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第十章
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変装までして飲食店を回るパストリスとカドウィードが欲しているのは、ウマイ料理ではなく、
《自分たちが活躍できる情報》
企業努力を惜しまぬ飲食店、料理人に対して失礼な話ではあるが「揺らぐ存在価値」を覆せる情報を、二人は喉から手が出そうな程に欲していた。
七草が活躍しなければならない程の事件、事故に、そうそうポンポン起きられては、その方が問題ではあるが。
その事実を失念してしまうほど、二人は仲間たちの活躍に「一方的な焦り」を覚えていたのである。
良く言えば、七草としての責任の表れと言えなくもないが。
小さなため息の後、
「「…………」」
何の気なしに店内を眺める二人。
目に映ったのは、耳に聴こえて来たのは、村人たちや観光客たちの屈託無い笑顔や、談笑の声の数々。
それは穏やかな日常であり、
それは、
《仲間たちと守った世界》
そう想うと、
(ボク達は……)
(カディらぁはぁ……)
事件、事故の情報を求めた自分たちの行為が、次第に浅はかに思えて来て、
((何をしていたの(でぇす・ありぃんしょ)……))
二人は自然と視線を交わし合い、
「「…………」」
自嘲気味の笑みを小さく浮かべ合った。
そして、
「ボク達ぃ、何をやっていたのでぇす」
「げにぃありぃんすなぁ~平穏な日常は何よりにでぇありぃんしょうにぃ♪」
「なのでぇすなのでぇす♪」
何度も頷くパストリスは愛らしい苦笑で以て、
「ボク達がしてぇいたのはぁ、単なる「名店巡り」なのでぇすね♪」
呆れ笑う彼女はハッと何か思い付いた様子で、
『ソレなのでぇす!』
「?」
「せっかく美味しい料理を食べ歩いたなのでぇ、ラディが前に言っていた「グルメガイド」? みたいな物を作ってもオモシロかもなのでぇす♪」
「ふふふふふ♪ それは良きにぃありぃんすな♪ いっそ他の村や町、他国に配布するのも一興にありぃんすぅ♪」
「でぇすでぇすよねぇ♪」
盛り上がる二人。
それこそ二人が探し求めていた「活躍の場である」と気付かぬほどに。
目的を見付けた二人の表情は明るく、今後の方針、展望を和気あいあいと話し合いながら、ほころぶ笑顔の談笑は続けたまま、
(気付いたでぇす? 今、お店に入った二人……)
(げにぃありんす。地世のチカラを感じぃんした……)
密かな緊張感を纏った眼と眼で会話。
気に掛けた男女は普通の中世人に見えたが、そもそもの話で中世人は長い年月を「天世の恩恵」と「地世の汚染」による影響を受け続けハイブリッドのような肉体である。
指紋のように個人差による強弱はあるものの「地世のチカラ」を感じるのは当たり前であったが、
((明らかに質が違うの(でぇす・でぇありぃんす)……))
地世のチカラの「濃さ」とでも呼べば良いのか、二人は不穏を敏感に感じ取り、表面上こそ談笑している姿を装いながらも感覚は、
((…………))
疑惑の男女の一挙手一投足を捉え続けた。
七草にマークされているなど露も思わぬ男女。
注文カウンターでメニュー表から、
「私はこれにするわ♪」
「なら俺は、コレとコレで♪」
店員に欲しい商品を楽し気に告げ、着ている服も黒ローブなどでは当然なく、一般の村人たちと何ら変わらぬ装い。
一見すると村によくいる「普通のカップルの一組」にしか見えず、他の客たちと日常に溶け込んでいて、
((…………))
パストリスとカドウィードは表面上の談笑を続けながら、
(何が目的なのでぇしょう? 本当に単なるぅ食事?)
(答えを出すのは早計にぃありぃんすぇ)
(で、でぇもぉ今ことを荒立てたら……)
(分かっているにぃありぃんす。無用の混乱と、要らぬ被害を出す可能性があるにぃありぃんす)
(でぇすでぇす、それに……)
(?)
(この格好で「ボクの正体」を知られるのはぁちょっと恥ずかしい、なのでぇす……)
(…………)
素性を隠す為の、奇抜なファッション。
本来は好んで着る服でも、好んで施す派手メイクでもなく、人目に付くところでの大立ち回りに羞恥を覚えたが、それはカドウィードとて同じ。
(珍奇な装いの正体が「七草のカディ」と知れぇんしたらぁ……)
服やメイクの方向性を話し合っていた時は「グルメガイド作成」と言う目的をやっと見付け、またいつもと違う自分に変身できることに、異様なハイテンションのノリノリであった。
それは誰しも覚えのある「深夜時間のノリ」に近い、とでも言えば理解が早いか。
ゆえに周りの反応が著しく気に掛かり、それほど異質なファッションで固めていた自覚もあり、
(今は「待つ時」にぃありぃんす)
(でぇすでぇすねぇ!)
