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第六章
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やって来たのは、馬にまたがったアクア国の冒険者の一団。
満を持してか大人数を引き連れ、同胞の懲りない姿に、
『どの面(つら)下げてやって来たのさねぇ!!!』
激昂するイリス。
前衛のドロプウォート達に守られながら、
「目的の為に幼子まで誘拐しやがってぇ! アタシぁ同郷として恥ずかしい限りさねぇ!」
しかし頭目は臆面も無く、
「こっちももう後が無いんでなぁ! 四の五の言ってらないのさァ!」
続けざまに彼が言い放った次の言葉に、イリスは愕然とする。
『アンタの首を持って帰らねぇと、コッチの首が飛ぶんでなぁあ!』
「なっ?!」
(アタシの生死は問わず?! そんな訳はないさねぇ!)
彼女は確信を以て、
『お父様とお母様が、その様な命を下される筈が無いさねぇ!!!』
『知るかぁ!』
頭目は一喝し、
「そっちの事情なんてぁ知ったこっちゃねぇ!」
目の前に居るのが勇者一行と、未だ知らぬ様子で、
『オメェ等ぁやっちまぇえッ!!!』
「「「「「「「「「「うおぉおおぉぉーーーーーーーーーっ!」」」」」」」」」」
冒険者たちは一斉に襲い掛かった。
『行きましてですわよォ!』
ドロプウォートの駆け出しに、
「言われなくてもォ!」
「げにぃありんしょ!」
遅れまじと、駆け出すニプルウォートとカドウィード。
開戦の口火は切られたが、
(クックック。この大人数を相手に、女子供で勝てると思ってやがるのかぁ♪)
余裕の笑みを見せる、頭目。
しかしそれも始めの数秒のこと。
縦横無尽、鬼神の如き強さを見せる勇者一行に、
「なっ、何なんだぁコイツ等のぉ桁違いの強さはぁあぁ?!!!」
手下共々慄くと、ドロプウォートが戦乙女と称すべき毅然を以て剣を高々と振りかざし、
『勇者一行を相手になお向かって来るならば、エルブ国四大として、勇者の誓約者として、もはや容赦など致しませんのですわァ!!!』
『『『『『『『『『『なぁあぁ、にぃいぃぃっ?!!!』』』』』』』』』』
何処かで見た事のあるリアクションで震え上がる冒険者たち。
先の勇ましさは何処へやら、武器を放り出して一目散、
『おっ、オイッ! オマエ等ぁあ!!!』
頭目の制止も聞かず、
「聞いてねぇーーーっ!」
「冗談じゃねぇーーーっ!」
「命あっての物種ぇ!」
「天世を敵に回せるかぁーーーっ!」
蜘蛛の子を散らすように逃げ去って行った。
彼を「リーダー」と称して慕っていた、あの冒険者たちでさえ。
「…………」
一人、取り残される頭目。
逃げる素振りを見せない彼に、刀を手にしたドロプウォートは毅然と歩み寄り、
「貴方は逃げませんですわのぉ」
すると彼は腹を括った様子で振り返り、
「後が無い、と言ったろぅ? それにアノ人は、何処へ逃げても必ず俺たちを見つける」
「…………」
「まぁリーダーの俺が首を差し出せば、アイツ等の命だけは助けてくれるかも知れねぇしな」
仲間を気遣う物言いに対し、彼らに娘(仮)をかどわかされた経緯を持つドロプウォートは冷淡とも言える眼差しを向けながら、
「悪党にも一部の理(り)と言う訳ですわね」
静かに切っ先を向けると、
「悪党ねぇ」
「?」
頭目は薄ら笑いを浮かべ、
「俺らは冒険者として、「依頼達成に準じただけ」なんだがなぁ」
「なるほど……幼子の命まで奪いかけておいて、なお反省の弁も、後悔も無いと言う訳ですわのね……」
小さく息を吐くと、母親(仮)はギラリと鋭い眼光を放ち、
『度し難いですわァア!』
激しく激昂。
怒髪天を衝くが如き怒りを以て屁理屈を断罪し、彼を重罪人として一刀の下に斬り伏せようとした。
すると、
『待ちないやァドロプッ!』
「!」
急いて制する声を上げたのは、イリス。
満を持してか大人数を引き連れ、同胞の懲りない姿に、
『どの面(つら)下げてやって来たのさねぇ!!!』
激昂するイリス。
前衛のドロプウォート達に守られながら、
「目的の為に幼子まで誘拐しやがってぇ! アタシぁ同郷として恥ずかしい限りさねぇ!」
しかし頭目は臆面も無く、
「こっちももう後が無いんでなぁ! 四の五の言ってらないのさァ!」
続けざまに彼が言い放った次の言葉に、イリスは愕然とする。
『アンタの首を持って帰らねぇと、コッチの首が飛ぶんでなぁあ!』
「なっ?!」
(アタシの生死は問わず?! そんな訳はないさねぇ!)
