ーー見られている、ということ。
常にそれを、感じてしまうということ。

もし全人類が、どこにいても、なにをしてても、「何かに見られている」としたら?

むき出しにされた禁断の愛と罪と罰が、切なく不気味に映し出される。
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