395 / 896
第六章
6-47
しおりを挟む
女帝とまで呼ばれ畏れられる彼女が、今、何を想い、幼き少女を抱き締めているのか、それは当人にしか知り得ない話であるが、女王フルールは穏やかな笑みを浮かべたままチィックウィードから静かに離れ、
「いきなり抱き締めなどぉほんにぃ済まなかったぇ。チィがぁ、あまりに愛らしい故、許しておくんなんしぃ」
謝罪を口にするとチィックウィードはニカッと笑って、
「しかたナイなぉ♪」
「ん?」
「だってぇチイはぁ、とぉ~~~ってもぉカワイイなぉ♪」
その屈託ない天使の笑顔に、
「ほぉんにのぉ~♪」
女王も目尻を下げると、
(?)
一人の視線が眼の端に留まり、妖艶な笑み湛えたまま、
「ヌシよぉ、いかなしたぇ?」
見つめた先に居たのは、跪くイリス。
彼女は「初対面となる女帝」を前に、物怖じする素振りも無く、
「いやぁ~意外に思ってさねぇ……」
「意外とはぁ何ぞぉ?」
「ゴツイ女騎士たちの頭目で、女帝とまで呼ばれる「名高き女王フルール陛下」が、まさかこんな、」
「子供好きとは意外かぇ?」
「血も涙も無い、冷酷無情な女傑かとぉ」
「なぁんとぉ? 他国での妾の評価とはぁ、其(そ)の様にありぃんしたかぇ~世間とは辛辣よのぉ~♪」
彼女は「ほっほっほっ」と愉快げに笑い、
「さりとてぇ意外と言えばヌシとて……」
口にしかけた「何か」を、
「いや……何でんありんせぇんぇ♪」
あえて飲み込みフッと小さく笑い、
「期待を裏切りぃ失望しんしたかぇ?」
からかいを交えて問うたが、イリスはむしろ彼女の「口籠った先」が気に掛かり、
(まさかアタシの正体に?!)
秘め事を抱えているが故に内心で動じてしまい、即答できずに居ると、
『失望などしぃせぇん!!!』
「?」
声を張り上げたのは、カドウィード。
女王の立ち振る舞いが琴線に触れた彼女は珍しく前のめりに、
「フルール陛下をぉ「あね様」と、呼んで良きにありぃんすかぇ?!」
『『『『『『『『『『えぇっ?!』』』』』』』』』』
ラディッシュ達やリブロン、そして居合わせた女騎士たちが驚く中、カドウィードの容姿に、言葉に、同じニオイを感じた女王フルールは当然の如く、
「拒む理由が何処にありんすぅ?」
「!!!」
応えに、目指すべき完成形を見つけた彼女は嬉しそうに身震い、
『カディと呼んでおくんなぁんしぃ、あね様ぁ♪』
「ほっほっほっ♪ うい娘よのぉ♪」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
二人だけの世界にツッコミ処は満載であったが、リブロンは重大案件を思い出した様子で毅然を取り戻し、ご満悦な女王フルールの耳元に、
「陛下、そろそろ本題に入りませんと」
すると彼女も妖艶な笑みの中に気付きを見せ、
「そうでぇありんしたなぁ」
謁見の間に立ち会う「手練れの女騎士たち」を見回し、
「妾の娘たちよぉ、下がって良きにありんすぇ」
その言葉に、彼女たちは異論も疑問も無く、
「「「「「「ハッ! 失礼致します!」」」」」」
粛々と退出して行き、謁見の間に残っているのは女王フルールとリブロン、そしてラディッシュ達八人のみとなった。
「いきなり抱き締めなどぉほんにぃ済まなかったぇ。チィがぁ、あまりに愛らしい故、許しておくんなんしぃ」
謝罪を口にするとチィックウィードはニカッと笑って、
「しかたナイなぉ♪」
「ん?」
「だってぇチイはぁ、とぉ~~~ってもぉカワイイなぉ♪」
その屈託ない天使の笑顔に、
「ほぉんにのぉ~♪」
女王も目尻を下げると、
(?)
一人の視線が眼の端に留まり、妖艶な笑み湛えたまま、
「ヌシよぉ、いかなしたぇ?」
見つめた先に居たのは、跪くイリス。
彼女は「初対面となる女帝」を前に、物怖じする素振りも無く、
「いやぁ~意外に思ってさねぇ……」
「意外とはぁ何ぞぉ?」
「ゴツイ女騎士たちの頭目で、女帝とまで呼ばれる「名高き女王フルール陛下」が、まさかこんな、」
「子供好きとは意外かぇ?」
「血も涙も無い、冷酷無情な女傑かとぉ」
「なぁんとぉ? 他国での妾の評価とはぁ、其(そ)の様にありぃんしたかぇ~世間とは辛辣よのぉ~♪」
彼女は「ほっほっほっ」と愉快げに笑い、
「さりとてぇ意外と言えばヌシとて……」
口にしかけた「何か」を、
「いや……何でんありんせぇんぇ♪」
あえて飲み込みフッと小さく笑い、
「期待を裏切りぃ失望しんしたかぇ?」
からかいを交えて問うたが、イリスはむしろ彼女の「口籠った先」が気に掛かり、
(まさかアタシの正体に?!)
秘め事を抱えているが故に内心で動じてしまい、即答できずに居ると、
『失望などしぃせぇん!!!』
「?」
声を張り上げたのは、カドウィード。
女王の立ち振る舞いが琴線に触れた彼女は珍しく前のめりに、
「フルール陛下をぉ「あね様」と、呼んで良きにありぃんすかぇ?!」
『『『『『『『『『『えぇっ?!』』』』』』』』』』
ラディッシュ達やリブロン、そして居合わせた女騎士たちが驚く中、カドウィードの容姿に、言葉に、同じニオイを感じた女王フルールは当然の如く、
「拒む理由が何処にありんすぅ?」
「!!!」
応えに、目指すべき完成形を見つけた彼女は嬉しそうに身震い、
『カディと呼んでおくんなぁんしぃ、あね様ぁ♪』
「ほっほっほっ♪ うい娘よのぉ♪」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
二人だけの世界にツッコミ処は満載であったが、リブロンは重大案件を思い出した様子で毅然を取り戻し、ご満悦な女王フルールの耳元に、
「陛下、そろそろ本題に入りませんと」
すると彼女も妖艶な笑みの中に気付きを見せ、
「そうでぇありんしたなぁ」
謁見の間に立ち会う「手練れの女騎士たち」を見回し、
「妾の娘たちよぉ、下がって良きにありんすぇ」
その言葉に、彼女たちは異論も疑問も無く、
「「「「「「ハッ! 失礼致します!」」」」」」
粛々と退出して行き、謁見の間に残っているのは女王フルールとリブロン、そしてラディッシュ達八人のみとなった。
0
あなたにおすすめの小説
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる