ステ振り間違えた落第番号勇者と一騎当千箱入りブリュンヒルデの物語

青木 森

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第三章

3-47

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 別室のベッドの上に仰向けで寝かされるプルプレア――

 今にも起き出して来そうな自然な表情に「肩を少し揺さ振れば目覚めるのでは」と思えなくも無いが、その様な筈もなく、緊張した面持ちで「麗しき眠り姫」を囲むラディッシュ、ドロプウォート、パストリス、ニプル、ターナップ。
 彼女の無事な目覚めを祈らずに居られない中、ハクサンが五人の下に歩み寄り、

「今からみんな(五人)には、彼女にチカラを注ぎ込んでもらうけど……」

 ラディッシュを見据え、
(?!)
 怯え交じりの驚き顔に、笑顔で以て、
「マズは「ラディが」チカラを注いでくれるかなぁ?」
「えぇ!? 僕がぁ?!」
「そぅそぅ。彼女が新たに持つチカラの「核」にしたいからぁ♪」

 事は重大。

 彼女の「新たなる人生」を左右する重責に、

「ぼっ、僕なんかで良いのぉ!? むしろ(序列)一位のハクさんの方が、」

 変わらぬ謙虚さ、と言うより「逃げ腰」と「卑屈さ」で辞退しようとすると、
「何を言ってるんだよぉラディ~キミも百人の天世人だしょ~?」
 ハクサンはケラケラと、
「今は「(仮)」だけどぉ♪」
 冗談交じりに笑って見せたが、その心の内では、
(ぼくぉチカラは新しい物で、元老院から「どんな制約」を仕込まれているか分かった物じゃないからね……)
「ん? ハクさぁん、何か言った???」
「なぁんでもないさぁ~、なんくるないさぁ~」
(((((?)))))
 中世人にはよく分からない冗談で話をはぐらかすと、

「あぁ、それと、この部屋にはぼくぁしか居ないけど、天世から見られない様に、術を施したからぁ」

(((((え?!)))))

 戸惑いを覚える五人。
 彼の口振りは「天世に知られると都合が悪い」と聞こえたから。

「ちょ、ちょっとハクさぁん!」

 青い顔するラディッシュは、
「もしかして、これってぇ天世の人に知られるとマズイ行為なのぉ?!」
 するとハクサンはヤレヤレ笑いで、

「元老院のジィ様たちがウルサイんだよねぇ~「死者を蘇らせるような行為だ」とか、なんとか言っちゃってねぇ~治療行為と変らないって言うのにぃ。グチグチ文句言う顔が目に浮かぶようぉ~」

「「「「「…………」」」」」

 思わず押し黙る五人。
 天世の上層部を敵に回す行為と知らされ、事の重大さを改めて認識し、躊躇いを覚えると、
「ん?」
 彼はあっけらかんと、

「なら止めるかぁい?」
(((((ッ!?)))))

 眼の色が変わる五人の中、

『止めないよォ!』

 真っ先に声を上げたのは、ヘタレ勇者のラディッシュ。
 彼に続けとばかり、

「当然ですわぁ! そもそも彼女は死者ではありませんわァ!」
「ウチらは「救える仲間の命」を見捨てたりしねぇサァ!」
「でぇすでぇすゥ!」
「問われるまでもねぇ話だァ!」

 ドロプウォート達も声を上げ、
「それは良かった♪」
 ハクサンはニコリ。
 五人の決意を試したニオイを含ませ、
「だからねぇ……」
 パストリスを見つめ、

「パストちゃんも、容赦なくチカラを注いでね」
(((((ッ!?)))))

 それは暗に「地世のチカラを注ぎ込め」との意であり、何故にハクサンが「彼女の正体を知っているのか」と疑問に思うより先、

『ボクもぉ?!』

 パストリスのみならず、驚くラディッシュ達。
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