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第六章
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数日後――
インディカは憑き物が落ちた様な満面の笑顔で、
『姐さん方ぁドコ行くんスかぁ♪』
教会から出掛けようとしていたドロプウォートたち女子組に声を掛け、男尊女卑的発想が消えた様な笑顔を見せたが、それもその筈、彼はドロプウォートに戦わずして敗北を喫した後、ニプルウォートとカドウィード、そしてパストリスにも手合わせを懇願し、
≪秒殺≫
更には頼まれてもいない飛び入り参加の「容赦を知らないチィックウィード」にまで、瞬殺どころか、女性陣が慌てて止めに入っていなければ急所を射抜かれ、即死させられる所であった。
蔑んでいた女子に、五人立て続けに、無残な敗北をすれば、流石にモノの見方も変わると言うモノ。
しかし、その代わりに「新たな問題」も。
それは、ラディッシュに対する横柄。
インディカは「拳で分かり合う気質」らしく、ターナップや女子五人とは打ち解けた受け答えをするが、連続惨敗への気遣いから戦いを拒んだラディッシュに対しては、よそよそしいとは生優しい表現の、
≪ケッ! 家事しかしねぇ軟弱ヤローが!≫
下に見たままであった。
実力を認めたターナップ達の手前、あからさまな態度を取る事までは無かったが。
そして下に見られたままのラディッシュも、他人から見下される事に「慣れ」を覚えてしまっていて、
≪仕方が無いよ。だって軟弱なのは本当なぁんだし♪≫
それは「諦め」では無く「悟りの境地」に近く、その「受け入れ」こそが二人の関係を余計にこじらせ、ターナップ達の頭を悩ませていた。
そんなある日、インディカが教会内の身廊を掃除していると何処からともなく、
(((インディカ兄ちゃん!)))
声を潜めた呼び声が。
(ん?)
声のした方に振り返ると、そこには、座席の背もたれに身を隠し、周囲の様子を窺う「彼を庇った幼子たち」と思しき姿が。
インディカは村の子供たちに、何故か、妙に好かれていた。
面倒見が良いのは確かであったが、裏表の無い性格が受け入れられているのか、精神年齢が近いと思われ親近感を抱かれているのか、常に眉間にシワを寄せ、ヤンキー張りのイカツイ顔したモヒカン頭であるにも関わらず。
しかし彼の眼には、
「…………」
どの子供も同じような、顔、形をした「村人A」としか映っていなかった。
それは子供に限らず、
≪オレっちが認めたモノ以外は、全てがモブだ≫
何故その様な身勝手な発想が沁み着いているのか、発端は後々明らかとなるが。
子供たちの「声を潜める理由」が気に掛かり、
『どぉしたぁ、オマエらぁ?』
問い掛けた途端、
(((シィーーーーーーッ!)))
幼子三人から、慌てた様子で静まるように、ジェスチャーで諭されるインディカ。
(?)
不思議に思う彼を尻目に三人は、何かを警戒している様子で再び周囲をキョロキョロ。
ひと気が無いと知るや、彼の下に駆け寄り、
(((オトナにナイショでタンケンに行くんだ♪)))
(探検?)
思わず釣られて声を潜めると、
(((ミナミの森に行くんだ♪)))
(南? 南の森っつうとぉアレかぁ? 「不帰(かえらず)の森」とか言う?)
(((そうだよ♪)))
「…………」
インディカは少し考えて後、
(オレっちぁ余所モンだからよぉ、よく分かんねぇけどよぉ、行ったヤツぁ誰も帰って来れねぇくれぇヤベェ所なんだろ? ガキだけで行くにぁかなりアブネェんじゃねぇのか?)
しかし子供たちはあっけらかんと、
(あんなのぉオトナの作り話だよぉ♪)
(ボクぅたちを行かせないようにするため、だよぉ♪)
(村のまわりにはオセンジュウだって出ないじゃないか♪)
ドコ吹く風な物言いに、
(汚染獣……言われてみりゃぁ確かに、この辺にぁ見ねぇわなぁ?)
インディカは丸め込まれつつあった。
故国アクアから長旅を経て、この村で過ごす間に「彼が感じた実感」ではあったのだが、その認識が誤りであったのを、彼は後々イヤと言うほど思い知る羽目になる。
事実誤認から「安全な森」と思い込んではしまったが、流石に子供たちダケで行かせるのには抵抗を覚え、
(オレっちも行っとくかぁ?)
思い至り、
「なぁ、オレっちも一緒でイイかぁ、ガキどもよぉ? その「探検」ってヤツにぃ」
すると子供たちは何事かヒソヒソと話し合った後、
『『『タイチョウはボクたちだからねぇ♪』』』
満面の笑顔を口元で返し、契約は成立した。
インディカは憑き物が落ちた様な満面の笑顔で、
『姐さん方ぁドコ行くんスかぁ♪』
教会から出掛けようとしていたドロプウォートたち女子組に声を掛け、男尊女卑的発想が消えた様な笑顔を見せたが、それもその筈、彼はドロプウォートに戦わずして敗北を喫した後、ニプルウォートとカドウィード、そしてパストリスにも手合わせを懇願し、
≪秒殺≫
更には頼まれてもいない飛び入り参加の「容赦を知らないチィックウィード」にまで、瞬殺どころか、女性陣が慌てて止めに入っていなければ急所を射抜かれ、即死させられる所であった。
蔑んでいた女子に、五人立て続けに、無残な敗北をすれば、流石にモノの見方も変わると言うモノ。
しかし、その代わりに「新たな問題」も。
それは、ラディッシュに対する横柄。
インディカは「拳で分かり合う気質」らしく、ターナップや女子五人とは打ち解けた受け答えをするが、連続惨敗への気遣いから戦いを拒んだラディッシュに対しては、よそよそしいとは生優しい表現の、
≪ケッ! 家事しかしねぇ軟弱ヤローが!≫
下に見たままであった。
実力を認めたターナップ達の手前、あからさまな態度を取る事までは無かったが。
そして下に見られたままのラディッシュも、他人から見下される事に「慣れ」を覚えてしまっていて、
≪仕方が無いよ。だって軟弱なのは本当なぁんだし♪≫
それは「諦め」では無く「悟りの境地」に近く、その「受け入れ」こそが二人の関係を余計にこじらせ、ターナップ達の頭を悩ませていた。
そんなある日、インディカが教会内の身廊を掃除していると何処からともなく、
(((インディカ兄ちゃん!)))
声を潜めた呼び声が。
(ん?)
声のした方に振り返ると、そこには、座席の背もたれに身を隠し、周囲の様子を窺う「彼を庇った幼子たち」と思しき姿が。
インディカは村の子供たちに、何故か、妙に好かれていた。
面倒見が良いのは確かであったが、裏表の無い性格が受け入れられているのか、精神年齢が近いと思われ親近感を抱かれているのか、常に眉間にシワを寄せ、ヤンキー張りのイカツイ顔したモヒカン頭であるにも関わらず。
しかし彼の眼には、
「…………」
どの子供も同じような、顔、形をした「村人A」としか映っていなかった。
それは子供に限らず、
≪オレっちが認めたモノ以外は、全てがモブだ≫
何故その様な身勝手な発想が沁み着いているのか、発端は後々明らかとなるが。
子供たちの「声を潜める理由」が気に掛かり、
『どぉしたぁ、オマエらぁ?』
問い掛けた途端、
(((シィーーーーーーッ!)))
幼子三人から、慌てた様子で静まるように、ジェスチャーで諭されるインディカ。
(?)
不思議に思う彼を尻目に三人は、何かを警戒している様子で再び周囲をキョロキョロ。
ひと気が無いと知るや、彼の下に駆け寄り、
(((オトナにナイショでタンケンに行くんだ♪)))
(探検?)
思わず釣られて声を潜めると、
(((ミナミの森に行くんだ♪)))
(南? 南の森っつうとぉアレかぁ? 「不帰(かえらず)の森」とか言う?)
(((そうだよ♪)))
「…………」
インディカは少し考えて後、
(オレっちぁ余所モンだからよぉ、よく分かんねぇけどよぉ、行ったヤツぁ誰も帰って来れねぇくれぇヤベェ所なんだろ? ガキだけで行くにぁかなりアブネェんじゃねぇのか?)
しかし子供たちはあっけらかんと、
(あんなのぉオトナの作り話だよぉ♪)
(ボクぅたちを行かせないようにするため、だよぉ♪)
(村のまわりにはオセンジュウだって出ないじゃないか♪)
ドコ吹く風な物言いに、
(汚染獣……言われてみりゃぁ確かに、この辺にぁ見ねぇわなぁ?)
インディカは丸め込まれつつあった。
故国アクアから長旅を経て、この村で過ごす間に「彼が感じた実感」ではあったのだが、その認識が誤りであったのを、彼は後々イヤと言うほど思い知る羽目になる。
事実誤認から「安全な森」と思い込んではしまったが、流石に子供たちダケで行かせるのには抵抗を覚え、
(オレっちも行っとくかぁ?)
思い至り、
「なぁ、オレっちも一緒でイイかぁ、ガキどもよぉ? その「探検」ってヤツにぃ」
すると子供たちは何事かヒソヒソと話し合った後、
『『『タイチョウはボクたちだからねぇ♪』』』
満面の笑顔を口元で返し、契約は成立した。
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