二人は眼と眼で真剣に頷き合い、男女の退店を冷静に待つことにした。
会話を聞き漏らさぬよう細心の注意を払いつつ、監視を悟られぬよう、談笑を装いながら慎重に。
《自分たちが活躍できる情報》
企業努力を惜しまぬ飲食店、料理人に対して失礼な話ではあるが「揺らぐ存在価値」を覆せる情報を、二人は喉から手が出そうな程に欲していた。
七草が活躍しなければならない程の事件、事故に、そうそうポンポン起きられては、その方が問題ではあるが。
その事実を失念してしまうほど、二人は仲間たちの活躍に「一方的な焦り」を覚えていたのである。
良く言えば、七草としての責任の表れと言えなくもないが。
小さなため息の後、
「「…………」」
何の気なしに店内を眺める二人。
目に映ったのは、耳に聴こえて来たのは、村人たちや観光客たちの屈託無い笑顔や、談笑の声の数々。
それは穏やかな日常であり、
それは、
《仲間たちと守った世界》
そう想うと、
(ボク達は……)
(カディらぁはぁ……)
事件、事故の情報を求めた自分たちの行為が、次第に浅はかに思えて来て、
((何をしていたの(でぇす・ありぃんしょ)……))
二人は自然と視線を交わし合い、
「「…………」」
自嘲気味の笑みを小さく浮かべ合った。
そして、
「ボク達ぃ、何をやっていたのでぇす」
「げにぃありぃんすなぁ~平穏な日常は何よりにでぇありぃんしょうにぃ♪」
「なのでぇすなのでぇす♪」
何度も頷くパストリスは愛らしい苦笑で以て、
「ボク達がしてぇいたのはぁ、単なる「名店巡り」なのでぇすね♪」
呆れ笑う彼女はハッと何か思い付いた様子で、
『ソレなのでぇす!』
「?」
「せっかく美味しい料理を食べ歩いたなのでぇ、ラディが前に言っていた「グルメガイド」? みたいな物を作ってもオモシロかもなのでぇす♪」
「ふふふふふ♪ それは良きにぃありぃんすな♪ いっそ他の村や町、他国に配布するのも一興にありぃんすぅ♪」
「でぇすでぇすよねぇ♪」
盛り上がる二人。
それこそ二人が探し求めていた「活躍の場である」と気付かぬほどに。
目的を見付けた二人の表情は明るく、今後の方針、展望を和気あいあいと話し合いながら、ほころぶ笑顔の談笑は続けたまま、
(気付いたでぇす? 今、お店に入った二人……)
(げにぃありんす。地世のチカラを感じぃんした……)
密かな緊張感を纏った眼と眼で会話。
気に掛けた男女は普通の中世人に見えたが、そもそもの話で中世人は長い年月を「天世の恩恵」と「地世の汚染」による影響を受け続けハイブリッドのような肉体である。
指紋のように個人差による強弱はあるものの「地世のチカラ」を感じるのは当たり前であったが、
((明らかに質が違うの(でぇす・でぇありぃんす)……))
地世のチカラの「濃さ」とでも呼べば良いのか、二人は不穏を敏感に感じ取り、表面上こそ談笑している姿を装いながらも感覚は、
((…………))
疑惑の男女の一挙手一投足を捉え続けた。
七草にマークされているなど露も思わぬ男女。
注文カウンターでメニュー表から、
「私はこれにするわ♪」
「なら俺は、コレとコレで♪」
店員に欲しい商品を楽し気に告げ、着ている服も黒ローブなどでは当然なく、一般の村人たちと何ら変わらぬ装い。
一見すると村によくいる「普通のカップルの一組」にしか見えず、他の客たちと日常に溶け込んでいて、
((…………))
パストリスとカドウィードは表面上の談笑を続けながら、
(何が目的なのでぇしょう? 本当に単なるぅ食事?)
(答えを出すのは早計にぃありぃんすぇ)
(で、でぇもぉ今ことを荒立てたら……)
(分かっているにぃありぃんす。無用の混乱と、要らぬ被害を出す可能性があるにぃありぃんす)
(でぇすでぇす、それに……)
(?)
(この格好で「ボクの正体」を知られるのはぁちょっと恥ずかしい、なのでぇす……)
(…………)
素性を隠す為の、奇抜なファッション。
本来は好んで着る服でも、好んで施す派手メイクでもなく、人目に付くところでの大立ち回りに羞恥を覚えたが、それはカドウィードとて同じ。
(珍奇な装いの正体が「七草のカディ」と知れぇんしたらぁ……)
服やメイクの方向性を話し合っていた時は「グルメガイド作成」と言う目的をやっと見付け、またいつもと違う自分に変身できることに、異様なハイテンションのノリノリであった。
それは誰しも覚えのある「深夜時間のノリ」に近い、とでも言えば理解が早いか。
ゆえに周りの反応が著しく気に掛かり、それほど異質なファッションで固めていた自覚もあり、
(今は「待つ時」にぃありぃんす)
(でぇすでぇすねぇ!)
二人は眼と眼で真剣に頷き合い、男女の退店を冷静に待つことにした。
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