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第六章
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村に戻ったラディッシュ達――
掟を破った子供たちとインディカを待っていたのは当然の如く、親たちと大司祭からの大目玉。
ラディッシュの取り成しもあってお説教もそこそこに、安堵の両親と抱擁し、泣いて謝る子供たちであったが、インディカはあまり骨身に応えた様子も無く、むしろ危険に身を晒した事で、
≪箔が付いた!≫
漢を上げたと言わんばかりの、満足げ。
そんな彼の姿に困惑笑いのラディッシュと、呆れ笑いの仲間たちではあったが、地世の七草サロワートの件があり、マッタリしている場合では無く、妖人の村であり、盗賊村でもあり、パストリスが生まれ育った場所でもある村に向かう支度を早々に始めた。
そんな中、
『パストさん』
「?」
ラディッシュに呼ばれて振り返るパストリス。
そこには不安げに見つめる顔があり、彼は彼女の顔色を窺うように、
「今回の遠征には、無理して参加しなくても良いんだよ?」
「!」
パストリスは驚きを見せ、準備中であった仲間たちも驚きを見せたが、彼女はラディッシュの「心優しき意図」を瞬時に理解し、陰りの無いニコやかな笑顔で、
「大丈夫なのでぇす、ラディさん♪」
気遣いには感謝しながらも、
「ボクの心の整理をつける為にも、今は行きたい気分なのでぇすぅ♪」
屈託無い笑顔。
その笑顔に、
「「「「「「…………」」」」」」
仲間たちは「これから向かう村」で、彼女が数々の辛い憂き目に遭って来た話を思い出した。
すると彼女の並々ならぬ決意に触発されてか、ドロプウォートが唐突に、
『私は村に残る事にしますわ』
「「「「「「えぇ!?」」」」」」
ラディッシュ達が動揺を隠せずに居る中、彼女は努めて平静に、
「地世の七草が「どの様な策」を弄しているか不明の今、私はこの国の四大貴族が一子の責務として、先ずは「この村の人々」を守らねばなりませんのですわ。ですから、」
ラディッシュを真っ直ぐ見据え、
「七草の彼女への対応は、貴方にお任せ致しますですわ」
身を裂かれる想いを内に秘めての、彼女なりの決意であった。
(コイツッ!)
本意を隠す彼女に苛立ちを覚える、ニプルウォート。
『はいはい、ちょ~と待つのさぁ~!』
話に割って入り、
「誓約者のアンタが勇者と離れてどうすんのさぁ? それに村を「守るダケ」ならぁウチにも出来んだろぅさ」
「そ、それは、」
「敵軍大将討伐と現地調査も「民を守ると同意」で、四大としてぇ重要なんじゃないかと言ってんのさぁ~それとも何かぁい? アンタはウチが「村も守れないボンクラだ」とでも思ってるのかぁい?」
「そんな……」
正論の数々に返す言葉を失うと、ニプルウォートは皮肉った笑みを浮かべ、
「この地と縁(えにし)の薄いウチが出掛けたところで、結局は野次馬根性に毛が生えた程度の物見遊山にしかならないしさぁ」
部屋から去り際、ドロプウォートの耳元に、彼女にしか聞こえない小声で、
(アンタは、もぅ少し自分の気持ちに素直になってイイんじゃないさ)
「え?!」
本音と職責の狭間で思い悩む内心を見透かされていたと知り、驚き、振り返る彼女をその場に残し部屋から出て行った。
少し日が傾き始めた村の中をそぞろ歩くニプルウォート――
やがて小川の土手まで来ると、
「…………」
川縁に静かに腰を下ろし、
(ウチも大概だねぇ……)
煌めく水面を少し寂しげな表情で見つめながら、
(なにが「素直になれ」さ……自分だってラディに付いて行きたいのに、カッコつけてぇさぁ……)
自嘲していると背後から、
『おぅおぅカッコウぅつけ過ぎなんじゃねぇのかぁ、ニプルさんよぉ~』
「!」
見透かし、からかう男の声が。
しかし相手が誰なのか分かっているニプルウォートは振り向きもせず「へっ」と小さく笑い、声の主が傍らに並んで座るや否や、
「この時宜に「ここに来た」って事ぁアンタも辞退ってかぁい?」
「ん? まぁなぁ~」
苦笑して見せたのはターナップ。
「アンタも大概お人好しだねぇ~無理しちゃってさぁ。本音はパストに付いて行きたいだろぅにぃさぁ」
「ハン。んなぁモン、お互い様だろぅ?」
「まぁ、そぅさなぁ~♪」
二人が小さく笑い合っていると背後から、
『あらぁあらぁ二人揃って「鞍替え」でありんすぅ~?』
『『誰が鞍替えかぁ!』』
誰の声か分かっている上で、即座にツッコミを入れるニプルウォートとターナップ。
そんな二人の前に立っていたのは、妖艶な「からかいの笑み」を浮かべたカドウィードであったが、
((!))
