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第十一章
11-15
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巨漢の師団長が見せる子供のような泣きじゃくりに、
「なぁ、泣かないで欲しいのでぇすぅ!」
パストリスは戸惑い、
「そうだ! お名前を教えて欲しいのでぇす♪」
すると彼は涙を拭いながら、
「名前なぁんてぇジョウトウなものぁ、持って無ぇでブル」
「え?! 幹部級なのに?」
「んだ」
「う~ん、それはチョット困ったなのでぇすぅ。会議の時とか色々とぉ」
困惑顔を見せると、師団長はニカッと笑い、
「んだらぁ魔王様にぃ付けて欲しいでぇブル♪」
「えぇ? ボクにぃ?! 大事なお名前を、ボクが付けても良いのでぇす?!」
「ブル♪」
本人たっての希望ではあるものの、名前は一生モノ。
流石に躊躇いを覚えターナップをチラッと見ると、目が合った彼は小さく笑って周囲に気付かれない程度に親指を立てて見せ、
(!)
背中を押された彼女は笑顔と共に、
『それなら「ライケン」は、どうなのでぇす?』
「らいげぇん?」
「子供の頃にパパ……ケホケホ……父さんに教えてもらった植物なのでぇす♪」
((((((((((パパ……))))))))))
口を滑らせてしまったロリな容姿の魔王様の言い直し前を、家臣たちは密かに反芻。
テレ顔に、
《尊ぃい♪》
内心で萌える魔王軍。
あえて掘り返さなかったのは、彼女の「魔王としての立場」を気遣ってのこと。
しかしライケンと命名された師団長は、デリカシーと言う部分が著しく欠落しているらしく平然と、
「ソデぇが、魔王様が「パパ」に教えでもらったショクブツの名前なのでブル?」
「せっかくお茶を濁したのにぃ言い戻さなくて良いのでぇすぅ!」
彼女は羞恥で顔を赤らめながらも、
「ライケンはぁ木の幹とか岩とかに付いてる一見する地味な植物なのでぇすぅ。でもぉ共生しながら生きてる、とっても「立派な植物さん」なのでぇすぅ♪」
((((((((((植物さぁん♪))))))))))
魔王軍再びの萌えに、
『イチイチ反応しないでぇ欲しいのでぇすぅ!』
魔王様は愛らしく憤慨した上で、
「ホントの地世の人じゃないボク達と、仲良く、一緒に生きて欲しくて付けたのでぇす♪」
「仲良くぅ、一緒にぃ……」
無意に、言葉をオウム返しする師団長ライケン。
獣の顔からでは喜怒哀楽が読み辛く、パストリスはおずおずと、
「もしかしてイヤ、なのでぇす?」
しかし師団長ライケンはこの時に思っていた。
(新しい魔王ザマぁ、オデェの知らない初めでを、沢山沢山おじえでぐれるでブルゥ!)
彼女の問いに対する彼の答えは、それが全てであった。
魔王軍師団長は雄叫びを上げるが如き歓喜を以て、
『嫌でぇねぇブル! ザイコウでブルぅうーーー!!!』
彼を慕う合成獣たちも喜びの咆哮を上げ、合成獣たちのあまりの喜びように、パストリスも耳を抑えながら満面の笑顔を見せる中、大団円を迎えた大岡裁きに感極まったターナップが目頭を押さえ、
「お嬢ぉ~いつの間、立派になっちまってぇ~」
その姿を目にした隣のゴゼンは、いつもの変わらぬ軽薄な笑いを見せながら、
「タープきゅんってぇさぁ~」
「ん?」
「ホントぉ陛下のオカンだよねぇ~♪」
『誰が母親かぁ!』
即でツッコミ、
「ってかぁ、んな言葉ぁよく知ってやがったなぁ?!」
「ウィヒィヒィ♪ それはねぇ~♪」
「それは?」
一拍間を置き、
「ヒミツなんだよねぇ~♪」
「うわぁウッゼぇ!」
コントのような二人のやり取りに右席の金狼グランが「はぁ」と短くも深いため息。
「地世の規範となり、政治の中枢を担う最高幹部の二人がこれでは、やれやれ先が思いやられる」
平静に呆れる彼に、呆れられた一人のターナップはムッとし、
「スカしてぇんじゃねぇぞグラン!」
喰って掛かったが、すまし顔。
その顔に、むしろ怒りは増し、
「コイツ、マジぃ腹立つわぁあぁ!」
苛立ち露にすると、ゴゼンがヘラヘラ笑い、
「ウィヒィヒィ♪ グランきゅんも、話に混ざりたかったんだよねぇん♪」
人の神経を逆撫でするは彼の方が一枚上手であったか、ターナップのツッコミには暖簾に腕押しであった金狼グランが苛立ちの滲んだ物言いで、
「はぁ?! 何を言ってるんですか? 貴方がたには「呆れた」と、ハッキリ言わないと分かりませんでしたか?」
「ウィヒィヒィ♪ 怒った怒った♪ 同類だってぇさタープきゅん♪」
「俺とコイツを一緒くたにしてんじゃねぇ!」
師団長の無罪放免に大騒ぎの合成獣たちと、全くの別次元の話でもめる最高幹部三人。
期せずして間に挟まれる形となった新王パストリスは、
(前途多難なのでぇすぅ)
愛らしくも苦笑いを浮かべた。
ターナップが内に抱える、密かな苦悩を知ってか知らずか。
「なぁ、泣かないで欲しいのでぇすぅ!」
パストリスは戸惑い、
「そうだ! お名前を教えて欲しいのでぇす♪」
すると彼は涙を拭いながら、
「名前なぁんてぇジョウトウなものぁ、持って無ぇでブル」
「え?! 幹部級なのに?」
「んだ」
「う~ん、それはチョット困ったなのでぇすぅ。会議の時とか色々とぉ」
困惑顔を見せると、師団長はニカッと笑い、
「んだらぁ魔王様にぃ付けて欲しいでぇブル♪」
「えぇ? ボクにぃ?! 大事なお名前を、ボクが付けても良いのでぇす?!」
「ブル♪」
本人たっての希望ではあるものの、名前は一生モノ。
流石に躊躇いを覚えターナップをチラッと見ると、目が合った彼は小さく笑って周囲に気付かれない程度に親指を立てて見せ、
(!)
