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第八章
8-22
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老獪の集まりである元老院を相手に、公然と対峙を表明するリンドウ達を前に、
『しかして大丈夫なのですかな、百人様方』
「しぃ?」
エルブ王が怪訝な表情で、
「中世の動向は、天世様に筒抜け。このような派手な動きをされては御身に、」
「チッチッチッ♪ それは大丈夫なんしぃ♪」
「?」
ケラケラ笑う彼女を、ゴゼンが補足するように、
「チョウカイ様はぁ今頃ぉソレどころじゃないんだヨぉん~♪」
「と、申されますと?」
続くヒレンも、
「同志が、天世の各地で騒ぎを起こしてるの」
「!」
「一人で、慌てるだけ慌てれば良いんだわ。我欲にまみれ、他人の自由を奪ってまで権力を独占した報いよ」
「…………」
因果応報、自業自得とでも言いたげな口振りに、
(とは言え……)
割り切れない思いを残すエルブ王。
中世が、天世のゴタゴタに「単に巻き込まれ感」が否めなかったから。
しかしそれは「中世人の身」で、口にしてはならない苦言。
ましてや彼は、天世から数々の信任を得ている「エルブ国の王」である。
神たる存在に近い「百人の天世人」との間に不和を生む訳にはいかず、
「…………」
本音を言えば、許されるのなら、今後に苦悩を強いられる可能性のある「全ての中世人」に成り代わり、「小言の一つ」でも言ってやりたい気持ちはあったが、
(迂闊な不服を口にして、ワシが中世に危機を招く訳にはいかぬ……)
憤りは腹の底にグッと押し留め、波立つ気持ちを静める意も兼ねて、
「なれば勇者よ、貴公らはこれから如何なするつもりか?」
ラディッシュに改めて問うと、
「はい」
彼は静かに頷き面(おもて)を上げ、
「百人様の御言葉から「時間の猶予がある」と判断しましたので」
「うむ」
「御三方には時間の許す限り、中世の人々の営みや、文化などを知っていただこうかと考えております」
「ん? 何ゆえか?」
「世界が、安寧を取り戻した後を見据えての事です」
「後の世と?」
「はい。今日(こんにち)までの体験を踏まえ、天世と中世は、あまりに「互いを知らな過ぎる」と感じました」
「…………」
「なので、先ずは御三方に中世を知っていただき、後の世の橋渡し役を担っていただきたいと考えまして」
「なるほどのぉ……」
エルブ王は理想論として理解は示しつつ、
「しかし勇者よ。それはあまりに、百人様に対し不敬ではないのか?」
天世の三人の顔色を窺うようにチラ見し、天世と中世の「主従のような関係」から気遣いを口にしたが、
『構わないしぃ♪』
リンドウは平然と笑って見せ、
『だょネぇ♪ ちょぉっと中世を見ただけでぇ、天世の文化が停滞してるのが分かったんだよネぇ♪』
ゴゼンも続き、
「後の天世にとって良い刺激になるんじゃないの? 今は、権力にしがみ付く邪魔な連中が居て不可能だけど」
ヒレンも同意しつつ、元老院を思い眉間に深く、苦々し気なシワを寄せた。
天世人を代表していると言っても過言ではない肩書の三人の言葉から、
「…………」
新たな時代の足音を感じる、エルブ王。
改めて過去を振り返ってみれば、破天荒と思われたラミウムの振る舞いの数々も、時代を先んじた物であったように思え、
(ワシの考えは「古きに固執」しておったのか……次代を、若者に託すべきか……)
内なる反省は顔には出さず、
「なれば勇者たちよ、この件は一任して構わぬか? まかりチョウカイ様の手の者が掛かった時、天世人に逆らえぬ因子を持つ我等(中世人)では、立場では、百人様をお守りすることは出来ぬゆえ」
大事を任されたラディッシュ達であったが、新たな時代の可能性を前に「拒む理由など」あろう筈も無く、仲間たちと頷き合うと、