彼女の真意が「からかい目的」ではないのを瞬時に悟った二人は、返す「からかいの笑み」を揃って浮かべながら、
「上っツラや物言いは変わってもさぁ~♪」
「素直じゃねぇ中身までは、変わんねぇのなぁ~♪」
見透かした物言いに、
『のぉなぁ!?』
ギョッとするカドウィード。
自分も「二人と同類である」と早々に見抜かれるなど考えもしなかったようで、羞恥を交えた驚きを顔に出してしまったが、今さら取り繕ったところで後の祭り。
瞬時に気持ちを切り替え、苦笑交じり、
「そうでありんすぅ、アタシも同じにありんすぇ」
見透かされていたのを悔し気に、
「パストが辛い過去と向き合おうとしている中ぁ、それを知らない新参のアタシが行ってもぉニプルのぉ言った通り、興味本位の野次馬にしかならないのでぇありんす」
二人の傍らに座り、
(((もっと早くに知り合って居れば……)))
いつもは勝ち気な三人組が「気遣い」と「本音」、そして「嫉妬」が入り混じったとりとめのない想いから愁い、水面(みなも)を眺めていると、
『『『!!!?』』』
三人は同時にビクッと驚いた。
背に体当たりする様な勢いで、急に誰かに抱き付かれたのである。
完全に気を抜いていた訳ではない。
しかし、勇者と行動を共にする程の実力者三人が、
(((気配に気付けなかった?!)))
恐る恐る、三人揃って振り返ると、
『ビックリしたなぉ♪』
満面の笑顔を見せたのは、チィックウィード。
彼女も「ここに来た」と言う事は、幼いながらに「三人と同類」である事の表れであり、それが分かったニプルウォート。ターナップ、カドウィードは苦笑し合い、
「やっぱぁ「類は友を呼ぶ」のさなぁ~」
「長く居りゃぁ、そりゃ「似て来る」ってぇ事かも知れないぜぇ~」
「ほんにぃイヤぁでぇありんすなぁ~」
辟易笑いをする三人にチィックウィードは、
「ニヒヒィ♪」
愛らしい笑顔を見せながら、
『みんなナカヨシなぉ♪』
笑って見せた。
掟を破った子供たちとインディカを待っていたのは当然の如く、親たちと大司祭からの大目玉。
ラディッシュの取り成しもあってお説教もそこそこに、安堵の両親と抱擁し、泣いて謝る子供たちであったが、インディカはあまり骨身に応えた様子も無く、むしろ危険に身を晒した事で、
≪箔が付いた!≫
漢を上げたと言わんばかりの、満足げ。
そんな彼の姿に困惑笑いのラディッシュと、呆れ笑いの仲間たちではあったが、地世の七草サロワートの件があり、マッタリしている場合では無く、妖人の村であり、盗賊村でもあり、パストリスが生まれ育った場所でもある村に向かう支度を早々に始めた。
そんな中、
『パストさん』
「?」
ラディッシュに呼ばれて振り返るパストリス。
そこには不安げに見つめる顔があり、彼は彼女の顔色を窺うように、
「今回の遠征には、無理して参加しなくても良いんだよ?」
「!」
パストリスは驚きを見せ、準備中であった仲間たちも驚きを見せたが、彼女はラディッシュの「心優しき意図」を瞬時に理解し、陰りの無いニコやかな笑顔で、
「大丈夫なのでぇす、ラディさん♪」
気遣いには感謝しながらも、
「ボクの心の整理をつける為にも、今は行きたい気分なのでぇすぅ♪」
屈託無い笑顔。
その笑顔に、
「「「「「「…………」」」」」」
仲間たちは「これから向かう村」で、彼女が数々の辛い憂き目に遭って来た話を思い出した。
すると彼女の並々ならぬ決意に触発されてか、ドロプウォートが唐突に、
『私は村に残る事にしますわ』
「「「「「「えぇ!?」」」」」」
ラディッシュ達が動揺を隠せずに居る中、彼女は努めて平静に、
「地世の七草が「どの様な策」を弄しているか不明の今、私はこの国の四大貴族が一子の責務として、先ずは「この村の人々」を守らねばなりませんのですわ。ですから、」
ラディッシュを真っ直ぐ見据え、
「七草の彼女への対応は、貴方にお任せ致しますですわ」
身を裂かれる想いを内に秘めての、彼女なりの決意であった。
(コイツッ!)
