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13 大騒動
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王太子も、宰相の息子も、大神官の息子も、そして隣国の王子も顔がいい。とても顔がいい。くどいようだが顔がいい。
アーサーは目鼻立ちがハッキリしている。金髪碧眼の王子様だ。
ベイルはつり目で鼻筋が通っており、泣き黒子が印象的で、眼鏡キャラでもある。
レイルは中性的な顔立ちで、神秘的な雰囲気で溢れている。
イクリスはタレ目にぷっくりした唇を持つ、色っぽい男だった。
ガイルはこの中では1番筋肉質で背も高い。パッチリとした目を持ち、穏やかで笑った顔がくしゃりとしてとても可愛らしい。
そして彼らは肩書も完璧だった。そうするとまあモテる。全員がアイリスに夢中なのは知れ渡っているが、それでもモテる。
休日の学生街は王立学園の生徒達で溢れ賑わっている。
「いい? 今から私が何をしても2人は先に鍛冶屋に行くのよ? そこで合流ね」
「何をされるんですか?」
「私はたいしたことしないわ!」
アイリスを安心させる為に笑顔を向ける。それが逆に彼女を不安にさせたみたいだが……別に悪いことはしないわよ!?
「貴方! アイリスと2人っきりだからって余計なことしたら二度と彼女とは会えないと思いなさい!」
念のためガイヤにも釘を刺す。
「は、はい!」
キリッと騎士のような敬礼をする。
門の前にいたヤツらは私達に気がついたようだ。そろそろと不自然に近づいて来る男が4人。
「あーれぇーーー? 王太子様じゃないですかぁ~!? それにベイル様までぇー!」
「キャーーー! レイル様にイクリス様もいらっしゃるわー!」
私とエリザが大声で騒ぐ。その声に気がついて女子学生達が全員こちらに振り向いた。
「なっ!?」
4人は慌てた。自分達の人気を自覚しているのだ。遠くからもわらわらと綺麗な格好をした令嬢達が集まって来る。
「えぇ!? 一緒に学生街を散歩する令嬢を探してらっしゃるのですか!?」
「まぁ! どうしましょう!」
「なんですって!? 婚約者を自分で決める!? 貴族がそのような自由恋愛を認められるのですか!?」
「きゃー! 真実の愛なんて素敵ですぅ!!!」
出したことのない高い声を使って、遠くまで聞こえるよう不自然な会話を繰り広げる。
その間4人は、違う! とか、そんなこと言ってない! などと騒ぎ立てたがもう遅い。そんな声じゃキャッキャしている令嬢達の声でかき消されるだけだ。
ああ、なんとか思惑通りにことが進んだ。ヤツらが揉みくちゃにされているのがみえる。
「馬鹿め! 親の七光りで生きてるんだからたまにはこんなこともあると覚悟しとくんだな!」
悪役のようなセリフをはいて、早足で鍛冶屋に向かう。
(これでガイヤがアイリスに手でも出してたら公爵家の力を使ってとっちめてやるわ)
そろそろ私も面倒くさくなってきていたのだ。
「キャーーー!」
鍛冶屋の近くで、女性の叫び声が響いていた。
(まさかアイリス!?)
ヒールだろうがかまうものか、全力ダッシュで叫び声の方に向かう。
「お待ちください!」
エリザから止められるがそうも言ってられない。アイリスになにかあったら大変だ。
「なっ!?」
そこには予想外の光景が広がっていた。
「その女はヤベェ! さっさとずらかるぞ!!!」
ガイヤとアイリスが背中合わせになって、剣で盗賊達を退治していた。
(つーかなんでこんなことに盗賊!?)
学生街はかなり治安がいい。この国の未来を担う若者が多く集まっているからだ。憲兵も毎日巡回し、夜に女学生が歩いて問題ないくらいなのだ。
「なんで聖剣が! クソ! 聖剣を使いこなせる女がいるなんて!」
(せせせせ聖剣!?)
目の前では信じられない光景が繰り広げられていた。
アイリスがバッサバッサと大剣を振り回して盗賊達を斬り倒していた。だが彼らから血は流れていない。
一方でガイヤの方は盗賊が一般人の方へ行かないよう警戒しながら戦っていた。こちらは足を斬られて地面で呻いている者も多い。
「ハァッ!!!」
勇ましい声と共に敵に立ち向かうのはアイリスだ。ガイヤではない。何の躊躇もなく突っ込んでいってこちらがヒヤヒヤする。
敵の剣を上手く流し、一突きすると相手は力が抜けたようにその場に崩れ落ちる。どうやら殺傷能力はないが相手は戦闘不能になるようだ。
(かっこよすぎでは!?)
え? ヒロインだよねあの子?
騒ぎを聞きつけ憲兵達も集まってきた。そしてまいたと思った攻略キャラクター達もファンをゾロゾロ引き連れてやってくる。
全員がアイリスの剣技に見惚れた。勇猛果敢な姿の中に美しさもある。
当然、賊の1人がこちらに逃げてきた。
「え!?」
私の手を掴み、人質にしようと企んだ瞬間、
「ぐぅ!」
アイリスがこの世の人間とは思えないような眼光で聖剣を投げつけ賊は倒れた。
(いやぁ! 私まで惚れちゃうじゃないの!)