彼女は確信を以て、
『お父様とお母様が、その様な命を下される筈が無いさねぇ!!!』
『知るかぁ!』
頭目は一喝し、
「そっちの事情なんてぁ知ったこっちゃねぇ!」
目の前に居るのが勇者一行と、未だ知らぬ様子で、
『オメェ等ぁやっちまぇえッ!!!』
「「「「「「「「「「うおぉおおぉぉーーーーーーーーーっ!」」」」」」」」」」
冒険者たちは一斉に襲い掛かった。
『行きましてですわよォ!』
ドロプウォートの駆け出しに、
「言われなくてもォ!」
「げにぃありんしょ!」
遅れまじと、駆け出すニプルウォートとカドウィード。
開戦の口火は切られたが、
(クックック。この大人数を相手に、女子供で勝てると思ってやがるのかぁ♪)
余裕の笑みを見せる、頭目。
しかしそれも始めの数秒のこと。
縦横無尽、鬼神の如き強さを見せる勇者一行に、
「なっ、何なんだぁコイツ等のぉ桁違いの強さはぁあぁ?!!!」
手下共々慄くと、ドロプウォートが戦乙女と称すべき毅然を以て剣を高々と振りかざし、
『勇者一行を相手になお向かって来るならば、エルブ国四大として、勇者の誓約者として、もはや容赦など致しませんのですわァ!!!』
『『『『『『『『『『なぁあぁ、にぃいぃぃっ?!!!』』』』』』』』』』
何処かで見た事のあるリアクションで震え上がる冒険者たち。
先の勇ましさは何処へやら、武器を放り出して一目散、
『おっ、オイッ! オマエ等ぁあ!!!』
頭目の制止も聞かず、
「聞いてねぇーーーっ!」
「冗談じゃねぇーーーっ!」
「命あっての物種ぇ!」
「天世を敵に回せるかぁーーーっ!」
蜘蛛の子を散らすように逃げ去って行った。
彼を「リーダー」と称して慕っていた、あの冒険者たちでさえ。
「…………」
一人、取り残される頭目。
逃げる素振りを見せない彼に、刀を手にしたドロプウォートは毅然と歩み寄り、
「貴方は逃げませんですわのぉ」
すると彼は腹を括った様子で振り返り、
「後が無い、と言ったろぅ? それにアノ人は、何処へ逃げても必ず俺たちを見つける」
「…………」
「まぁリーダーの俺が首を差し出せば、アイツ等の命だけは助けてくれるかも知れねぇしな」
仲間を気遣う物言いに対し、彼らに娘(仮)をかどわかされた経緯を持つドロプウォートは冷淡とも言える眼差しを向けながら、
「悪党にも一部の理(り)と言う訳ですわね」
静かに切っ先を向けると、
「悪党ねぇ」
「?」
頭目は薄ら笑いを浮かべ、
「俺らは冒険者として、「依頼達成に準じただけ」なんだがなぁ」
「なるほど……幼子の命まで奪いかけておいて、なお反省の弁も、後悔も無いと言う訳ですわのね……」
小さく息を吐くと、母親(仮)はギラリと鋭い眼光を放ち、
『度し難いですわァア!』
激しく激昂。
怒髪天を衝くが如き怒りを以て屁理屈を断罪し、彼を重罪人として一刀の下に斬り伏せようとした。
すると、
『待ちないやァドロプッ!』
「!」
急いて制する声を上げたのは、イリス。
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