本意を隠す彼女に苛立ちを覚える、ニプルウォート。
『はいはい、ちょ~と待つのさぁ~!』
話に割って入り、
「誓約者のアンタが勇者と離れてどうすんのさぁ? それに村を「守るダケ」ならぁウチにも出来んだろぅさ」
「そ、それは、」
「敵軍大将討伐と現地調査も「民を守ると同意」で、四大としてぇ重要なんじゃないかと言ってんのさぁ~それとも何かぁい? アンタはウチが「村も守れないボンクラだ」とでも思ってるのかぁい?」
「そんな……」
正論の数々に返す言葉を失うと、ニプルウォートは皮肉った笑みを浮かべ、
「この地と縁(えにし)の薄いウチが出掛けたところで、結局は野次馬根性に毛が生えた程度の物見遊山にしかならないしさぁ」
部屋から去り際、ドロプウォートの耳元に、彼女にしか聞こえない小声で、
(アンタは、もぅ少し自分の気持ちに素直になってイイんじゃないさ)
「え?!」
本音と職責の狭間で思い悩む内心を見透かされていたと知り、驚き、振り返る彼女をその場に残し部屋から出て行った。
少し日が傾き始めた村の中をそぞろ歩くニプルウォート――
やがて小川の土手まで来ると、
「…………」
川縁に静かに腰を下ろし、
(ウチも大概だねぇ……)
煌めく水面を少し寂しげな表情で見つめながら、
(なにが「素直になれ」さ……自分だってラディに付いて行きたいのに、カッコつけてぇさぁ……)
自嘲していると背後から、
『おぅおぅカッコウぅつけ過ぎなんじゃねぇのかぁ、ニプルさんよぉ~』
「!」
見透かし、からかう男の声が。
しかし相手が誰なのか分かっているニプルウォートは振り向きもせず「へっ」と小さく笑い、声の主が傍らに並んで座るや否や、
「この時宜に「ここに来た」って事ぁアンタも辞退ってかぁい?」
「ん? まぁなぁ~」
苦笑して見せたのはターナップ。
「アンタも大概お人好しだねぇ~無理しちゃってさぁ。本音はパストに付いて行きたいだろぅにぃさぁ」
「ハン。んなぁモン、お互い様だろぅ?」
「まぁ、そぅさなぁ~♪」
二人が小さく笑い合っていると背後から、
『あらぁあらぁ二人揃って「鞍替え」でありんすぅ~?』
『『誰が鞍替えかぁ!』』
誰の声か分かっている上で、即座にツッコミを入れるニプルウォートとターナップ。
そんな二人の前に立っていたのは、妖艶な「からかいの笑み」を浮かべたカドウィードであったが、
((!))
彼女の真意が「からかい目的」ではないのを瞬時に悟った二人は、返す「からかいの笑み」を揃って浮かべながら、
「上っツラや物言いは変わってもさぁ~♪」
「素直じゃねぇ中身までは、変わんねぇのなぁ~♪」
見透かした物言いに、
『のぉなぁ!?』
ギョッとするカドウィード。
自分も「二人と同類である」と早々に見抜かれるなど考えもしなかったようで、羞恥を交えた驚きを顔に出してしまったが、今さら取り繕ったところで後の祭り。
瞬時に気持ちを切り替え、苦笑交じり、
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見透かされていたのを悔し気に、
「パストが辛い過去と向き合おうとしている中ぁ、それを知らない新参のアタシが行ってもぉニプルのぉ言った通り、興味本位の野次馬にしかならないのでぇありんす」
二人の傍らに座り、
(((もっと早くに知り合って居れば……)))
いつもは勝ち気な三人組が「気遣い」と「本音」、そして「嫉妬」が入り混じったとりとめのない想いから愁い、水面(みなも)を眺めていると、
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三人は同時にビクッと驚いた。
背に体当たりする様な勢いで、急に誰かに抱き付かれたのである。
完全に気を抜いていた訳ではない。
しかし、勇者と行動を共にする程の実力者三人が、
(((気配に気付けなかった?!)))
恐る恐る、三人揃って振り返ると、
『ビックリしたなぉ♪』
満面の笑顔を見せたのは、チィックウィード。
彼女も「ここに来た」と言う事は、幼いながらに「三人と同類」である事の表れであり、それが分かったニプルウォート。ターナップ、カドウィードは苦笑し合い、
「やっぱぁ「類は友を呼ぶ」のさなぁ~」
「長く居りゃぁ、そりゃ「似て来る」ってぇ事かも知れないぜぇ~」
「ほんにぃイヤぁでぇありんすなぁ~」
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