「alive」

レム

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第三章【正体】

第9話【旋律】

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玖炉「了解」

そして鍵盤に軽く触れると、演奏が始まる。
流れ、澄み渡るような音色。
玖炉の背中を見ながら観覧しているハーリィは思う。
演奏をしている玖炉はまるで別人だと。
迫力がある。いつも優しい玖炉とはまた別の。

玖炉「ーーーーこんなものかな」

一息着くと、後ろで拍手する音が聞こえた。

ハーリィ「玖炉はピアノを誰かに学んだのですか?」

玖炉「ううん、始めて弾いたのは自分が7才の時だったかな、弾いてるとこみて感動してさ、そこから独学で学んできたよ」

独学とは思えない程の上手さ、一種の才能というやつか。

ハーリィ「まだ…聴いてみたい……です」

玖炉「お、いいよ」

そこからは弾ける限りの曲をハーリィに聴かせてあげた。
終わった時にはもう遅く、後ろを見ればソファーに横たわり、ハーリィは寝ていた。

玖炉「こんなに聴いてれば眠くなるよね」

寝ている上から毛布を被せて玖炉は携帯を手に取る。

玖炉「…………ん」

携帯で更新されるニュースの中に、気になるものがあった。
『何者かのユニットによる荒らされた形跡。』
その下には荒らされた画像が載せられていた。
そこだけ圧縮されたような跡だ。

玖炉「物騒だな……は?」

よくその画像を見てみる

玖炉「これって……僕の住んでる地域じゃないか」

そう遠くはない。でも確かにここだった。
さすがにでも今回は、たまたますぐ近くだっただけで……
そう思いたい。

玖炉「あーやだやだ、適当にシャワー浴びて寝よ」






???「本当にここなのか?」

???「あぁ、ここにSSランクがいるってのは確かだ。」

???「まぁ、暴れてればいつか」

???「現れるだろう」




 

そして朝。

玖炉「ふぁぁ……眠…」

ハーリィ「おはようございます、玖炉」

玖炉「おはよう」

ハーリィ「突然ですが玖炉、何者かが昨日、強い殺意を放っていました。遠くですが、ここまで伝わるほどです」

玖炉『やっぱここなのかよ……』

ハーリィ「少し危険です」

玖炉「その殺意って自分達にあてられてる?」

ハーリィ「いえ、それは違うと思います」
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