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第十一章
11-16
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話は再び天技を用いた仮想空間の会議に戻り――
四大大国の王たちが名指しこそ避けたが、地世王となった「勇者プエラリア」や「百人の天世人ラミウム」を引き合いに語った、新王パストリスに対する懸念に、
『二人とは違います!』
「「「「「!」」」」」
ラディッシュは即答した上で、異論を挟ませる間も与えず、
「大丈夫だと僕は信じてます!」
いつになくハッキリ答え、その気持ちは同席するニプルウォートとリンドウとて同じであったが、同じながらも、
((…………))
彼のように断言する事が出来なかった。
心情的には同じであっても、大国三王を納得させるだけの根拠を持ち合わせていなかったから。
信用に足る根拠を示さなければ彼が口にした信頼など、絵に描いた餅。
「過ぎたチカラってヤツぁ、いとも容易く「人の正気」を奪ってくモンだぜぇ?」
「勇者殿がぁそう語りんすぅ、論は何処(いずこ)にぃありぃんすぅ♪」
「左様。そしてチカラに魅了された者たちは等しく、」
三王の皮肉を利かせた物言いに、
「彼女は闇に染まって地世に堕ちた訳じゃありません!」
「「「…………」」」
「確かに彼女は妖人(あやかしびと)で辛い差別を受けた経験もあり、今もって中世に根付く差別に心を痛めてもいました」
「「「…………」」」
ラディッシュは懸念を毅然と打ち払いながらも、闇落ちの危惧には理解を示しつつ、
「ですが!」
怒りからではなく、真摯に、パストリスの想いを代弁するが如く、
「彼女は中世と地世の融和を望んで懸け橋になろうと、自ら魔王になる道を選んだんです!」
それだけが「理由の全て」でないのは彼も承知していた。
しかし今は彼女の「私情の部分」を暴露している時でなく、未来を見据えた彼女の想いを、中世の世界を牽引する四大大国の諸王に理解してもらう時宜であり、
「両世界の間に横たわる歴史的感情を乗り越え、融和を成し遂げるのが「生易しい事ではない」のは、両世界を見て来た彼女も十分に理解しています」
「「「…………」」」
「だからこそ、イバラと知りつつ苦難の道を自ら選んだ彼女が、チカラごときに溺れる筈がないんです!」
「「「………」」」
「傍らにはターナップも居ます。それでもパストリスが道を踏み外したら……」
「「「…………」」」
ラディッシュは黙して聴き入る三王を前に、
《僕が地世に直接乗り込んで、命を賭して彼女の眼を覚まさせます》
決意の眼差し。
自ら彼女を手に掛けるのもいとわない。
向けられた眼差しを真っ直ぐ見つめ返すエルブ、フルール、カルニヴァの王たちであったが、勇者が口にした至誠から「言質(げんち)は取れた」と判断してか、三王は余談許さぬ面立ちを急にふっと緩め、
「あい分かった」
「良きにありぃんしょぉ~」
「まぁ、イイんじゃねぇのかぁ」
その物言いから、
(!?)
覚悟を試されたと悟るラディッシュ。
そして三王ともに本音の部分では、地世王となったパストリスに最初から危惧など抱いていなかったのだとも。
平静を以て考えれば、分かった筈であった。
何故なら三王ともに「パストリスとの付き合い」は昨日今日のものでなく、彼女の人となりも、心根の優しさも、知っているから。
特に裏の顔で「同人誌盟友」であった女帝フルールは。
自国の民を守る重責を担う立場にある王たちは感情論だけで事を済ます訳にはいかず、故に勇者を精神的に追い詰めるような問いまでして「担保となる言葉」を欲していたのであった。
英雄に等しき勇者を相手に「不快を与える」を承知で。
それでも問わなければならなかったのが、今の王の立場。
四大大国の王たちが名指しこそ避けたが、地世王となった「勇者プエラリア」や「百人の天世人ラミウム」を引き合いに語った、新王パストリスに対する懸念に、
『二人とは違います!』
「「「「「!」」」」」
ラディッシュは即答した上で、異論を挟ませる間も与えず、
「大丈夫だと僕は信じてます!」
いつになくハッキリ答え、その気持ちは同席するニプルウォートとリンドウとて同じであったが、同じながらも、
((…………))
彼のように断言する事が出来なかった。
心情的には同じであっても、大国三王を納得させるだけの根拠を持ち合わせていなかったから。
信用に足る根拠を示さなければ彼が口にした信頼など、絵に描いた餅。
「過ぎたチカラってヤツぁ、いとも容易く「人の正気」を奪ってくモンだぜぇ?」
「勇者殿がぁそう語りんすぅ、論は何処(いずこ)にぃありぃんすぅ♪」
「左様。そしてチカラに魅了された者たちは等しく、」
三王の皮肉を利かせた物言いに、
「彼女は闇に染まって地世に堕ちた訳じゃありません!」
「「「…………」」」
「確かに彼女は妖人(あやかしびと)で辛い差別を受けた経験もあり、今もって中世に根付く差別に心を痛めてもいました」
「「「…………」」」
ラディッシュは懸念を毅然と打ち払いながらも、闇落ちの危惧には理解を示しつつ、
「ですが!」
怒りからではなく、真摯に、パストリスの想いを代弁するが如く、
「彼女は中世と地世の融和を望んで懸け橋になろうと、自ら魔王になる道を選んだんです!」
それだけが「理由の全て」でないのは彼も承知していた。
しかし今は彼女の「私情の部分」を暴露している時でなく、未来を見据えた彼女の想いを、中世の世界を牽引する四大大国の諸王に理解してもらう時宜であり、
「両世界の間に横たわる歴史的感情を乗り越え、融和を成し遂げるのが「生易しい事ではない」のは、両世界を見て来た彼女も十分に理解しています」
「「「…………」」」
「だからこそ、イバラと知りつつ苦難の道を自ら選んだ彼女が、チカラごときに溺れる筈がないんです!」
「「「………」」」
「傍らにはターナップも居ます。それでもパストリスが道を踏み外したら……」
「「「…………」」」
ラディッシュは黙して聴き入る三王を前に、
《僕が地世に直接乗り込んで、命を賭して彼女の眼を覚まさせます》
決意の眼差し。
自ら彼女を手に掛けるのもいとわない。
向けられた眼差しを真っ直ぐ見つめ返すエルブ、フルール、カルニヴァの王たちであったが、勇者が口にした至誠から「言質(げんち)は取れた」と判断してか、三王は余談許さぬ面立ちを急にふっと緩め、
「あい分かった」
「良きにありぃんしょぉ~」
「まぁ、イイんじゃねぇのかぁ」
その物言いから、
(!?)
覚悟を試されたと悟るラディッシュ。
そして三王ともに本音の部分では、地世王となったパストリスに最初から危惧など抱いていなかったのだとも。
平静を以て考えれば、分かった筈であった。
何故なら三王ともに「パストリスとの付き合い」は昨日今日のものでなく、彼女の人となりも、心根の優しさも、知っているから。
特に裏の顔で「同人誌盟友」であった女帝フルールは。
自国の民を守る重責を担う立場にある王たちは感情論だけで事を済ます訳にはいかず、故に勇者を精神的に追い詰めるような問いまでして「担保となる言葉」を欲していたのであった。
英雄に等しき勇者を相手に「不快を与える」を承知で。
それでも問わなければならなかったのが、今の王の立場。
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