背中を押された彼女は笑顔と共に、
『それなら「ライケン」は、どうなのでぇす?』
「らいげぇん?」
「子供の頃にパパ……ケホケホ……父さんに教えてもらった植物なのでぇす♪」
((((((((((パパ……))))))))))
口を滑らせてしまったロリな容姿の魔王様の言い直し前を、家臣たちは密かに反芻。
テレ顔に、
《尊ぃい♪》
内心で萌える魔王軍。
あえて掘り返さなかったのは、彼女の「魔王としての立場」を気遣ってのこと。
しかしライケンと命名された師団長は、デリカシーと言う部分が著しく欠落しているらしく平然と、
「ソデぇが、魔王様が「パパ」に教えでもらったショクブツの名前なのでブル?」
「せっかくお茶を濁したのにぃ言い戻さなくて良いのでぇすぅ!」
彼女は羞恥で顔を赤らめながらも、
「ライケンはぁ木の幹とか岩とかに付いてる一見する地味な植物なのでぇすぅ。でもぉ共生しながら生きてる、とっても「立派な植物さん」なのでぇすぅ♪」
((((((((((植物さぁん♪))))))))))
魔王軍再びの萌えに、
『イチイチ反応しないでぇ欲しいのでぇすぅ!』
魔王様は愛らしく憤慨した上で、
「ホントの地世の人じゃないボク達と、仲良く、一緒に生きて欲しくて付けたのでぇす♪」
「仲良くぅ、一緒にぃ……」
無意に、言葉をオウム返しする師団長ライケン。
獣の顔からでは喜怒哀楽が読み辛く、パストリスはおずおずと、
「もしかしてイヤ、なのでぇす?」
しかし師団長ライケンはこの時に思っていた。
(新しい魔王ザマぁ、オデェの知らない初めでを、沢山沢山おじえでぐれるでブルゥ!)
彼女の問いに対する彼の答えは、それが全てであった。
魔王軍師団長は雄叫びを上げるが如き歓喜を以て、
『嫌でぇねぇブル! ザイコウでブルぅうーーー!!!』
彼を慕う合成獣たちも喜びの咆哮を上げ、合成獣たちのあまりの喜びように、パストリスも耳を抑えながら満面の笑顔を見せる中、大団円を迎えた大岡裁きに感極まったターナップが目頭を押さえ、
「お嬢ぉ~いつの間、立派になっちまってぇ~」
その姿を目にした隣のゴゼンは、いつもの変わらぬ軽薄な笑いを見せながら、
「タープきゅんってぇさぁ~」
「ん?」
「ホントぉ陛下のオカンだよねぇ~♪」
『誰が母親かぁ!』
即でツッコミ、
「ってかぁ、んな言葉ぁよく知ってやがったなぁ?!」
「ウィヒィヒィ♪ それはねぇ~♪」
「それは?」
一拍間を置き、
「ヒミツなんだよねぇ~♪」
「うわぁウッゼぇ!」
コントのような二人のやり取りに右席の金狼グランが「はぁ」と短くも深いため息。
「地世の規範となり、政治の中枢を担う最高幹部の二人がこれでは、やれやれ先が思いやられる」
平静に呆れる彼に、呆れられた一人のターナップはムッとし、
「スカしてぇんじゃねぇぞグラン!」
喰って掛かったが、すまし顔。
その顔に、むしろ怒りは増し、
「コイツ、マジぃ腹立つわぁあぁ!」
苛立ち露にすると、ゴゼンがヘラヘラ笑い、
「ウィヒィヒィ♪ グランきゅんも、話に混ざりたかったんだよねぇん♪」
人の神経を逆撫でするは彼の方が一枚上手であったか、ターナップのツッコミには暖簾に腕押しであった金狼グランが苛立ちの滲んだ物言いで、
「はぁ?! 何を言ってるんですか? 貴方がたには「呆れた」と、ハッキリ言わないと分かりませんでしたか?」
「ウィヒィヒィ♪ 怒った怒った♪ 同類だってぇさタープきゅん♪」
「俺とコイツを一緒くたにしてんじゃねぇ!」
師団長の無罪放免に大騒ぎの合成獣たちと、全くの別次元の話でもめる最高幹部三人。
期せずして間に挟まれる形となった新王パストリスは、
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愛らしくも苦笑いを浮かべた。
ターナップが内に抱える、密かな苦悩を知ってか知らずか。
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