そうして、盗賊達は駆けつけた憲兵達によって全員お縄についた。
アーサーは目鼻立ちがハッキリしている。金髪碧眼の王子様だ。
ベイルはつり目で鼻筋が通っており、泣き黒子が印象的で、眼鏡キャラでもある。
レイルは中性的な顔立ちで、神秘的な雰囲気で溢れている。
イクリスはタレ目にぷっくりした唇を持つ、色っぽい男だった。
ガイルはこの中では1番筋肉質で背も高い。パッチリとした目を持ち、穏やかで笑った顔がくしゃりとしてとても可愛らしい。
そして彼らは肩書も完璧だった。そうするとまあモテる。全員がアイリスに夢中なのは知れ渡っているが、それでもモテる。
休日の学生街は王立学園の生徒達で溢れ賑わっている。
「いい? 今から私が何をしても2人は先に鍛冶屋に行くのよ? そこで合流ね」
「何をされるんですか?」
「私はたいしたことしないわ!」
アイリスを安心させる為に笑顔を向ける。それが逆に彼女を不安にさせたみたいだが……別に悪いことはしないわよ!?
「貴方! アイリスと2人っきりだからって余計なことしたら二度と彼女とは会えないと思いなさい!」
念のためガイヤにも釘を刺す。
「は、はい!」
キリッと騎士のような敬礼をする。
門の前にいたヤツらは私達に気がついたようだ。そろそろと不自然に近づいて来る男が4人。
「あーれぇーーー? 王太子様じゃないですかぁ~!? それにベイル様までぇー!」
「キャーーー! レイル様にイクリス様もいらっしゃるわー!」
私とエリザが大声で騒ぐ。その声に気がついて女子学生達が全員こちらに振り向いた。
「なっ!?」
4人は慌てた。自分達の人気を自覚しているのだ。遠くからもわらわらと綺麗な格好をした令嬢達が集まって来る。
「えぇ!? 一緒に学生街を散歩する令嬢を探してらっしゃるのですか!?」
「まぁ! どうしましょう!」
「なんですって!? 婚約者を自分で決める!? 貴族がそのような自由恋愛を認められるのですか!?」
「きゃー! 真実の愛なんて素敵ですぅ!!!」
出したことのない高い声を使って、遠くまで聞こえるよう不自然な会話を繰り広げる。
その間4人は、違う! とか、そんなこと言ってない! などと騒ぎ立てたがもう遅い。そんな声じゃキャッキャしている令嬢達の声でかき消されるだけだ。
ああ、なんとか思惑通りにことが進んだ。ヤツらが揉みくちゃにされているのがみえる。
「馬鹿め! 親の七光りで生きてるんだからたまにはこんなこともあると覚悟しとくんだな!」
悪役のようなセリフをはいて、早足で鍛冶屋に向かう。
(これでガイヤがアイリスに手でも出してたら公爵家の力を使ってとっちめてやるわ)
そろそろ私も面倒くさくなってきていたのだ。
「キャーーー!」
鍛冶屋の近くで、女性の叫び声が響いていた。
(まさかアイリス!?)
ヒールだろうがかまうものか、全力ダッシュで叫び声の方に向かう。
「お待ちください!」
エリザから止められるがそうも言ってられない。アイリスになにかあったら大変だ。
「なっ!?」
そこには予想外の光景が広がっていた。
「その女はヤベェ! さっさとずらかるぞ!!!」
ガイヤとアイリスが背中合わせになって、剣で盗賊達を退治していた。
(つーかなんでこんなことに盗賊!?)
学生街はかなり治安がいい。この国の未来を担う若者が多く集まっているからだ。憲兵も毎日巡回し、夜に女学生が歩いて問題ないくらいなのだ。
「なんで聖剣が! クソ! 聖剣を使いこなせる女がいるなんて!」
(せせせせ聖剣!?)
目の前では信じられない光景が繰り広げられていた。
アイリスがバッサバッサと大剣を振り回して盗賊達を斬り倒していた。だが彼らから血は流れていない。
一方でガイヤの方は盗賊が一般人の方へ行かないよう警戒しながら戦っていた。こちらは足を斬られて地面で呻いている者も多い。
「ハァッ!!!」
勇ましい声と共に敵に立ち向かうのはアイリスだ。ガイヤではない。何の躊躇もなく突っ込んでいってこちらがヒヤヒヤする。
敵の剣を上手く流し、一突きすると相手は力が抜けたようにその場に崩れ落ちる。どうやら殺傷能力はないが相手は戦闘不能になるようだ。
(かっこよすぎでは!?)
え? ヒロインだよねあの子?
騒ぎを聞きつけ憲兵達も集まってきた。そしてまいたと思った攻略キャラクター達もファンをゾロゾロ引き連れてやってくる。
全員がアイリスの剣技に見惚れた。勇猛果敢な姿の中に美しさもある。
当然、賊の1人がこちらに逃げてきた。
「え!?」
私の手を掴み、人質にしようと企んだ瞬間、
「ぐぅ!」
アイリスがこの世の人間とは思えないような眼光で聖剣を投げつけ賊は倒れた。
(いやぁ! 私まで惚れちゃうじゃないの!)
そうして、盗賊達は駆けつけた憲兵達によって全員お縄についた。
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