「alive」

レム

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第一章 【始まり】

第7話【空腹】

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それからというもの、時間は刻一刻と過ぎ、帰宅時間となった。

玖炉「本当ごめん!大貴のユニットを倒しちゃって」

自身のユニットがいなくなるということは、すなわち敗北を意味する。

大貴「いーっていーって!気にすんな、こっちがお礼いいたいぐらいだわ」

玖炉「ごめん……」

大貴「ま!もし俺が危険な目にあったら、すぐさま助けてもらうわ!」

大貴の表情はいつもとかわりない笑顔だった。

玖炉「まかせてよ」








帰宅。
部屋に戻ると腕輪からハーリィがでてきた。

玖炉「どうしたのハーリィ?」

ハーリィ「あの…その……」

ハーリィは顔を赤くし、お腹を押さえながら言う。

ハーリィ「お腹が……空きました」

きゅぅぅ、という音がハーリィのお腹から聞こえると、さらに赤面した。

玖炉「あ!ごめんちょっと待ってて!すぐ持ってくるから!」

確かに、ハーリィが来てから彼女に何も食べさせていなかった。
お腹が空いて当然だ。
冷蔵庫を開けると奇跡的にパンとハムがあった。それをサンドイッチにしてすぐさま部屋に戻り、腰かけているハーリィの所に持ってきた。

玖炉「サンドイッチっていうんだけど、どうかな」

ハーリィ「サンド…イッチ?」

恐る恐る手に取り不思議そうに眺めるハーリィ。僕も気に入らなかったらどうしようかと不安だ。そして口に運び一口。

玖炉『……ゴクリ。』

ハーリィの頬がモゴモゴ動いている。
そして飲み込む。

ハーリィ「…………!!」

玖炉「…………!?」

ハーリィ「おっ…………」

玖炉『お……!!??』

ハーリィ「おいしいです!マスター!」

何だ今の溜めは。
とりあえず気に入ってくれたようで一安心。

玖炉「よかった……」

むしゃむしゃと食べるハーリィ、よほどお腹が空いてたのだろう。

玖炉「あ、飲み物とか持ってくるよ」

ハーリィ「あ、そんな」

玖炉「大丈夫、ちょっと待ってて」

部屋を出ていく瞬間

ハーリィ「マスター!」

玖炉「おっと……なに?」

ハーリィ「食べ終わったら……少しお時間をいただけませんか?」
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