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第十章
10-23
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キーメとスプライツは監視男に対する無自覚嫉妬に端を発する「敵意むき出しな色眼鏡」に加え、報酬を受け取った姿に男の活動目的が「志(こころざし)」からではなく、信念など皆無な、金銭目当てに見え、
{{おカネがメアテでヒトにメイワクかける、ロクなヤツじゃない(なんぉ・なんのぉ)}}
(…………)
チィックウィードは反論出来なかった。
目の当たりにした光景から想像されるは「二人の言う通り」であり、男は少々決め付けがましく見られているとも知らず沈んだ気持ちから一転して中身を確認するや否や、
「昼飯一回分より……」
思わず小さくこぼした。
その呟きから「よほどの少額」であるのを察したチィックウィードは、
(シンポシャ、とってもケチなぉ……)
{{…………}}
幼いながらも呆れた様子でなんとも渋い顔をしたが、無償で暗殺家業を強要されていたキーメとスプライツは嫉妬を抱かせる相手ながらも、
{{タダバタラキじゃないだけマシ(なんぉ・なんのぉ)}}
同情の色を滲ませた。
年端のいかぬ幼子三人から気遣われているなど、知る由もない男。
子供の小遣い程度の少額にガッカリする様子を見せたが、そんな自身の心根を即座に猛省する様子も見せた。
しかしチィックウィード、キーメ、スプライツの第三者的目線から見れば、
《地世信奉者たちに良いように使われている》
その不憫を誘うほどの生真面目さに、
(…………)
{{…………}}
三人は憐れみを禁じ得なかった。
そして男の帰宅を見届け、その足で彼女たちが向かった先は、
『今日は如何なされましたかチィックウィード殿?』
親衛隊副隊長の下。
隊長であるスパイダマグは来(きた)る天世との衝突に備え、中世の各国に共闘を訴える外遊中で不在が続いている為。
夕飯時が近いと言う時間帯にやって来た「思い掛けない来訪者」に、彼は一枚布で隠した素顔に驚きを隠せなかったが、彼女が眼にした一連の話を聴くなり、
「なるほど……」
深く頷いてから、
「それで当方らは、何をすれば良いのでしょう?」
相手が幼女だからと言って下に見たり、軽く扱ったりはしない。
日頃は距離感を失念した言動や、過剰にこだわる呼称など、暑苦しさが悪目立ちする彼ではあったが、真剣に話す相手には真摯を以て話す、彼が村人たちから好感を以て受け止められている理由の一つであった。
故にチィックウィードも気持ちを包み隠さず、
「パパぁおしごとでイエにイナイくて、そぉんでチィがカンシしてるときぃ、かわりにママをイエでまもってほしいなぉ」
「……つまり勇者殿には?」
彼女は小さく「コクン」と頷き、
「ナイショなぉ」
「…………」
即答できない副隊長。
勇者ラディッシュの家庭の事情に、他人である自身が勝手に足を踏み入れるのを意味したから。
距離感の欠如した言動が著しくとも、大人としての思慮は持ち合わせているのである。
幼子からの懇願に、
「…………」
彼は少し考えてから、
「勇者殿に秘密にする理由を御伺いしても宜しいか?」
「…………」
黙するチィックウィード。
幼いながらも今に適した言葉を探しているのか少し考えてから正直に、
「パパにフタンをかけたくないなぉ」
「負担……で、ありますか?」
「あのヒトをつかまえるのはぁカンタンなぉ。シンポウシャにキョウリョクするのぉイケナイなぉ」
「…………」
「でもぉでもぉあのヒトはとってもマジメでぇ、ジンセイうまくいかなくてぇ、シンポシャにつけこまれたダケ、」
「それだけが理由で?」
『!』
素朴な疑問から生まれたと思われる指摘に、
「…………」
彼女は首を静かに横に振り、
「チガウ……なぁぉ……」
信奉者たちにそそのかされ監視男の生真面目な横顔と、ラディッシュの生真面目な横顔を想い、重ねながら、
「ブキヨウでマジメなパパにニテルきがしてぇ……ほっとけないなぉ……コドモのチィにぃパパのココロはぁ、すくえないなぉ……だからせめて……」
幼いながらも微かな自嘲を伴った笑みからは、自身の幼さを憂いた悲しみが見て取れ、
(慈愛の強さと言うモノに、年齢は関係がない物なのですね……)
幼女から学んだ副隊長は、
(女性に本音をここまで語らせておいて突っ撥ねるは武人の名折れ!)
腹を括ると、
『分かりました! お引き受けいたしましょう!』
「!」
要請を快諾こそしたが、
「ただし、」
「なぉ?!」
「お引け受けするに当たり、一つだけお約束下さい」
「アブナことぉしないな、」
「そのような心配はしておりません」
「なぉぉ?」
「七草殿に危害を加えられる強者など、そうは居りませぬ故に」
「ふにゅ?」
愛らしい首傾げに、彼は一枚布の下に満面の笑顔を浮かべていると分かる声で、
『その者の迷える心を、必ずや救って下さい』
「!?」
チィックウィードは少し驚いた顔を見せたが、すぐさま、
『やくそくするなぉ♪』
キラキラ輝く天使の笑顔を見せた。
愛らしい首傾げから流れるように続く、キラキラ輝く天使の笑顔のコンボ攻撃に、
(うぅっ!)
胸の奥をキュンとさせられる副隊長。
ロリと言う名の「禁断の扉」を開きかけ、
(いっ、いかぁん!!!)
