ステ振り間違えた落第番号勇者と一騎当千箱入りブリュンヒルデの物語

青木 森

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第五章

5-34

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 妙な居心地の悪さを覚えつつ散策を続けるラディッシュ達――

 加えて、
「「「「「「「…………」」」」」」」
 思いのほか見るべき物が無く、

『つまんない、なぉ』

 チィックウィードがターナップの背でこぼし、苦笑のラディッシュも話が聞ける村人が居ない事もあり、
(そろそろ町に帰ろうかなぁ)
 前を歩くスパイダマグに、話を切り出すタイミングを計っていた。
 すると、

「!」

 何処からともなく「ぶぉ~んぶぉ~んぶぉ~ん」と、例の音が。
 それは道端に置かれた、共用のごみ箱。
 足を止め、
(これって本当に大丈夫なのかなぁ?)
 ラディッシュ達が怪訝な顔して見つめていると、不安を察したスパイダマグがスッと歩み寄り、

「問題ありません」

 野次馬元老院の一人がしていたように、
「エイ!」
 斜め四十五度の角度から衝撃を与え、「バコッ」と言う衝撃音と共に、ごみ箱は静かになり、スパイダマグは誇るでも無く「当然の事」と言った口振りで、
「直りました。御覧の通りです」
「「「「「「「…………」」」」」」」
(でもそれって、根本的な解決になってないんじゃ……)
 ラディッシュのみならず、仲間たちも同様の感想を抱いていると、

 ぐぉおぉおぉぉぉおおぉぉ~~~ぉ!

 今度は「獣の唸り声」のような物が。
「「「「「「「?!」」」」」」」
 視線は自然と「音の発生源」に集まり、

「「「「「「「…………」」」」」」」
「…………」

 音の主は、ドロプウォート。
 彼女は平静を装い切れていない、真っ赤な羞恥の笑顔でいきなり、
 ボコッ!
(((((((ッ!?)))))))
 自身の腹を殴り付け、

『なっ、何でもありませんわぁ♪ 何でもありませんですのぉ♪』

 満面の笑顔で自身の腹を、グーパンチで連打連打連打連打連打連打。

「ちょ、ちょちょちょドロプぅ!」

 ラディッシュは慌てて手を掴んで止めながら、
「しょ、食事にしようねぇ昼食にねぇ♪ 実は僕もさっきからお腹が鳴りっぱなしなんだよぉ♪ ねぇスパイダマグさぁん、美味しいお店をお願い♪」
「はっ、ハイお任せ下さい勇者殿方ぁ!」
 スパイダマグも彼女の乱心ぶりに慌てた様子で、

「この村に食堂は無く町(プロンズアルピニス)へ戻る事にはなりますが町一番の人気店をご紹介致しますのでぇ!」

 宥める気遣いを見せた。
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