『はい! お任せ下さい!』
力強く応えた。
『しかして大丈夫なのですかな、百人様方』
「しぃ?」
エルブ王が怪訝な表情で、
「中世の動向は、天世様に筒抜け。このような派手な動きをされては御身に、」
「チッチッチッ♪ それは大丈夫なんしぃ♪」
「?」
ケラケラ笑う彼女を、ゴゼンが補足するように、
「チョウカイ様はぁ今頃ぉソレどころじゃないんだヨぉん~♪」
「と、申されますと?」
続くヒレンも、
「同志が、天世の各地で騒ぎを起こしてるの」
「!」
「一人で、慌てるだけ慌てれば良いんだわ。我欲にまみれ、他人の自由を奪ってまで権力を独占した報いよ」
「…………」
因果応報、自業自得とでも言いたげな口振りに、
(とは言え……)
割り切れない思いを残すエルブ王。
中世が、天世のゴタゴタに「単に巻き込まれ感」が否めなかったから。
しかしそれは「中世人の身」で、口にしてはならない苦言。
ましてや彼は、天世から数々の信任を得ている「エルブ国の王」である。
神たる存在に近い「百人の天世人」との間に不和を生む訳にはいかず、
「…………」
本音を言えば、許されるのなら、今後に苦悩を強いられる可能性のある「全ての中世人」に成り代わり、「小言の一つ」でも言ってやりたい気持ちはあったが、
(迂闊な不服を口にして、ワシが中世に危機を招く訳にはいかぬ……)
憤りは腹の底にグッと押し留め、波立つ気持ちを静める意も兼ねて、
「なれば勇者よ、貴公らはこれから如何なするつもりか?」
ラディッシュに改めて問うと、
「はい」
彼は静かに頷き面(おもて)を上げ、
「百人様の御言葉から「時間の猶予がある」と判断しましたので」
「うむ」
「御三方には時間の許す限り、中世の人々の営みや、文化などを知っていただこうかと考えております」
「ん? 何ゆえか?」
「世界が、安寧を取り戻した後を見据えての事です」
「後の世と?」
「はい。今日(こんにち)までの体験を踏まえ、天世と中世は、あまりに「互いを知らな過ぎる」と感じました」
「…………」
「なので、先ずは御三方に中世を知っていただき、後の世の橋渡し役を担っていただきたいと考えまして」
「なるほどのぉ……」
エルブ王は理想論として理解は示しつつ、
「しかし勇者よ。それはあまりに、百人様に対し不敬ではないのか?」
天世の三人の顔色を窺うようにチラ見し、天世と中世の「主従のような関係」から気遣いを口にしたが、
『構わないしぃ♪』
リンドウは平然と笑って見せ、
『だょネぇ♪ ちょぉっと中世を見ただけでぇ、天世の文化が停滞してるのが分かったんだよネぇ♪』
ゴゼンも続き、
「後の天世にとって良い刺激になるんじゃないの? 今は、権力にしがみ付く邪魔な連中が居て不可能だけど」
ヒレンも同意しつつ、元老院を思い眉間に深く、苦々し気なシワを寄せた。
天世人を代表していると言っても過言ではない肩書の三人の言葉から、
「…………」
新たな時代の足音を感じる、エルブ王。
改めて過去を振り返ってみれば、破天荒と思われたラミウムの振る舞いの数々も、時代を先んじた物であったように思え、
(ワシの考えは「古きに固執」しておったのか……次代を、若者に託すべきか……)
内なる反省は顔には出さず、
「なれば勇者たちよ、この件は一任して構わぬか? まかりチョウカイ様の手の者が掛かった時、天世人に逆らえぬ因子を持つ我等(中世人)では、立場では、百人様をお守りすることは出来ぬゆえ」
大事を任されたラディッシュ達であったが、新たな時代の可能性を前に「拒む理由など」あろう筈も無く、仲間たちと頷き合うと、
『はい! お任せ下さい!』
力強く応えた。
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