慌てて閉じ、そこまで彼女に気を掛けてもらっている監視男を少し羨んだ一方、信奉者の甘言に乗せられたしまった当人は、
「…………」
その様な取り引きが行われていたなど知る由も無く「密かなつもりの監視」を以降も続けた。
{{おカネがメアテでヒトにメイワクかける、ロクなヤツじゃない(なんぉ・なんのぉ)}}
(…………)
チィックウィードは反論出来なかった。
目の当たりにした光景から想像されるは「二人の言う通り」であり、男は少々決め付けがましく見られているとも知らず沈んだ気持ちから一転して中身を確認するや否や、
「昼飯一回分より……」
思わず小さくこぼした。
その呟きから「よほどの少額」であるのを察したチィックウィードは、
(シンポシャ、とってもケチなぉ……)
{{…………}}
幼いながらも呆れた様子でなんとも渋い顔をしたが、無償で暗殺家業を強要されていたキーメとスプライツは嫉妬を抱かせる相手ながらも、
{{タダバタラキじゃないだけマシ(なんぉ・なんのぉ)}}
同情の色を滲ませた。
年端のいかぬ幼子三人から気遣われているなど、知る由もない男。
子供の小遣い程度の少額にガッカリする様子を見せたが、そんな自身の心根を即座に猛省する様子も見せた。
しかしチィックウィード、キーメ、スプライツの第三者的目線から見れば、
《地世信奉者たちに良いように使われている》
その不憫を誘うほどの生真面目さに、
(…………)
{{…………}}
三人は憐れみを禁じ得なかった。
そして男の帰宅を見届け、その足で彼女たちが向かった先は、
『今日は如何なされましたかチィックウィード殿?』
親衛隊副隊長の下。
隊長であるスパイダマグは来(きた)る天世との衝突に備え、中世の各国に共闘を訴える外遊中で不在が続いている為。
夕飯時が近いと言う時間帯にやって来た「思い掛けない来訪者」に、彼は一枚布で隠した素顔に驚きを隠せなかったが、彼女が眼にした一連の話を聴くなり、
「なるほど……」
深く頷いてから、
「それで当方らは、何をすれば良いのでしょう?」
相手が幼女だからと言って下に見たり、軽く扱ったりはしない。
日頃は距離感を失念した言動や、過剰にこだわる呼称など、暑苦しさが悪目立ちする彼ではあったが、真剣に話す相手には真摯を以て話す、彼が村人たちから好感を以て受け止められている理由の一つであった。
故にチィックウィードも気持ちを包み隠さず、
「パパぁおしごとでイエにイナイくて、そぉんでチィがカンシしてるときぃ、かわりにママをイエでまもってほしいなぉ」
「……つまり勇者殿には?」
彼女は小さく「コクン」と頷き、
「ナイショなぉ」
「…………」
即答できない副隊長。
勇者ラディッシュの家庭の事情に、他人である自身が勝手に足を踏み入れるのを意味したから。
距離感の欠如した言動が著しくとも、大人としての思慮は持ち合わせているのである。
幼子からの懇願に、
「…………」
彼は少し考えてから、
「勇者殿に秘密にする理由を御伺いしても宜しいか?」
「…………」
黙するチィックウィード。
幼いながらも今に適した言葉を探しているのか少し考えてから正直に、
「パパにフタンをかけたくないなぉ」
「負担……で、ありますか?」
「あのヒトをつかまえるのはぁカンタンなぉ。シンポウシャにキョウリョクするのぉイケナイなぉ」
「…………」
「でもぉでもぉあのヒトはとってもマジメでぇ、ジンセイうまくいかなくてぇ、シンポシャにつけこまれたダケ、」
「それだけが理由で?」
『!』
素朴な疑問から生まれたと思われる指摘に、
「…………」
彼女は首を静かに横に振り、
「チガウ……なぁぉ……」
信奉者たちにそそのかされ監視男の生真面目な横顔と、ラディッシュの生真面目な横顔を想い、重ねながら、
「ブキヨウでマジメなパパにニテルきがしてぇ……ほっとけないなぉ……コドモのチィにぃパパのココロはぁ、すくえないなぉ……だからせめて……」
幼いながらも微かな自嘲を伴った笑みからは、自身の幼さを憂いた悲しみが見て取れ、
(慈愛の強さと言うモノに、年齢は関係がない物なのですね……)
幼女から学んだ副隊長は、
(女性に本音をここまで語らせておいて突っ撥ねるは武人の名折れ!)
腹を括ると、
『分かりました! お引き受けいたしましょう!』
「!」
要請を快諾こそしたが、
「ただし、」
「なぉ?!」
「お引け受けするに当たり、一つだけお約束下さい」
「アブナことぉしないな、」
「そのような心配はしておりません」
「なぉぉ?」
「七草殿に危害を加えられる強者など、そうは居りませぬ故に」
「ふにゅ?」
愛らしい首傾げに、彼は一枚布の下に満面の笑顔を浮かべていると分かる声で、
『その者の迷える心を、必ずや救って下さい』
「!?」
チィックウィードは少し驚いた顔を見せたが、すぐさま、
『やくそくするなぉ♪』
キラキラ輝く天使の笑顔を見せた。
愛らしい首傾げから流れるように続く、キラキラ輝く天使の笑顔のコンボ攻撃に、
(うぅっ!)
胸の奥をキュンとさせられる副隊長。
ロリと言う名の「禁断の扉」を開きかけ、
(いっ、いかぁん!!!)
慌てて閉じ、そこまで彼女に気を掛けてもらっている監視男を少し羨んだ一方、信奉者の甘言に乗せられたしまった当人は、
「…………」
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